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和書 492084 (109)



三韓昔がたり (講談社学術文庫 (688))
販売元: 講談社

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 韓国がまだ、高句麗、新羅、百済という三つの国でなりたっていた時代の、それぞれの国の興亡を描いた、三国遺事、三国史記という本から昔話を集めた本です。
(残念ながら現在絶版、この講談社学術文庫版等で比較的入手しやすい。)
日本でも放映された、ヨン様主演の「大王四神記」の背景になるようなお話が沢山収録されています。

・国の祖となる英雄はみな卵からうまれること。
・中国との戦で、多勢に無勢ながらも見事に戦う名将。
・各所に現れる日本琉球との関係

など、日本の話とは一足違った面白さがあります。 機会があったらご覧になってください。

また、本編ではありませんが、
冒頭のこの本を読む子供への著者からの語りかけと、ラストの小堀圭一氏による発刊に関するエピソード、この二箇所は必読です。
ここから作者の金素雲氏の複雑な心情と、植民地だった朝鮮と日本の複雑な関係を理解するための一助となるのではと思います。




紫禁城の栄光―明・清全史 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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もうはるか昔の本です。ずっと絶版でした。古本でもなかなか手に入らず切歯扼腕していました。
文庫版で復刊されるとは、ありがたいのとちょっと驚きました。
内容的には決して一般受けするものではないからです。
中国史というとすぐに「三国志」(演義の方です。つまり講談話。)を中国史と思っている人が多いので。
またちょっと詳しい人でも、中国にあった歴代王朝(実際には現在の中華人民共和国の範囲は中国ではなかった。)を、
漢民族の立場、つまり四書五経から史記二十四史からしかとらえていない人が多いのです。
歴代王朝の大半は現在の漢民族がいう「漢民族」の王朝ではありませんが、
その視点が全くほとんどの中国史研究者から抜けています。
大体が「始皇帝」でさえ、当時の概念では「漢民族」なのかどうか?
元来、中国といわれる地理的範囲にできた王朝は、常に北方遊牧民との関係を無視しては語れないものです。
それがこの本では、明確に且つわかりやすく書かれています。
中国史を少しかじった程度では知らないことばかりでしょうし、私も岡田先生やその研究グループに恩師がいたために知ったことです。
だから従来からの、漢民族のみの視点から書かれた歴史は、「羊頭狗肉」と思っています。
伝聞ですが某有名大学の方が、明代のモンゴル人について論文を書かれたそうですが、岡田先生がこてんぱんに批判したそうです。
明代でも「元」はちゃんと存在していたからです。
これは現在でも「漢民族」だけが偉かったということかな?という論文、政治的発言等々、
またノンフィクションでも小説などに、その視点を感じることがあるので、
「少しはこの本読んで勉強してください。」と言いたいです。






始皇帝陵と兵馬俑 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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始皇帝は司馬遷の史記によって悪の権化のように伝えられそう信じられてきたが、本当のところは良く分からない。最近はチャンイーモウのHEROにあるように極端に美化されたりと実像がつかみにくい存在だが、その陵墓と俑から解き明かされる姿はまた別のものだ。今まで兵馬俑をただたくさんの陶製の人形位にしか考えていなかったわけだがそのスリリングな発掘史から解き明かされたものは古代史の面白さの醍醐味だといえる。また馬鹿の故事で知られる二世皇帝がこの陵墓建設で果たした役割の大きさからも中国古代史はもう一度書き直されるべきだろう。それは決して漢帝国の官僚だった司馬遷の目によっていがめられたものとはずっと違ったものなはずだ。 

