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和書 467252 (278)



宮沢賢治全集〈10〉 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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「雨ニモマケズ」の詩は、死後発見された手帳に書いてあった鉛筆書きのメモ。晩年の理想像を記した最も美しい詩で、多くの日本人に愛唱されている。
 この手帳(黒色レザー装)の51頁〜59頁に昭和6年11月頃病床中に記入されたと推定される。この手帳については、昭和27年に小倉豊文教授(私事ながら、小生の恩師)が『宮沢賢治の手帳 研究』を出版され、さらに昭和42年には同教授の監修・解説で原寸・原色の復原版(生活文化社刊)が作られた。
 この手帳の「雨ニモマケズ」の前後にはさまざまなメモがある。

「快楽もほしからず
 名もほしからず
 いまはただ
 下賎の廃躯を
 法華経に
 捧げ奉りて」

「南無妙法蓮華経
 南無釈迦牟尼仏
 南無浄行菩薩」

というように仏教に帰依する言葉が次々にメモ的に出てくる。
自作に対して厳しかった賢治が、手帳にメモ書きしたものを詩とは考えていなかったはずであり、この手帳に書かれていることは、詩ではなく断章にすぎないという意見もある。しかし、「賢者の詩」として谷川徹三などの支持によって、今日では、他の賢治の詩以上に詩として愛唱されている。原初的な無垢な技法によって、内容としては無私の精神、無償の行為を目指す自戒のための「箴言詩」であると言えよう(雅)




宮沢賢治全集〈5〉貝の火・よだかの星・カイロ団長ほか (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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本書には「風野又三郎」がおさめられている。おなじみの又三郎と思いきや、読み進めると何か違う、こんなだったかなあ、まあ気にせず先を読もう、と続けると面白さにどんどん引き込まれていく。そして読後もこの不思議な感じが抜けない。「風野又三郎」、アレなんかタイトルが違うよなあ、そうか、よく知っているのは「風の又三郎」だ、と合点がいく。こっちの風野又三郎もいいよね。サイクルホール最高!




宮沢賢治全集〈8〉注文の多い料理店・オツベルと象・グスコーブドリの伝記ほか (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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「注文が多い」とは、客側から注文を多くつけられるという意味に取るのが普通ではなかろうか。ところが、この童話では反対で、料理店側が客に注文をつけるのである。二人の客が山猫軒という西洋料理店に入り、次々扉を開けて中に入っていくにつれ、注文をつけられる。「髪や靴をきちんとしてください」「鉄砲と弾丸を置いてください」「クリームを顔や手足に塗ってください」「大変結構にできました。さあさあおなかにおはひりください」…ここまで来て、二人は自分たちが食われる立場にあることに気がつき、がたがたふるえて、泣き出す。白熊のような犬に追われ、ほうほうのていで東京に逃げ帰る。(以上があらすじ)それではテーマは何か?

(1)賢治の註釈によれば、糧に乏しい村の子どもらの「都会と放恣な階級」に対するひそかな反抗。
(2)梅原猛氏によれば、「人間中心の殺害精神」に対する「慈悲の精神からの厳しい批判」「鋭い風刺精神」
(3)本全集の解説によれば、単純に自然の側(復讐者としての山猫の側)に立っているのではなく、われわれ人間を突き放す自然の哄笑のような、怖ろしいもの。

一体、文学作品を読んで、その言わんとすることをどう捉えるかは、読者に任せられている。(1)のように原作者の言に従わねばならないか。(2)のような大学者の説に従わねばならないか。はたまた(3)のような権威ある研究者の視点に従わねばならないか。それは全く自由である。虚心に読者が読み取った実感が最も尊いのである(雅)




武蔵忍法旅 山田風太郎忍法帖短編全集 (全12巻) (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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明治探偵冒険小説集 (2) 快楽亭ブラック集 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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明治探偵冒険小説集 (4) 露伴から谷崎まで (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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北条霞亭―森鴎外全集〈9〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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山椒大夫 高瀬舟―森鴎外全集〈5〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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於母影 冬の王―森鴎外全集〈12〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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普請中 青年―森鴎外全集〈2〉 ちくま文庫
販売元: 筑摩書房

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ひとことで言えば、
「渡辺参事官がレストランの個室でドイツ女と会う」
というのが、短編「普請中」のあらすじである。

実際、数分程度で読み切れる小品に過ぎないのだが、
・主人公の苗字が「渡辺」である。
・彼は職業的にドイツ語を用いている。
・レストランの個室で食事をする場面がある。
といった要素は、意外に思えるかもしれなくても、
村上春樹の『ノルウェイの森』にそのまま引き継がれている。
(ちなみに、『ノルウェイの森』には、
 外交官志望の東大法学部の学生も登場する。)

さて、村上春樹という作家には、
一般にそう思われている以上に衒学を好む傾向があるようなので、
(例えば、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』には
 参考文献として、ボルヘスの『幻獣事典』が挙げられている)
「究極の恋愛小説」としてベストセラーになった作品が、
実際は鴎外の短編を下敷きにしていたとしてもおかしくはない。
興味を持たれた方は、両方読み比べてみることをお勧めする。


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