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和書 554314 (94)



人の砂漠 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

最高傑作はこのルポ集じゃないかな。20台半ばでこの洞察力と文章力。素晴らしい。最近では臭いと評判の沢木文体だが、やっぱり才能に溢れてるよこの人は・・・。




美味交友録 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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巻末に登場店名リストが掲載されているが、このリストを役立てる人は少ないだろう。レストランなどの魅力を紹介するよりは、著者と有名/無名人との交流が軽いタッチで語られている。「美味」は人との交流の縦糸として、時にやや強引に登場するのみである。

昭和19年の正月に赤倉にスキーに行ったときの思い出など、著者の戦前・戦中のいくつかのエピソードは、僕らがテレビなどから想像するあの時代の雰囲気とはかけはなれたところがあって興味深い。 通勤電車の中でも軽く読めるエッセイ集。




フォーカスな人たち (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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井田さんの取材対象への思い入れに、さらに思い入れて読んでしまいました。井田さんは客観的なジャーナリストって感じの人ではなく、取材対象に自分の何かを投影するタイプの人だろうと思うんです。
でも、その入れ込み方が読むものの心に何かを響かせるのではと、
黒木香に関しては、特に強く思いました。




兵士を見よ (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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いくら中国の反日勢力が騒いでも、北朝鮮が脅してきても、彼らが日本に攻めてこない理由。それはこの本を読めばすぐわかります。
世界最強の戦闘機F-15.この戦闘機のものすごさは最大9Gの係るコクピットとアフターバーナーを爆発させて垂直にスペースシャトルよりも早く高度1万メートルに到達する上昇能力の全てを、筆者である普通のオジサンが体験することで我々の感覚が疑似体験できるのです。

そして日本にも存在したのだ、あのトップガン。超人的なウルトラCを矢継ぎ早に繰り出すさまは読んでいて興奮します。こんなものすごい戦闘機と超人がこの日本に居ただなんて。

ちなみに米国以外にこの戦闘機を保有する国は世界でも僅かだそうです。




兵士に聞け (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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まるで小説のような語り口で“兵士”たちの現実の姿をひたすら丁寧に追ったルポです。
常に政治と外交、そして国民の目に翻弄され続けてきた自衛隊の内部、しかも一部隊、一隊員にクローズアップすることで、生きている自衛隊を描いています。

国防の最前線を担いながらも訓練で実弾の一発も撃てないジレンマを抱え、世論に気を遣い、政府の苦しい憲法解釈に縛られながらも、厳しい訓練に耐える“兵士”の姿には感動を覚えます。
特に北海道南西沖地震の際に津波に襲われた奥尻島の航空自衛隊レーダーサイトの隊員たちの件では、涙があふれました。

防衛産業の汚職や自衛隊内での不祥事が後を絶ちませんが、ニュースにならない自衛隊の姿を知る絶好の書です。




魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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 米原万里の様々な媒体での原稿をまとめた書籍も中々楽しめるが、本書は書籍としての完成度が高い。編集者と著者の意気込みと計画性が感じられる完成度である。単行本となることを見据えて、活字作品を作り上げる、活字媒体に対する尊敬と愛を感じる。全編の記述とスピードに統一感のあるものとなっている。
 本書によって、米原万里の学識と見聞の深さと広さを、今文庫本で手に出来る幸せを噛み締めた。
 米原万里の手により正義と常識の儚さと薄っぺらさが、次々と暴かれる。お見事である。




マッハの恐怖 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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大事故・大災害の詳細な原因分析とその対策を論じた優れたドキュメンタリーを数多く発表している柳田氏の原点とも言える作品。昭和41年に起きた羽田沖のボーイング727の墜落事故を扱っている。柳田氏は記者として本事件に係ったようで、"事実"を伝えるための使命感がヒシヒシと伝わって来る。

こうした巨大システムの事故原因の究明は困難さと共に予断を伴う。事故調査団(長)は当初、"幾つかの"事実と仮定に基づいて、パイロットの操作ミス説を示唆していた。しかし、著者は膨大な資料から、事故に係る事実を漏れなく抽出する事によって真相に迫ろうとする。著者の気概が伝わる。事故機や現場状況の豊富な図・写真を載せているのも読者の理解を助ける。本事故の参考として同時期に起きた、BOAC機の富士山麓墜落事故の調査模様が時系列に整理されて語られる。富士山近辺の乱気流が原因と言う技術的分析より、フライト・プランになかったコースを選んだ機長の心理分析が印象に残る。もう一件、カナダ機の羽田着陸失敗事故が採り上げられる。当初はこの事故もパイロットの操作ミス説が有力だった。結果もその通りなのだが、気象条件によりベテラン・パイロットでさえ、僅差でそのような事態に陥ってしまう"マッハ文明"の脆さを痛感した。本題に戻り、ボーイング727の場合も遺体が首に掛けていたロザリオや目撃者の証言及び独自の調査から"山名レポート"が出され、調査団長グループの事実の誤認識を指摘する。この件では、人的要因よりハード面を重視するべきだったのだ。しかし、調査方針の相違から山名レポートは無視されてしまう。本作は、巨大システムの事故の調査のあり方をも問い掛けている。

