山下"先生"という呼び名は抵抗あるが、他は好印象。
タイトル通り、AVGを中心に物語の流れに沿ってガイドが進行していく。
答えではなくヒントを与えるというスタンスが、氏のゲームに対する愛情を感じ、
これは「攻略本」という乱暴な言葉ではなく、「解説本」と呼んであげたい。
しかし、文系山下氏の言葉が、話をより難しくしている箇所があるのは ご愛嬌。
企画ページは『ミコとアケミのジャングルアドベンチャー』の開発過程を紹介するコーナーがあり、
これは技術的な話が盛り込まれており興味深い。
他に、AVGの遊び方を紹介した講座、AVGカタログ、Q&A、マップ資料などがある。
ここはひとつ、ぜひ当時に気持ちを戻して、本書を読んでいただきたい。
幸い、本書で扱っているゲームは現在、projectEGGで購入できるものが多くあり、
この本の力を借りながらプレイしてみてはいかがだろうか。
また本書はAVGシステムの魅力を再確認できるので、ファンにはたまらない資料となることだろう。
【収録AVG略記】サザンクロス,タイムトンネル,新竹取物語,ポートピア,ザース,ウイングマン,軽井沢,エルドラド伝記,デゼニランド,サラトマ,黄金の墓,(続)〃,ドリームランド,英雄伝説サーガ,は~りぃ...,アステカ,ガンダムI〃II,トランシルバニア,リング・クエスト,WILL,ミコとアケミの...,惑星メフィウス3シリーズ
【収録RPG】ブラックオニキス,ハイドライド,〃II
へクス戦闘や前・後列とは違う位置概念、およそ『敵が避ける』
という行動のない一方的な攻撃行動など、却ってTRPGに慣れて
いる人の方が戸惑いを覚えるかもしれませんが、分かってしまえば
どうということもないはず。コンボのシステムが他にはない
スピーディな爽快感を与えてくれます。
#実際かっちり決まると敵が哀れに見えてくるくらいに(^^;
有名RPGを題材にしているということもあり、『初心者をTRPGに
勧誘する』という目的で使うなら最適かもしれません。何しろ
世界観の説明をする代わりに、元のゲームをやっておいてもらう
だけで『お約束』がある程度飲み込めるわけなので。
あなたがもしTRPGをプレイした経験がないのなら、ちょっぴり
読み解くのに苦労するかもしれませんが……きっとあなたと
その友人にエキサイティングな時間を提供してくれるはずです。
(何度か戦闘を一人で遊んで、しっかりルールを覚えておく
ことをお勧めしますが)
余談ですが、付属のカードは台紙からぶちぶち切り離さねば
なりません。キャラクターシートがコピーしづらいのもある
ので、(ルールブックを大破損しないよう気をつけつつ)
台紙の部分を丸々本から外した方が無難でしょう。
#なあ松本さん、もうルールブックとカード先に切り離して
#使える状態にしておこうよ。CLAMP学園TRPGの時も
#こうだったけどさ(笑)
ストーリー攻略は、DISC2の終了まで。しかし攻略といっても事細かに書いてあるのではなく、「流れ」だけである。
例えば「名もなき王の墓」にはG.Fブラザーズがいるが、そんなことは微塵も書いていない。
他にページの随所にゲーム中のムービーや画像が散りばめられており、その点は視覚的に楽しめて◎。
攻略本を買うなら勿論「アルティマニア」をオススメするが、この本を買う時は初心者向けだということを覚えておきたい。
バトルシステムの説明なども、
わかりやすく書かれています。
初めての人にはお勧めです。