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和書 492116 (54)



この思想家のどこを読むのか―福沢諭吉から丸山真男まで (新書y)
販売元: 洋泉社

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   月刊誌『正論』に連載された「シリーズ/日本の思想家=論」から、日本の近代化に正面から格闘した「思想家」8人を選び出しまとめたもの。最初の時点で、『正論』の編集者がどの思想家を選び出し、そして各々の思想家にどの評論家を当てているのか、というのがまず単純に興味深い。対戦相手は、以下のようになっている。福沢諭吉と佐伯啓思、内村鑑三と山折哲男、柳田国男と大月隆寛、西田幾多郎と松本健一、小林秀雄と小浜逸郎、三島由紀夫と高澤秀次、吉田茂と西部邁、丸山真男と加地伸行。

 原稿用紙35枚から40枚という制限のなかで、すでに評価の定まっているように見える思想の巨人たちにからめ取られることなく、それぞれの評論家がどのようにして独自性を出すかというのはかなりの困難が伴っ!た!ものと想像できる。実際、「評価の定まっているように見える思想家」の意外な面を見事に照らし出している章(福沢諭吉など)もあれば、既存の評価の範囲内からあまり踏み込めていないような章(柳田国男など)も見受けられる。評者による切り口と仕上げ具合のうまさという点からいくと、私は西田幾多郎や小林秀雄などを楽しむことができた。

 しかしそれとともに、「評価の定まっているように見える思想家」が専門家によって辛辣に批判されるのも、読者にとっては楽しめるものである。世間の評価ほどには内実を伴っていないと激しく糾弾される丸山真男の章は、そういう意味ではもっとも徹底している。「おもしろくもおかしくもなく、かつ読みづらい内容」の『日本政治思想史研究』と『現代政治の思想と行動』!!を評者が読んでの結論は、「丸山は西欧のことがわかっていなかったし、私から言えば、東北アジアのこともわかっていなかったというのが真相である」となる。

 限られた枚数のなかで、いかにして説得力ある文章を書き上げることができるかという面から、プロの文章を相互に比較してみるのも面白いだろう。自分の興味があるところだけを立ち読みするというのも悪くないが、アンソロジーの力を借りながら自分の世界を広げるためにあえて買ってみても、十分もとのとれる一冊である、新書だし。




この時代に想うテロへの眼差し
販売元: NTT出版

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 サラエボでの公演、そしてそれの準備、周辺時代に緊迫感、みに瀬間迫ってくるものが感じられる。簡潔な文章の、込められた深遠なな思い。…
しかしそれに比べて、「世界の大江健三郎との往復書簡」はなんだ?
どうして、大江という人物は、世界に向けて、嘘を発信するのか?
 良識な新聞が、部数不振で、大衆的新聞が伸びている。前者は「朝日新聞」であり、後者は「読売新聞」であろう。「読売」が卑俗際まりないとは、思うが、対して「朝日」が良識溢れる新聞なのか?ただ総中流思想を広めて、社会から緊迫感を奪っただけではないのか?
 日本に超国家的思想が、頭を擡げつつあるというが、どれを指すのか?小泉の「靖国」参拝なのか?それは、単なる「遺族会」の集票活動であると、分からないのか?郵政が、反自民になった今、頼れる数少ない集票組織を大事にした、ただの政治パフォーマンンスに過ぎない。
 憲法改正運動を悪の顕現のように、大江氏はいうが、占領憲法を未だ守り通していることが、占領体制の継続を、アメリカからの真の独立否定を意味するのではないか?憲法制定の経緯自体戦後のどさくさまぎれの感を拭いきれず、国民投票に掛けて、国民の真意を尋ねるほうが、よっぽど民主的だと思います。

 




この時代の生き方
販売元: 講談社

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大学生の時、図書館ではじめてこの本を読んで感動・共感し、いくつかの章をコピーしてカバンの中に携帯し、何度となく読み返した。
様々な媒体に書かれた短文を集めた形の評論集だが、そこに一貫したテーマをあえて探り出すなら、加藤氏が何度となく使う「転倒」というコトバにある。

例えば、リアルな性教育やブタの解剖を学校の授業で行うことに対して、氏はそれを「転倒」であると非難する。どういうことか。

まず知りたいという理由(好奇心)がうまれ、それを知るほうに動く。すなわち、まず自分の中から一人一人違う問いの形を汲み上げ、それから歩み、答えに至るのが正しい筋道であり、問いの前に答えを差し出そうとするのは「転倒」ではないかというのである。

つまり、そこで問われているの!は「自分」。そう思えば、一人一人の「自分=エゴイズム」を置き去りにした思想や行動が瀰漫しているのがこの時代だ。
個のエゴイズムを無視したコスモポリタニズムや反戦運動。それは、個を無視して戦争に突入したあの時代とどこが違うというのか。

この文集の魅力は言葉のすみずみにさわやかな風(こうとしか表現できない)が吹き抜けているところだ。氏は結論を急がない。ときによっては氏は結論を(あえて)出さない。そうして、氏は軽やかでレトリカルな文体で、我々の前にささやかな問いを残してゆく。

私のとりわけのお気に入りは「引き抜く力」という短文である。「孤独だったから本を読んだのではなくて、本を読んだから孤独になったのではなかっただろうか」。氏のやさしき読書論である。




この時代の遺産 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

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この永遠なるもの (1967年)
販売元: 雄渾社

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この永遠なるもの (灯影撰書 (6))
販売元: 灯影舎

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この直言を敢てする (こぶし文庫―戦後日本思想の原点)
販売元: こぶし書房

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この道を
販売元: 日本共産党中央委員会出版局

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これからの医業経営―懇談会報告・全資料
販売元: 中央法規出版

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これからの幸福論
販売元: 時事通信社

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