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和書 554118 (67)



科学の社会史〈上〉戦争と科学 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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天才の精神病理―科学的創造の秘密 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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私が人間もつ本源的な精神病理性に衝撃を受けたのは20歳前後に読んだ土居健郎の1冊であった。

本書は、6人の天才について、1人ずつ幼少期の環境よりおいかけてその精神状態を克明に描いた一冊である。すべての人間が動物から離れた歪んだ認識しかできない存在であるとすれば、天才と呼ばれる人はその究極の姿、つまり、病的と言うのは当然の結末であろう。

実はこの本を最初手に取った時は、天才として挙げられた顔ぶれに正直がっかりした(なぜアインシュタインは入っていないんだ!!とか)が、恥ずかしながらヴィトゲンシュタインの存在をこの本で知り、その後論理学・哲学にはまるきっかけを作ってしまったほどの本だ。

個人的には人類史上最大の天才はフランスのガロアだと信じているので彼の心象構造の解明を望みたい。また、本屋でほかに「天才と精神病」に関する本があったと思うが、未だ見つからない。だれか教えてくれないかな。




ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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ベンヤミンの主唱する「文化史的弁証法」(16〜24頁)は、一言(統計学的ターム)で云えば、単純な最小二乗法ではなく例えばボックス・ジェンキンス法のような計量経済学的手法により歴史を解析するということに他ならない。即ち、終わりなき分割(二分法の連続適用)を通じ、「積極部分」を抽出し、更に残余(residuals)から「積極部分」を抽出し、「消極部分」が完全なホワイト・ノイズになるまでこれを繰り返すということだ。そして、こぼれ落ちた後掬い上げられる「積極部分」が第4テーゼにいう「確信や勇気やユーモアや智慧や不屈さ」なのであろう。




逆命利君 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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 本書は単行本で出た時からの愛読書だが 岩波現代文庫にまで入ってしまったことにはいささか驚いたし 愛読者として 嬉しい。

 本書で描かれているのは 鈴木朗夫という 住友商事の常務だった男である。正確に言うと 常務の時に亡くなってしまった。従い生きていれば 若しかしたら社長になっていたのかもしれない。いや 是非 住商の鈴木社長を見てみたかったものである。

 本書が描く鈴木とは 「サラリーマン」からは程遠い「教養人」だ。フランス文学を愛好し部下に自分をムッシュウと呼ばせながら 果敢に日本の企業社会に挑戦し 半ば「夭折」してしまったかのような 気障な男である。

 この本を読んでいると 鈴木は 詩人ランボーに似ていると強く思った。ご存知の通りランボーは 短い期間に天才的な詩を書き散らした上で 断筆し 商人となってアフリカを商売しているうちに亡くなった 異形の詩人である。
 鈴木自身も 本書を読む限り 個人の資質としては「詩人」が一番近かったと思う。そんな鈴木が 自分の資質を半ば封印して 商社に勤務し続けたという姿は アフリカを放浪するランボーに重なる。
 勿論 ランボーもアフリカが好きだったのだろうし 鈴木にとっての「アフリカ」であった住友商事も 鈴木は好きだったのだと思う。

 但し 断筆したランボーとは異なり 鈴木の懐には 彼の「詩」をしたためる小さな手帳のようなものがあったような気がしてならない。その意味で 鈴木の死は 50歳代であったとはいえ「夭折」なのだと思うのだ。
 





評伝 アインシュタイン (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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ファインマンさん最後の冒険 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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ファインマンよりかは、著者であるレイトンのトゥーバ(Tuva)に対する情熱が凄かった。すさまじい粘りと執着心、好奇心に引っ張られて一気に読了。米国とソ連の冷戦時代、今はロシアの一部であるTuva共和国に興味を抱き、何としても中央アジアのそこに訪れたい一心でファインマンと様々な挑戦をする話。たったこれだけのことを300ページ以上の本に綴っている。当時の米ソ関係を軸とした世界情勢が背景に描かれていて懐かしくも興味深かった。文庫本なのに写真が掲載されていたのもイメージが湧いてよかった。読んでいる最中にTuvaの衛星写真をGoogle Earthで見たけど、その様子はエピローグで描かれていた印象と重なった。
著者とファインマンはかなり親しい友人で、ファインマンの普段の人となりがよく描かれている。一方で「ファインマンさん 最後の授業」でムロディナウが描いているキャルテクでの悩ましくて弱々しい大先輩の物理学者としてのファインマンと時期がほぼ同じであるのに、こうも違う印象を与えるのか、と意外にも思う。




詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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18世紀から20世紀にかけて、欧州を舞台に、大胆な詐欺や悪戯をはたらいた人間たちをピックアップし紹介した本である。ただ、この時代の疎い私にはカサノヴァ(映画になっていた)やボーマルシェ(「フィガロの結婚」の作者)くらいしか名前さえ知らなかったペテン師たちである。

例えば冒頭には英国海軍を騙した偽物のエチオピア皇帝の話が出てくる。艦隊に「エチオピア皇帝一行が行くから歓迎せよ」とのニセ指令を送り、精いっぱい歓待させて、去っていくという悪戯であった。この一章の主人公はヴェア・コールという悪漢であるが、この騙した一味には、学生時代の若きバージニア・ウルフ(作家)もいたというのである。

このように「へえー、そんなんだ」という情報が詰まっているのも本書の魅力の一つ!だ。それも、ドイツ文学や近世の欧州社会の歴史に造詣が深い著者だからできる技であろう。
また、ペテンにひっかかった側の社会の歪みについて、精神分析的な観点から批評が加えられている点も興味深い。




ジャンヌ・ダルクと蓮如 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 高校レベルの日本史、世界史のいい復習になったような感じがする。宗教の社会的意義、みたいなものを大して深いところまで考えた経験のない私にとっては、それなりにわかりやすく、面白い内容でした。

 もちろん筆者は本願寺のお坊さんでありますので、その辺はさっ引いて読む必要があるでしょう。随所にあふれる蓮如上人へのあふれる思いは半額くらいで。とりあえず近いうちに五木寛之の方もよんで、バランスをとりたいところです。バランスがとれるのか分かりませんが。

 致命傷は、特に二人を並べて記述していく必然性が最後までそれほど見あたらないというところでしょうか。餃子もお好み焼きも上手に作れる人が、思いあまってお好み焼きに餃子乗せて出してしまった感じです。別々に食べるのにー。




日本絵画のあそび
販売元: 岩波書店

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 著者はサントリー美術館の学芸員から大学教授に転じた人物。
 専門は日本絵画史で、本書では「奇想」の美術品が紹介されている。たとえば、顕微鏡で見た虫たちを巨大に描いた図、画面から抜け出しかけている鬼、猫のような虎。いずれも眺めて面白く、解説されて納得。
 さらに、やや専門的になり、日本絵画における右と左、達磨と遊女の話へと展開されていく。こちらも言われてみると目から鱗という感じである。
 やや説明が粗いようにも思うが、題材の面白さ、説得力、語り口の上手さという点で評価できる本であった。
 日本絵画の遊びを堪能できた。





日本近代史学事始め―一歴史家の回想 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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近代史家であり、大久保利通の曾孫である大久保利謙による自伝本。
利謙の人生そのものが、正に近代史学の歴史とも言えるのではないかという本である。氏の語り口のユニークさや、歴史観の芳醇な一端がわかり、同時に近代史学の問題点を突いた本でもある。

氏はこの本が出版される直前に亡くなられたそうであるが、御年95歳まで歴史研究の手を休める事がなかったというのも脅威であり、裾野の広い視点が持ちえたと言うのも納得である。

良書!


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