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和書 554314 (141)



文学四方山話
販売元: おうふう

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マラソンランナー (文春新書)
販売元: 文藝春秋

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主人公として取り上げられた6名は、著者が考える、その時代の日本を象徴するランナーである。東京オリンピックの頃を象徴するランナーとして、円谷幸吉ではなく君原健二を取り上げているのが如何にも彼らしい。もっとも、著者は登場する人達に円谷のことを必ず訊ねているので別格ともいえるのだが…。

著者は、そのランナー自身にとって最も印象深いレースは何か、何を考え、何を目的に走るのかということを取材する。そして、その結果が日本のマラソンランナーの思想の変遷となっている。著者は短篇作品であっても何度も取材を重ねてその人物像を描く作家なのだが、この作品ではそういう様子は伺えない。よって、章を構成する個々の作品は、著者のほかの短篇作品と較べるとチョット物足りない。この作品のために取材した章と、そうではなく過去の自作をもとに構成されている有森裕子の章を較べると違いがわかる。

しかし、全編あわせて一つの作品と考えて読んでみると、日本のマラソン史とランナーの思想がコンパクトにまとめられたいい作品である。ただ、枚数の限られた新書ではなく、単行本という選択はなかったのかなぁと残念に思う。





プロレス少女伝説 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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90年かのう書房から発売、93年に文庫化された作品。中国から来た天田麗文、インデイアンの血を引くアメリカ人デブラ・ミシェリー、神取しのぶ(忍)と長与千種、生まれも育ちも異なる4人の女子プロレスラーの姿を描くとともに、80年代の女子プロレスの状況を綴った作品。彼女達は何故女子プロレスラーになったのか、今、何を考えているのかが作品の中心になっている。

夢枕獏が文庫本の解説で本書を「旅の記録」と書いているのだが、まさに本書は彼女達の旅の記録である。

発表当時にも言われていたのだが、この作品の圧巻は神取忍の語る「肉声」である。エキセントリックな調子になるときもあるが彼女の語る言葉は、リアルで生々しく凄みさえ感じられる。中でも、神取がジャッキー佐藤(ビューティペア)との闘いを語ったときの「心を折ってやりたかった」という言葉は、格闘家の発する言葉としては歴史に残るものではなかろうか。

語り手としての神取も凄いが彼女に多くを語らせた著者も凄い。相手の心を掴む何か熱いものを持つ優れた聞き手である。

この作品もそうだが、著者の書くノンフィクションは、どの作品も扱う題材のせいだけではなく、著者自体のヒリヒリする皮膚感覚が感じられる優れたものばかりである。しかし、これからというときに著者は亡くなってしまった。本当に惜しまれる死である。

本書もそうだが著者の作品の多くは絶版のようである。何故なのか…。





ベラ・チャスラフスカ 最も美しく (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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2004年単行本として発売された作品の文庫版。東京オリンピックで金メダルを獲得し人気者になったチェコの体操選手ベラ・チャスラフスカの波乱に満ちた半生を中心に、彼女と同時代を生きた女子体操選手、あるいは彼女以降に登場したその時代を代表する選手の姿を描いた作品。

しかし、本書にはチャスラフスカのインタビューは存在していない。93年私生活において不幸な出来事が起き、その影響で鬱病になっていたからである。

そのかわりに著者は、彼女と関係の深い人物を数多く訪ねて話を聞くこと、そして、彼女に起こった出来事(事件)に対する彼女の身の処し方を重ね合わせることによって、その実像に迫ろうとするのだが、選手としてだけではなく人間としても素晴らしく、非常に芯が強かったことが分かる。しかし、同時に彼女はその強さ故に政治に翻弄される人生を送らざるを得なかったことも分かる。

今でこそ米国や中国の選手が台頭してきているが、東西冷戦終結以前の女子体操の中心は旧ソ連を中心とする東欧諸国であったため、本書の中心となるのは東欧の選手達である。そして、共産主義国家において、スポーツはプロパガンダの手段という意味を持っていたこと、彼女達の引退後の人生も政治がかなりの部分において政治が関係してくることから、チェコを中心とする東欧各国の政治情勢にかなりの分量で筆が割かれている。よって、本書は、選手達の人生を通じて描かれる、リアルな東欧政治史の側面も持っている。

残念ながら私はチャスラフスカあるいは著者と同時代を生きてはいない。本書に登場する選手で実際に演技を見たのはコマネチ以降である。それでも本書は読み応えがあるのだから、同時代を生きた人にとって本書は非常に価値があるのではなかろうか。





