彼らは悠久の大地を踏みしめながら、一歩一歩行きます。
私はインドへひとり旅をしに行ったことがあるのですが、インドという場所は時間の流れが日本より断然緩やかですし、どこか包容力のある印象を受けました。
そして、日本では時間に追われて生きていたことを痛感しました。
インドひとり旅で、時には立ち止まったり、振り返ったりしながら、ボチボチ生きていけば良いということが分かりました。
日本に帰ってきた今、うまく肩の力を抜くことができている自分がいます。
インドには感謝しても仕切れません。
ソレデハ…
ところで、最近あまり使われませんが、「清貧に甘んじる」という私の好きな言葉があります。
俗世間にへつらわないで、貧乏をしても節操を守るという意味です。
お金のためなら、手段を選ばず、悪いことでも平気でする人が多い現代において、「清貧に甘んじる」という言葉は、スダッタのように正しく生きることに勇気を与えてくれます。
この言葉は、絶対死語にしてはいけないと思います。
ソレデハ…
彼らの運命やいかに…
そんな中、ついにガウダマ=シッダルタがこの世に誕生します。
彼が今後この世にどのような影響を与えていくのか…
そして、いよいよ「第二部」から、物語が激しく動き出す様相を呈しています。
目を離すことはできません。
ソレデハ…
私がインドへひとり旅をしに行った時、法律的には廃止されているとはいえ、カースト制度の厳しい身分差別が今でも色濃く残っていることをヒシヒシと感じました。
「なぜ、人間は人間が決めたもので苦しまなければいけないのか…」
本書を読んでいる時に、ガンジス河の辺でそんなことを考えたなとふと思い出しました。
ソレデハ…
旅先で、目を自分で焼いたバラモンのデーパや、今や盗賊の頭領となったタッタに会います。
彼らとの出会いがガウダマ=シッダルタにいかなる影響を及ぼすのか…
また、本書ではガウダマ=シッダルタに何かと絡んできたバンダカ、そしてその息子のダイバダッタについて、詳細に描かれています。
ダイバダッタとガウダマ=シッダルタの人生が絡み合うのは先になりそうですが、何かを予感させるものがあります。
いよいよガウダマ=シッダルタの旅が始まりました。
彼と一緒に悠久の旅に出ましょう。
ソレデハ…
この“未来が見える力”には誰もが1度は憧れたことがあるのではないでしょうか?
正直、私も“未来が見える力”を手に入れたいと思う時があります。
しかし、自分の死や将来自分がどういう人間になるのか、さらには世の中がどうなるのかといったことを知っている状態で、果たして精力的に生きることができるのでしょうか?
つらいことも含めて、人生を楽しむことができるのでしょうか?
こういうことを考えると、“未来が見える力”は必要ないというより、手にしてはいけないとさえ思えてきます。
ソレデハ…
このような母親殺しは日本において、平成7年に削除された刑法第200条の尊属殺に該当します。
因みに、尊属とは父母、祖父母など血のつながった自分より前の世代の者をいいます。
尊属殺には死刑と無期懲役しかなかったこともあり、非常に重い罪とされていました。
そんな中、尊属に対する尊重報恩という道義を保護するという立法目的は合理的であるが、刑の加重の程度が極端であって、刑法第200条は立法目的達成手段として不合理であるとされ、違憲判決が出されました。
この判決の考え方は正しいと思います。
しかし、子どもが親を殺すという痛ましい事件が増えたように感じる今日この頃、刑法第200条の立法目的である「尊属に対する尊重報恩という道義」のことをもう一度考え直してみるのも良いと思います。
ソレデハ…