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和書 467254 (145)



小説 太宰治 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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 この本で太宰は包茎だったとばらされています。かわいそうな太宰・・・。
 熱心な太宰ファン以外の人が読んでもあまり楽しめないかもしれないです。
 ちょっとだけ太宰の実人生に興味があるというひとには、長部日出雄の「辻音楽師の唄」をお薦めします。




日本の面影―ラフカディオ・ハーンの世界 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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宮沢賢治「風の又三郎」精読 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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『風の又三郎』にひかれて初めて大室幹雄氏の著作を紐解かれようとしている貴方は、未知の知的な読書の歓びの世界の入り口に立っています。すでに大室氏の読者である貴方には、私の言わんとするところは明白でしょう。私は大室氏の作品を同時代的に読むことができることを無上の歓びとする一人です。何故か?試みに大室氏の作品の特徴を概括してその理由としましょう。ひとつ、和漢洋の広く深い教養に裏付けられたテクスト解読の正確さと面白さ。例、『劇場都市』シリーズを見よ。ふたつ、論理的緻密に構築された、同じことだが、よき思索を経た文章表現、その哲学的味わい。みっつ、どの作品にも底流するポエジーと時によるその噴出。さきにあげた、『劇場都市』シリーズ、風景論を切り口に語られる日本近代精神史『月瀬幻影』シリーズなど、その作品群を渉猟することは、ちょうどブルックナーの交響曲群を聴くことに似ています。この小さな本にも、その魅力が凝縮されています、買って損は絶対にありません。だから星五つ。




宮沢賢治「銀河鉄道の夜」精読 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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第三稿までは、「ブルカニロ博士」の思考実験であったはずの物語から、
第四稿に至って、一転して博士の姿が完全に消去され、
結末部分に現実世界でのカムパネルラの溺死が置かれることで、
それまでのやや安易な牧歌性が消え去る一方、
ジョバンニが独り歩むことになる「菩薩道」の悲劇性が
いっそう強調されている、という見方には賛成できるが、
約半分の紙数が三つの異稿の掲載に割かれ、本文中の引用部分も多いせいか、
「精読」にしては全体の分量が少なく、やや物足りないと感じた。

文学者プロパーではない鎌田氏の分析は、
テクストから想起される事柄を列挙することで
イメージを自在に膨らませていくという、
ユング心理学で言えば「拡充法」にあたる方法を取っていて、
波長が合う読者なら、賢治の作品世界がより広い文脈の中で
捉え返されていることに、一種の解放感を覚えるかもしれないが、
作品そのものに内在する構造に厳密に沿った書き方にはなっておらず、
分析は必ずしも深まらないまま、作品が孕む謎を前にして
延々と迂回を続けているようなもどかしさも感じられる。

このへんは好みの問題になってしまうが、
ジョバンニの体験は、「夢」でも「物質的飛行体験」でもなく、
「あえていえば霊的(心霊的・体外離脱的)体験である」とするあたりは、
確かにそう言って言えないことはないだろうが、
文学が扱う最大の問題の一つが「死」だとして、
それに限りなく近づいた体験を描く際に、
「これはシャーマンの体外離脱である」といった断言を極力避け、
あえて踏み止まるところに、文学ならではの言葉の力も生まれるのだから、
それを分析する側も、宗教学者だからといって
半ばクリシェと化した概念語を用いて済ませてしまうのではなく、
もう少しきめ細かな言葉遣いをする必要があったのではないかと思う。




シェイクスピアを観る (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 面白い本であった。日本でシェイクスピアが定着する上で、1959年に、小沢栄太郎演出の俳優座によって上演された『十二夜』が与えた影響から始まり、シェイクスピアが生きた時代から現代まで、シェイクスピア作品がいかに演じられて来たか、いかに映画化されてきたかを回顧した本である。『ハムレット』の海賊版がいかに広く流布して来たかとか、その海賊版『ハムレット』が、『ハムレット』の上演や映画化に影響を与えて来たか、など、興味有る話題に尽きない本である。シェイクスピアと演劇史に関する名著と呼んでいいのではないだろうか。

(西岡昌紀・内科医)




志賀直哉〈上〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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志賀直哉〈下〉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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漱石を書く (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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同時代作家というのが見つけにくい現在、島田雅彦は明らかに「同時代」作家だろう。もっとも「挑戦者」のイメージで登場した頃(『優しいサヨクのための嬉遊曲』、あるいは『僕は模造人間』)に比べればずいぶんイメージは変わっているかもしれないが…。

その同時代作家である島田雅彦氏が論評するのが「永遠の同時代作家」とでも言うべき夏目漱石。

漱石は確かに偉大な作家だ。かつ非常にユニークでもある。「猫」のみ、あるいは「こころ」のみを読んでいる人同士が漱石の話をしても話題が噛み合うとは思えない。

また、新聞小説家としてデビューした「通俗作家」のようでありながら、精神分析的な話を書いてみたり、あるいは文学論者としても一級。

この辺りの多様性が、多くの論者をして漱石を語り続けさせ、そして「永遠の同時代作家」として存在させ続ける。

本書では、島田氏が、漱石の作品を年代毎に整理して解説を加えていく。氏独自の漱石論を展開する底本とするのが大岡昌平の『小説家夏目漱石』と、柄谷行人の『漱石論集成』。この2冊を底本としているだけでも本書を読む価値があるだろう。もちろん島田氏独自の漱石論も興味深く読むことができる。

尚、あくまで軽い感想として言うのだが。島田氏は本人も言うように「格好良い(ハンサムな)」作家だ。それは全くネガティブな要素ではない。しかるに、氏が「同性愛」に言及するときは、彼の格好良さ(異性愛との親和性の高さ)が、「同性愛」との距離をやや遠いものにしているのではないかとも思える。同性への好意と、同性愛の間の曖昧な距離りはやや見損じているところがあるのではないかと思うのだ。




太宰治 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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チェーホフ (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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小見出しをいくつかあげると、「不条理な現実」「感情の切断」「チェーホフの『非情』」「内部に巣くう『冷静さ』」「否定の論理」「崩壊する『意味』」「『絶望の詩人』」「『ここではないどこか』」… こうして並べると、チェーホフファンを名乗るのははずかしい気もします。痛いとこ衝かれた気分です。
ただ、そういう絶望とかペシミズムとかシニシズムとかってんですか、が、若気の至りにあってはたまんないんです。
最終章の最終節「呼びかけと応答」では、チェーホフ晩年の、というよりサハリン行以降、もっと言えば『退屈な話』以降の作品における「希望」について述べているのです。いわく、「『音』や『呼びかけ』、そしてそれにこたえる『応答』は、チェーホフが『無意味』のはてに見出したかすかな光だった。」と。
たとえば『ワーニャ伯父さん』も『かわいい女』も『犬を連れた奥さん』も、ロシア語では呼称、つまり呼びかけの形をとってるんだそうです。『かわいい女』は英訳では「The Darling」だそうですよ。
なんですが、なんとなく、こじつけ的な印象を受けてしまいました。別に、無理に、かすかな光を見出したことにしなくてもよい気がして。。それより、なんていうか、あきらめ、ていうんですかね、結局思い通りには行かないけど、生きてくべ、的な、その辺が、泣けるんですよこれがチェーホフは。


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