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和書 1094378 (91)



マレーの虎 ハリマオ伝説
販売元: 新潮社

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先の大戦中、日本軍のシンガポール攻略に協力した谷豊という実在の人物を巡る話です。
英領マレー、タイ南部でねずみ小僧的な盗賊の首領だった男が、日本人としてマレー人の仲間たちとともに軍に協力しますが、華々しい活躍はなく、シンガポール陥落後マラリアでまもなく亡くなってしまいます。
シンガポール攻略に関する経緯や、戦争前後のマレーシア、シンガポールに関する記述、諜報戦についての陸軍中野学校の役割等、興味深く読みました。




麻婆豆腐の女房―「料理の神様」を支え、「鉄人」を育てた人生
販売元: 光文社

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 2000年に出た単行本の文庫化。
 著者は『気がつけば騎手の女房』で知られるノンフィクション作家。
 奇妙なタイトルの本だが、陳建民の夫人であった洋子さんの伝記である。陳建民は「料理の鉄人」として有名な陳建一の父親。中国から帰化した料理人で、四川料理の第一人者、またNHKの『きょうの料理』で活躍したことでも知られる。
 洋子さんは偶然のことから中国語を覚え、陳建民の助手となって働くうちにプロポーズされ、結婚に至った。そして陳建民が日本で成功するに当たって陰に日向に力となった。
 本書は洋子さんへの綿密な取材をもとに書かれている。苦労話が多いが、持ち前の明るさで頑張って切り抜けていく。気持ちの良い物語だった。
 本人への取材は綿密だが、そのほかの部分がいい加減。




見得切り政治のあとに
販売元: みすず書房

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これまでのコラム集「背後にある思考」、「なぜ怒らないのか」に続き、
信濃毎日新聞に掲載された野田氏のコラム集です。

例えば、本書のタイトルにもなっている政治については、歌舞伎役者のように
「見得」を切ることにのみ長けた首相や知事などが、私達の生活を変えてしまったが、
例えば、医療制度改革の基本方針には「安心・信頼の医療の確保と予防の重視」
とあるが、何故「医療費抑制と患者自己負担をめざして」と敏感に感じ取らないのか、
と私達に問いかけます。
つまりは、安全は政府行政が目標としてもよいが、安心は上から保証されたり
要求されたりするものではないのだと私達は知るべきではないのか、そこを鋭く
私達に突きつけてきます。

あとがきにもあるように、「その地、その問題に身をおき、あるいはそこに生きて
いるとして考え、誤っていたとき、はっきりと誤っていたと自覚できるような文章を」
書くように心がけたというそのコラムは、実際にその場所を訪れて相手と対峙して
著されているものが多く、私達が今どんなことが世の中で起きていて、何が大切な
ポイントかを考える際の総合的な思考を養う糧となると思います。

特に教育、戦争責任、医療、政治、マスコミを中心に深い洞察を元に厳しく追及する
コラムを、著者がアジアを中心に旅をする途中の風景を読み込んだ文章などが
時折それを和らげるかのように収録されています。




水の森
販売元: 中央公論新社

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ミドルの転機―続・中年なじみ
販売元: ダイヤモンド社

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宮沢賢治殺人事件
販売元: 太田出版

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宮沢賢治の書いたものを面白いと思ったことが一度もない。にもかかわらず、賢治を賛美する人たちばかり目につき、かなり信用していた人が賢治礼賛を口にしているのを見つけがっかりしたことが何度かある。という人は、この本を読めば溜飲が下がること間違いなしと請合います。

賢治ファンは逆に反感を持つこと間違いなし、かもしれません。反感ではなく反論を読んでみたいと思ってからかれこれ4年、残念ながらそのような文章にめぐり会えていませんけれども。
難をいうなら、このようなことに果敢に挑もうというときに、この文体は適切であったのかどうか、若干疑問ではあります。




宮本常一が見た日本
販売元: 日本放送出版協会

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佐野眞一さんがNHKの番組講座で使用したテキスト用の内容と書き加えて文章をまとめたもの。
「旅する巨人」「宮本常一の写真に読む失われた昭和」とダブル部分もある。本書では旅する巨人の執筆時には訪問できなかった宮本さんの足跡も辿っている。書の最後部分で霞ヶ関の官僚に宮本ファンが居ることを示し座談会形式で宮本氏の魅力を語らせているが全員が非東大であるところが気になった。柳田民俗学と宮本民俗学の違いがここにも表れていたのだろうか。まあ、そんな事は些細な事だからどうでも良い。
大切なことは宮本さんが歩いて残した日本を自分はどのように理解しこれからの自分や家族の将来、そして日本の未来に繋げていくのかを考えなければいけないと思う。




宮本常一のまなざし
販売元: みずのわ出版

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娘たちに愛をこめて
販売元: 三笠書房

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博愛主義というのか、民主的というのか、「スゴイな、このお母さんは!」と思った。パール・バックの「大地」は素晴らしかったが、この母にしてこの子あり、という感じ。




無名
販売元: 幻冬舎

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奥付を見て驚きました。沢木耕太郎は1947年生まれ、もうすぐ還暦なんですね。彼ほど「老い」の似つかわしくない作家も珍しいです。この本を書かせたのも、幾許か、彼の年齢のなせる業だったかもしれません。

さて、この本は父のことを書きながらも、沢木自身のことがたくさんカミングアウトされていて興味深く読みました。例えば東大を受験して落ちたこと、小説を書いていたが断念したこと、就職1日目で退職したこと、大学在学中に「作品」を世に出したいと思っていたことなどなどです。

特に最後の「世に出したい」については、彼にも「有名になりたい」という気持ちがあり、それが創作活動を支えてきたのだと妙に安心してしまいました。淡々とした文章から何となく彼は世俗的なことには執着しない人のようなイメージのあったので。

父の死と遺された俳句を句集に編む過程を綴りつつ、この本に一貫して流れているのは無名のまま亡くなった父の心情を不思議に思う気持ちです。なぜ父は、これほど達観していられたのか。なぜ経済的には不遇な生涯を送りながら、淡々と生きることができたのか。有名になった自分は父より恵まれているかもしれないが、果たして父のような安寧な境地に達することができるのだろうか。

有名になりたいと希求しながらも、大多数の人々が無名のままその生涯を終えていくのが現実ですが、沢木の父の生き方はそんな執着心とは別の次元にいて、しかも幸福なのです。



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