感銘深い点は今なお始皇帝の墓自体はまだおそらく誰にも暴かれておらず(地下30mのところに眠っている)そしてそれを発掘するのは現代の考古学者の仕事ではないと彼らが信じていることだ。彼らはまだなお堀尽くされていない兵馬俑を地下から現代へよみがえらせることが彼らの使命だと理解し、それがなされてから陵墓の発掘が始まると考えている。つまり自分たちの生きている時間の間にそれを見ることはできない。それは後世の仕事であり彼らは自分たちの仕事をこれから来る者たちのためになされているものだと。兵馬俑は毎日掘り進められているが全貌が明かされるのはまだまだ遠い先のこと。兵馬俑が中国人の学者たちにとってそんな存在であるということを知ることができたのは幸いだった。




酒池肉林―中国の贅沢三昧 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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 タイトルにもなっている「酒池肉林」から始まり清の西太后に終わる、中国の贅沢三昧の歴史を通観した解説書である。皇帝、大貴族、商人、宦官などが実際に行った贅沢のほか、『紅楼夢』『金瓶梅』などのフィクションや、知識人の「精神の贅沢」についても取り上げられている。
 全体的に見て、コンパクトな割に引用されている資料は多く、入門者むけの手引き書やこの分野に興味のある読者への文献ガイドとしては役に立つだろう。ただ、基本的に内容が「広く浅く」で個々の事例に対する分析に物足りなさが残り、それぞれの時代に詳しい人であれば「ちょっと違うのではないか」と思うような記述も多い。一例をあげると、p.37では秦の始皇帝が飲食・音楽・女性に興味を示さず、ひたすら巨大プロジェクトの実現のみに熱中する人物だったかのように書かれている。確かにそういうワーカホリックな部分はあったにせよ、実際には、始皇帝が後宮に多数の美女を蓄え、また音楽の愛好家でもあったことを示すエピソードが『史記』などにはちゃんと載っているのだが…。文章も、書き方が大仰で読んでいて疲れる上、ところどころに首をかしげるような表現が見られる。例えば著者は文中で「エントロピーの爆発」という表現を頻繁に使っているが、エントロピーは爆発などしません。
 初心者・入門者向けの読み物としては一応お奨めできる。一般向けの文庫本であれば3つ星としただろう。ただ、専門的な調べ物のための資料としては、残念ながら少し内容が薄いように感じた。




シルクロード (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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秦漢帝国―中国古代帝国の興亡 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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 始皇帝、楚漢の戦い、漢の武帝、王昭君---。日本でも人気の高い秦・前後漢の時代だが、その400年を通観して詳しく解説した本は実はさほど多くない。そんな中、本書は各方面からの評価が高いようで、あちこちで引用されているのを目にする。内容は重厚だがよくまとまっており、通読すればこの時代(後漢半ば頃まで)のあらましが自然に理解できる。正史のほか、いわゆる「居延漢簡」など20世紀に発見された史料も豊富に示されており、竹簡に記された税金の申告書や兵営の備品の点検簿など、二千年も前の社会システムがけっこう今と似ている事が感じられて何だか嬉しくなってしまう。
 やや残念なのは、資料が文献中心のため、内容がどうしても政治史・思想史に偏らざるを得なかったことか。このため、当時の技術水準や民衆の日常生活についての記述はあまり見られない。また、本来が1973年に出た本の改訂版ということで、最近の調査についての情報が乏しく、近年重視されつつある科学的手法を使った研究についても触れられていない。
 とはいえ、最初の執筆から30年以上経った今も、決して古びない内容を持った良書であるのは確か。読み物としても面白く、特に入門者にお奨めしたい。




秦の始皇帝 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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春秋戦国期、燕、趙、斉、魏、韓、楚、秦と分裂した古代中国は始皇帝により統一された。元々西方の辺境に位置する秦は遊牧民が起源ともいわれ、進取の気風あり、外国より人材を招き、強力な軍事国家を建設した。趙の人質だった秦の王子の子楚に近づいたのが呂という商人。呂は彼に歌姫出身の自分の妻を差出し、後に秦で権勢を得た。妻は子楚に与えられる前に既に子を宿していたという。その名は政。後の始皇帝である。政は、自分の両親かもしれない呂と大后となった妻を粛正し、有能な法家思想の政治家李斯を登用し天下統一に乗り出す。李斯と同じ大儒学者筍子の弟子と言われる韓非子に心引かれるが、自分の祖国の韓の存続を嘆願する韓非子は、李氏の讒言により自殺させられてしまう。その後は首都建設(後の前漢の長安)中国全土の中央集権制の施行、度量衡、貨幣、車軌、文字の統一など最後の清王朝まで続く中華帝国の礎は、全てこの時代に定まるのである。




