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和書 467252 (178)



テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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 身分の高い人間が魔女について魔法を身につけるという話はあまりないと思う。普通は王にはなれない立場の人間が力を手に入れるために魔法を身につけて、世界を制覇しようとするような外に向かっていく物語が多い。この作品でも、流された身の王が復権と復讐のために魔法を身につけるのだが、復讐の仕方がなんかせこい。孤島に誘い込んでゆっくりといたぶるというのは大人げないとも言える。しかもシェイクスピア作品の例に漏れず言動は罵詈雑言、極めて俗物なのである。それを取り巻く魔法遣いの弟子や仇敵達も良い勝負の下品さが全開で、復讐譚の人情話の思い入れがなかなか湧いてこない。
 芝居を見物していたのは庶民達だったのか、支配者階級もいたのか分からないが、どちらの立場で見ても爆笑であったことは想像に難くない。しかも物見高い見物人をも「乞食には施さないが、死んだインディアンの見物には金を払う奴ら」と揶揄してしまうところは人気劇作家であったシェイクスピアの真骨頂と言えるのではないだろうか。
 




シェイクスピアとロンドン (新潮選書)
販売元: 新潮社

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シェイクスピアの面白さ (新潮選書)
販売元: 新潮社

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初版が1967年というから随分古い。まだCDがレコードで、テレビは白黒、JRも国鉄と呼ばれていた頃に書かれたものだ。この本ではシェイクスピアが歌舞伎と比較して語られている。こっちとしては、まず歌舞伎について説明してもらわなければわからないというのに。私が昔読んだときでもそう思ったのだから、今の人たちにとってはなおさらではないだろうか? それでも、この本は今も読まれるべき価値を失っていない。特に私にとって印象深いのは、シェイクスピアという人間への評価だ。ーーなるほどシェイクスピアとはこんな奴だったのかーー。私にとってのシェイクスピアは、今でもこの中野シェイクスピアでありつづけている。
古くて新しいシェイクスピア?




シェイクスピアの人生観 (新潮選書)
販売元: 新潮社

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シェイクスピアの世界 (同時代ライブラリー)
販売元: 岩波書店

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シェイクスピア「もの」がたり (新潮選書)
販売元: 新潮社

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   長年、小田島教授のシェイクスピア本でRSC等の公演を楽しんで来たが、蜷川シェイクスピアに行く時には、当然、台本となっている松岡和子教授の訳本を読むことになる。
   大分ニュアンスが違うが、気の所為か、松岡訳の方が、何となく身近で親しみを感じるのだが、この本の底本になっている講談社の広報誌「本」で、松岡教授の興味深いシェイクスピア話を楽しんでいたので、もう一度纏めて楽しもうと思って、今回、倫敦への機中に持ち込んで読んだ。

   ロンドンでは、グローブ座で、シェイクスピアの「ペリクリーズ」と「冬物語」、ロイヤル・オペラで「オテロ」を、そして、帰ってからは、蜷川・歌舞伎版「十二夜」を鑑賞することになっていたし、これまでにも、それ以外にシェイクスピア劇を結構聴いているので、色々新しい発見があった。
   特に、シェイクスピア戯曲は、筋が単純ではなく、幾重にもストーリーが錯綜しているので、別な視点からの豊かな話題と発想が興味深く、後半の「シェイクスピアの女性たち」等、女性の視線からの話題をリラックスしながら語っていて、面白かった。
   
   RSC等の実際のシェイクスピアの舞台の話なども結構あって、私の場合のようにまずシェイクスピア有りきではなくて、劇を鑑賞しながらシェイクスピアのレパートリーが広がって行った人間には、興味深かったし、なるほどと思う部分が多かった。
   とにかく、肩の凝らない面白い本で、読んでシェイクスピアを観れば何重にも楽しめる、そんな良書である。




シェイクスピア論と小品集 (ハイネ散文作品集)
販売元: 松籟社

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ルネサンスとは何であったのか (塩野七生ルネサンス著作集)
販売元: 新潮社

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 「きみの考えてるのは、歴史ではない」
 「歴史学でないと言われるのならばわかりますが、歴史ではないと言われるのには
 納得できません」

 冒頭の思い出語りで披瀝されているこのエピソードがすべて。
 歴史学の世界に息苦しさを見出すのは自由。その場所が概して色艶を欠いた文体の宝庫で
退屈を覚えるのも分かる。
 けれども、もし塩野がその風景にちょうどルネサンス前夜のような暗黒をオーバーラップ
させて、自らを同化させているのだとすれば、それは完全な誤りだ。
 彼女が「歴史」という名でやろうとしているのは、他人が調べたステレオタイプな伝記の
羅列とそこから引き出された印象語りだけ。
 なぜその印象を抱くに至ったのか、なぜその歴史認識が正しいといえるのか、という
「なぜ」が完全に欠けているのだ、まさに彼女がルネサンスの特徴として語るところの
「なぜ」が。
 ましてや「歴史的直観」を欠いているのが致命的。
 論証を軽んじて私は正しい、ってそれでは彼女が敵視するカトリック教会の態度と何ら
変わるところがないではないか。
 話にならない。

 結論。塩野が己を重ねるべきは権威を熱愛する教会。




チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (塩野七生ルネサンス著作集)
販売元: 新潮社

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結婚を認められていなかった聖職者、しかもその最高峰である法王の息子という出自からして、何かの間違いだったのかも知れない。しかし、誰が、どうして、この世に生を受けた人間の存在を、否定することが出来るだろう?

チェーザレは力強く生きようとする。陰謀渦巻くローマ法王庁に生まれ育ち、宗教上、本来存在してはならない者という偏見にさらされながらも、永く分裂状態が続いている「イタリア」を統一しようとする彼の姿は、単なる野心家のそれというよりも、愛に溢れている。家族への愛、祖国への愛、人類そのものへの愛。そういったものこそが彼の真実であるように思える。

本書は、ヨーロッパ世界で悪名高いチェーザレ・ボルジアに、新しい解釈を与え、その人物の魅力を伝えている。
「男は、この世で何をするべきか?」
ニコロ・マキアベッリならずとも、彼の魅力に取り憑かれずにはいられなくなる一冊。




海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈上〉 (塩野七生ルネサンス著作集)
販売元: 新潮社

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以前に「文芸春秋」に、”有力者のえらんだ日本のわかいひとたちにおすすめの歴史書”、みたいな特集があり、トップ3にはいっていたのです。それで初めてよんだのですが。。。

日本とおなじように海洋国で、貿易により繁栄を築いた栄光の国、ヴェネツィアの興亡史。強烈におもしろく、一気に読ませていただきました。

フン族の王アッテイラの攻撃から都の形成、貿易の成功による経済大国としての繁栄、途中でレパントの海戦やコンスタンティノープルの攻防を含む十字軍の戦いのサブストーリイも魅力的で、そして政治・外交能力の低下とともに影響力が下降してついにせめ滅ぼされるまでの壮大な歴史絵巻。

ヴェネツィアの成功の歴史は実に、戦後から近年までの日本と酷似しているのです。国家の原動力は強力な経済の活気であり、そしてともに海洋国家で大海という天然の国境に守られていましたが、ともに同じ運命を歩みかねないのではないか。。。少々心配になります。

日本人の先輩たちがこのくにの未来を背負うこれからのかたがたにぜひよんでほしい、と選んだのは同感で、よくわかります。名著であり、星5つ、絶対のおすすめ歴史モノです。





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