戻る

前ページ   次ページ

和書 554120 (177)



観念論ってなに? (講談社現代新書)
販売元: 講談社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

第一章と第二章は、バークリーの思想についての分かりやすい解説。第三章は、バークリーの観念論を批判しロックを擁護することを通じて、著者自身の哲学を提示している。残念ながら、この第三章には、ほとんど説得力が感じられなかった。以下はその第三章について。

例えば、「痛みは心の中というわけですから、それに対して心の外に存在するものがあることは、暗黙の前提になっています」とバークリが批判される(148頁)。しかし、「痛みは心の中」だからといってなぜ「心の外に存在するものがある」ということが「暗黙の前提」になってると言えるのか、よく分からない。まず、「心の外に存在するものがある」といった主旨のバークリ自身の言葉がここでは示されていない(だから「暗黙の前提」といわれているのだろうが)。しかも、《痛みは心の中にあり心の外には何も存在しない》という立場や、《痛みは心の中にあり心の外はあるのかどうかもわからない》といった哲学的立場もあるはずなのに、そういう立場を吟味することなく、《「心の中」といわれている以上、「心の外に存在するもの」も「ある」》と主張されているように読める。

「心の外」があってこそ「心の中」という言葉の意味は理解されうるといいたいのかもしれないが(146頁)、その種の区別は意味の区別であって、実在的な区別ではないはずだ。例えば、「この世」が「あの世」との違い(意味の区別〉において理解されるとしても、だからといって、その際にあの世が《実在する》ということまでもが前提されているわけない。

また、「手やぬるま湯ははじめから外にあるものだということが、前提されていますね」とバークリが批判されるが(同頁)、これについても、「手やぬるま湯ははじめから[心の]外にあるものだ」といった主旨のことをバークリ自身が述べているわけではない。ここも「暗黙の前提」ということだろうか。しかし、「手やぬるま湯」はそれぞれ同一的なものとして目で知覚された観念だと考えれば、「手やぬるま湯」も心の中にあることになるだろう。このような考え方はバークリの観念論とも矛盾しないように思われる。

また、ロックが「観念」という言葉を使う際に心の外の物そのものを前提していた以上、ロックから影響を受けたバークリの「観念」が心の外の物質を否定するのはフェアじゃない、と著者は言う(146-7頁)。しかし、ロックから影響を受けたとはいえ、著者も認めるように、バークリにはロックとは違う部分もあるわけだから、心の外の物質を否定するという点でロックとは異なった「観念」語法をバークリは考え出したと考えてなぜいけないのだろう?バークリ的な「観念」が、ロック的な「観念」が持っていた論理空間を歪めているからといって、そこからバークリ的な「観念」がありえないものだということは帰結しない。

私はバークリ流の観念論に賛成する者ではないが、著者のバークリ観念論への批判にほ、上述のような疑問を感じて、ほとんど説得力を感じなかった。おそらく、登場人物の先生に対する学生が、あまりに先生の太鼓もちというか、批判精神の乏しいキャラに設定されているために、先生の説得力のない議論が、哲学的にあまり鍛えられないまま、最後まで至ってしまったのだろう。 





艦爆一代―栄光と苦闘・奇蹟の空戦記 (太平洋戦争ノンフィクション)
販売元: 今日の話題社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






艦爆隊長の戦訓―体験的 新説太平洋海空戦
販売元: 光人社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

真珠湾攻撃当時の艦爆隊長で、戦争末期には「ロタ島最高司令官(!)」に任命されていた阿部氏の自伝的書物。著者の大変貴重な体験もさることながら、戦争や海軍、山本五十六氏に対する独自の見解も大変興味深い良書。自分は仕事で阿部氏にお会いする機会があったが、このように穏やかな老紳士が真珠湾から終戦まで生き抜いた歴戦のパイロットであったとは信じられない思いでした。本書はお会いした当時の同氏のお話しぶりと同様、現代の人にもわかりやすく、本人以外が書いたためかつまらない内容になってしまった藤田いよ蔵氏の伝記等と比べて格段に質が高いと思います。




カンボジアPKO従軍記
販売元: 毎日新聞

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






完本 男たちの大和〈上〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






完本 昭和史のおんな
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

第二次大戦までの政治と社会の激動の中での事件史を『女性』に焦点を絞り描いている。
 個々の事件はクローズアップされる事の無かった事件、あるいはセンセーショナルに報道された事件など、千差万別であるが、個々の事件の背景にある昭和の時代がくっきりと浮かび上がるようである。人間を見つめる著者の眼差しの暖かさが印象に強く残る名著。




完本・太平洋戦争 (3) (文春文庫)
販売元: 文芸春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






完本・太平洋戦争 (4) (文春文庫)
販売元: 文芸春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






完本・太平洋戦争〈1〉 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






完本・太平洋戦争〈2〉 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)




前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