ペルソナ―三島由紀夫伝 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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1 官僚制、合理化の中で、人間性を輝かそう
 としたが、現実に、おしつぶされた、
 といった感じです。
2 ただ、文学は残る、ということでしょうか。




路上の視野〈2〉ペーパーナイフ (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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著者の沢木氏が読んだ本の評論や作家作家についての論集。
紹介している本を手にとりたくなるのはいうまでもないが、
著者の文章の感性の良さと面白さに、もっと快感と興味を覚えてしまう。
作中で評論している本をいかにして自分の感性で捉え、その本よりも
面白く論じようかと格闘する氏の筆致が、この本を単なるエッセイ以上に
熱の感じられる読み物にしているようでならない。

面白い本とは、ひれ伏す相手ではなく、自分の筆の冴えを披露する
格好の相手なのだという、彼が挑んだ他流試合の数々を見るような
スリルにあふれる一冊である。
評論を書く人は是非一度読んでみることをお勧めする。




法廷―弁護士たちの孤独な闘い (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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香港領事佐々淳行―香港マカオ暴動、サイゴン・テト攻勢 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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 1997年に出た単行本『香港領事動乱日誌』の改題・文庫化。
 著者は警察庁で危機管理に携わった人物として有名。退官後は自身の体験をもとに『東大落城』『連合赤軍「あさま山荘」事件』などを執筆している。
 本書は、時代的にはこの2冊よりも以前、30代の頃、警察庁から外務省に出向して香港領事を務めた経験を語ったもの。ちょうどアジアに混乱が続いた時期で、中国の文革を受けた香港暴動、ベトナム滞在時のテト攻勢などがクライマックスとなっている。迫力のある文章で、しかも、著者が難題をバッタバッタと解決していく姿が格好良い。
 しかし、読者を選ぶタイプの本であることも確か。権力の側の人間であり、その姿勢や考え方には考えさせられる点も少なくない。また、自分語りが多すぎて、ちょっと・・。




ホンダ神話―教祖のなき後で (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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とても読み応えのある一冊だった。個人的にはプロジェクトXなどを見たため、ホンダには非常にポジティブな感情を持っていたが、この本はその舞台裏を見せてくれたように思う。

ホンダは本田宗一郎と藤沢武夫という二人の傑出した創業者が創り上げた企業だが、経営全般を司った藤沢武夫の哲学は、「万物流転の法則」というものだった。万物は流転し、大きな企業が永遠に大きくありつづけることはできない。だから創業期のホンダも、大きな企業の衰退とともにビジネスチャンスがある、というのがこの哲学である。しかし大企業になったホンダは、万物流転の法則に飲み込まれてしまうのではないか。。。

物語は、この藤沢武夫の懸念を大きな軸として回転する。法則に飲み込まれようとするホンダ、そしてそれを回避せんとする必死の努力。業績だけを見ればホンダは苦しい場面が続く。それを周りがなんやかんやと言うのは容易だが、本書のすごさは、「なぜホンダの後継者たちが、そのような意思決定をしたのか?」というディテールがごくごく自然に描かれていることである。本書のバックに、目に見えない膨大な取材の蓄積を感じさせるシーンである。

本書はまた、すでに神話化された本田宗一郎と藤沢武夫の関係を、完全にひっくり返してくれる。二人は巷間で言われているほど、尊敬し、愛し合っていたのか?いやむしろ、Love&Hateの関係であり、ライバルとして意識しあうことのほうが大きかったのではないか。はっきりいえば、ホンダにいいイメージしか持っていなかった私には、その暴露はショッキングだった。しかし本書の読後感は、その人間臭い関係を知ったこととあいまって、あくまで爽やかだった。




望郷と訣別を―中国で成功した男の物語 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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2004年度のテクノセンターインターンシップに参加しました。
この本の主人公である石井さんにも出会いました。
石井さんは、この本からそのまま出てきたような方です。
すごい話・おもしろい話も(本では書けないような過激な内容も)
全部出し惜しみなく学生に語ってくださいました。
 眼がキラキラしてて、元気のオーラがボワ~って出てる

感じの人です。会えばとにかく元気になります。
 石井さんが代表幹事を務めるテクノセンターは
現在進行形で躍進中です。テクノセンターの町、観蘭も3ヶ月で
町の風景が変わってしまうほど、建設ラッシュが進み、人で溢れています。
 さあ、本を読んで中小企業の社長さん、何かがしたい大学生は
中国に行って石井さんに会いに行こう!

(大学生インターンシップについては
石井次郎/松田健『中国・広東省でやる気向上 女子工員が大先生』
重化学工業通信社。を参照して下さい。)


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