隋唐帝国 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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 本書は、タイトルのとおり、隋による天下統一から大唐帝国の崩壊に至るまでの歴史を論じるものです。但し、単なる個別王朝の栄枯盛衰としてその過程を描くのではなく、中国史全体の流れを前提として、国家による人民支配の貫徹度合いや、中央権力と在地権力の関係の推移などに注目しつつ、この時代の政治的・社会的特徴や歴史的な意義を解き明かそうとするものです。
 特に、両税法への移行、府兵制の崩壊、藩鎮の登場などには具体的な分析が加えられており、当時の政治的・社会的条件の下、律令的中央集権の夢があえなく挫折していく様がビビッドに描かれています。
 また、安史の乱や黄巣の乱等についても、単なる史実の紹介だけではなく、その社会的な背景・性格、意義付けなどが論じられており、知的興味を刺激されました。
 他方、隋唐朝の体外関係については、然るべき紙幅が割かれてはいるものの、些か事実関係主体の記述になっている観もあり、戦略的意義付けの分析などにもう少し踏み込んでもよかったのではないかと思います。

 本書は「誰が、何時、何をした」ということを素直に論じる本ではありません。東洋史に馴染みの薄い方には些か骨が折れることと思います。他方、中国の歴史に大きな興味を抱き、単なる「物知り」の域に飽き足らない向きには、恰好の手引きになるかも知れません。良い本だと思います。




曹操―三国志の奸雄 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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私は素人ですが、多分この本は「曹操―その行動と文学」(1973年、評論社)の文庫版の様です。73年の本のほうに比べて手にしやすいですネ。まえがきには、殆どそのまま訂正無く再販したとあります。
初めの50ページ位には曹操が生まれるまでの宦官や時代背景が詳しく描かれていて興味深かったです。全体としては曹操再評価の時代の香りです。本のスタンスとしては演義の曹操のエピソードに対して大体肯定派?かな。
漢詩は全く分かりませんが、曹操が神仙に憧れがあってそれをいくつも詩にしているという事が意外な発見でした。詩は10篇以上ありますが分かり易く書かれていてより楽しめました。






大清帝国 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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 本書は、明清交代から太平天国の乱前後までを対象とする中国史の本です。気付きの点は概ね以下のとおりです。

 (1) いかにも学術文庫のこのシリーズの一冊らしく、物語的な色彩は殆ど排されているのみならず、歴史的事実の推移についての記述すら最小限に抑えられています。
 (2) 全体の記述振りは妙にエッセー風というか、この時代の性格や位置付けに関する筆者の考えが縦横無尽に展開されています。筆者は考証史学に異を唱えて学会での在野的な位置付けを守った方の由ですが、正にそうした面目躍如という感じです。
 (3) 清朝の基本的性格については「中国封建社会の究極の姿ではあるが、進歩的な潮流を抑圧しがちな保守的な体制」という捉え方がなされており、ネガティブ基調の論述が目立ちます。
 (4) 清朝期の文化、特に学術についての記述が充実しており、趙翼や王鳴盛などの生き様にも触れています。筆者自身の学問や学者についての厚い想いが迸っているように感じられます。

 総じて思うに、本書はありきたりの清史入門書ではなく、この時代を肴とした筆者の史論のようなものです。筆者の洞察力には敬意を表したいと思いますが、「何を根拠にそんなこと言っているんだろう」と戸惑う面もなきにしもあらずといったところです。


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