巨大システムにおける人的要因の配慮、事故が起こった際の調査方針の重要性を豊富な事実によって解き明かしたドキュメンタリーの秀作。




続・マッハの恐怖 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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事故が起こったときには、原因を究明し再発を防止するという当たり前のことがなかなかで
きない。特に飛行機の場合は、機材、管制、パイロット、天候、保安設備などが複雑に絡み
合い最悪の状態に陥ることが多く、原因究明に至らないことが多い。本書で取り上げられて
いるような重大事故では、パイロットも死亡しており原因究明は困難を極める。
そこで、残された証拠をもとに原因を推定していくことになるのだが、本書の肝はこの事故
調査委員会を中心とした調査のあり方、またその結果が再発防止に役立つものになっている
のかを問うているところにあると思う。

「FMでトワ・エ・モアが歌っていたとき」に飛行機を見たというように、具体的に時間の
物差しが確かな複数の証言が、調査委員会の中で「そんな飛び方をする筈がない、素人の証
言はあてにならない」という論理で切り捨てられていく。逆にレーダー航跡図として一本の
線が地図に引かれたものを見せられるとそれを事実として、それに合わせるように論理を組
み立ててしまう。レーダーという仕組みそのものの持つ誤差、事故当時の運用状況による誤
差などはしっかり検証されなければならない。

本書は、あらゆる事故に共通するアプローチを示唆すると共に、日常のトラブルの中にある
「事実と推論」の見極めの大切さを教えてくれる良書であると思う。




マリコ (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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私も、寺崎英成という人物にはなるべく多くの人に興味を持ってほしいという気がします。

ひとつには、真珠湾攻撃の前に宣戦布告ができなかったのは、日本政府から米国ハル国務長官に手渡す予定の宣戦布告文の暗号文がワシントン大使館に受信され解読作業が行われていたとき、まだ、作業が完了していないのに、転勤する寺崎の送別会が開かれ、作業が長時間中断されており、それが、米国への通告が真珠湾攻撃より後になってしまった原因の一つらしいからです。

マリコのドラマなどでは命がけで戦争を回避しようとしていたように描かれていたのですが、当時のワシントン大使館は緊張感ゼロのお気楽さだったという説もあるようです。(勤務体制も通常通りだったとか)

問題は、どうして、このような外交官が、あそこまで美化されてしまうのか?ということです。

さきのレビューにもあったように、外務省が善玉に仕立て上げられる理由を解き明かすことは、大げさにいうと、全国民に突きつけられた宿題ではないでしょうか。




ミカドの肖像〈上〉 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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 西武の元会長が逮捕されたとことで、改めて読んだが、最も強烈な印象が残っているのは御大の父親、堤康次郎の姿。東急グループの創始者である五島慶太が強盗慶太と呼ばれていたのに対し、西武の堤康次郎はピストル堤が異名だったという。なんともすさまじいあだ名だが、こういう名は永井道雄元文部大臣によると、東京大空襲時に「花火が散るように夜空が赤く染まっていた空襲の日の出来事だった。地下室で、電話を何台も並べて、ひとつの受話器に顎をあてて大声で交渉しつつほかの受話器のダイヤルを片手で回して土地を買い漁っていた阿修羅のごとき男」(p.87)というようなあたりからつけられたのであろう。

 そんな姿も息子から見るとこうなる。空襲の時「みんなカネを持ってよそに逃げようとする。カネが信じられない者はモノに換えた。しかし、土地を買うという発想はなかった。おやじは、逆に日本がダメになっても逃げないで都内の土地を買えるだけ買おう、と。製造業ではないのだから、土地を買っておけばなんでもできる、という考えでしょう」(p.126)。しかし、空襲で焼け出された人たちが広大な自宅に入ろうとするのを、いったん入られたら住み着かれてしまうと大変だといって追い出したりする。

 実は西武のことはとっかかり。

 メインの天皇制の問題については橋川文三の弟子らしくキッチリ分析している。


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