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和書 492116 (194)



哲学の現在―生きること考えること (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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術語や専門用語をできるだけ使わずに、哲学スル試みがされていました。

題名にある「現在」とは「過去」に対する「現在」ではなく「不在」に対する「現在」であり、ここに『生きることを離れてはよく考えることができず考えることを離れてはよく生きることはできない』という哲学は生きることに直結しているという筆者の価値観がよく表れています。哲学を生きることに現在させる試みを通じ、二元論的な科学の知によって分析・操作の対象として乖離させてしまった事物の有機的な全体性の回復を訴えています。

共通感覚、場、関係、ヒーロー・コロスなど筆者の哲学観を中心に平易な言葉で哲学が語られているのが魅力的です。生きることの確実性がゆらぐときに確実な基礎を求めて考えることが哲学であり、よく生きるとは充実感のうちに積極的に考え障害の中でも悦びを見出すことである。なかなかそうはいかないものですが、そのようにしなやかにたくましく生きたいものです。





死の思索 (岩波新書 黄版 222)
販売元: 岩波書店

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術語集―気になることば (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 普段良く使われる「アイデンティティ」等の外来語や、「遊び」「子供」「暴力」等、今更意味を確認する必要がないとも思われる言葉に関して詳細に解説されている。

 著者が哲学者だからか、哲学的アプローチでの言葉の解説が目立つが、だからといって難解な文章ではなく、比較的平易な文章で綴られている。

 『日本語チェック2000辞典』(樺島忠夫等編)とともに、大学入試の現代文や小論文対策に大いに活用できる。
 大学入試対策だけでなく、目次を読んで興味のある言葉があったら、その言葉について深く知るために本書を読むのも良いと思う。

 ソレデハ…




文明論之概略を読む 上 岩波新書 黄版 325
販売元: 岩波書店

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「多事争論」という有名な四字熟語や「討論」、「演説」、「会議」といった新しい日本語(訳語)を産みだした本、というレベルの知識で本書を読んだが、最近読んだ新書の中でもかなり印象深いものだった。この上巻は「文明論之概略」の1章から3章までをカバー。「文明論之概略」の解説に入る前の部分も秀逸。例えば、古典をよむ意味とは何なのかが非常に明快に説明されていて大いに納得した。また、「文明論之概略」やその他維新期の知識人の本には海外のネタ本があるが、それでも彼らの仕事にはどういう独創性があったのかを論じている箇所も非常によかった。

「文明論之概略」に関しては2章が印象的だった。国の独立には国民の精神の独立が必要で、(ハードウェアや技術もいいが)文明の精神を吸収することが最も大切だとし、その精神の重要な一形態として「多事争論」のテーマが(数々の例と共に)提起される過程はスピーディで爽快。価値の多様化から、その間に競争が起き、そこから自由の空気が生まれ、習慣の力に依存できないようになり、ここから精神の働きが活発になり文明が進歩するのだというくだりは、維新まもない頃に福沢はよくここまで言えたと関心させられる。これに関連して、「自由は不自由の間に生ず」という福沢の言葉を「諸価値が多様に分化して互いに競い合うところに生まれてくる安定、そういうダイナミックな安定が本当の安定であって、そうでないのは停滞」とする著者の説明も非常に分かりやすい。また、当時猫も杓子も政治家や役人になりたがった当時の雰囲気に対抗して(価値観を多様化するために)福沢は在野精神を持ち続けたとする説明にもなるほどと思わされた。「多事争論」に関しては他にも手をかえ品をかえ、執念的なほど(福沢の)説明が尽くされている。たとえば、どんなにすばらしい説/価値でも、それしか存在しなければ、そこから自由(と発展)は生じないとか、権力による言論統制よりも画一化した(多事争論のない)「世論」の方が危険、等々。

「多事争論」以外では、「人間万事試験の世の中」(次々に試してみて問題があれば修正していく方が、尻込みして何もしないよりずっとよいというプラグマティズム)という部分も印象的。




文明論之概略を読む 中 (2) (岩波新書 黄版 326)
販売元: 岩波書店

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この上巻は「文明論之概略」の4章から7章までをカバー。読み進めてはまた戻り、という具合に少しずつ数ヶ月以上かけて読了。上巻同様解説は丁寧で濃密。原文を読んでも現代人には到底理解の及ばない箇所の解説に「なるほどそういうことか」と膝を打つ思いを数々させられた(例えば道徳と法律に関する章など)。

文明とは社会全体における知徳の総和である、つまり聡明な人がところどころにいるだけでは文明社会であるとは言えない。一人一人を見ると知恵もたいしたことはないが優れた組織を作れる社会、知恵のある人もいるがそういう人が力量を発揮して優れた組織のうまれない社会、この両者の違いをつくるのが社会の「気風」だとして、その気風がどう産まれ、どう作用するのか、というくだりは維新期だけでなく今でも通用する考え方があると強く感じた。さらに、その気風が歴史を動かしもするのだという論旨は痛快。




文明論之概略を読む 下  岩波新書 黄版 327
販売元: 岩波書店

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お勧めなのは、

・社会科学を専攻する人
・明治の思想に興味がある人
・慶應出身の人

この本を通じて「惑溺」という概念がしばしば現れる。字義は

一つのことに心が奪われて正しい判断力を失うこと(by広辞苑)

なんだけど、著者の用語法は少し異なっている。

・もともとは合理的な目的を持っていたが、状況の変化により従うことが合理的でなくなった制度に固執すること(経済学系向け)
・マックス・ヴェーバーのいう伝統主義(社会学系向け)

この様に理解できるように思われた。例として挙がっているのが、脇差を腰に差し続ける士族階級だったり神政府なるものを唱える支配者だったりする。

彼の思想はいつも何かに条件付けられている。だから場所によっては完全に反対のことを言ってるんだけど、それは前提が違うだけのこと。

この本を通じて日本人が独立独歩の精神を持つこと、それにあたっては西洋文明(必ずしも絶対視はしていないが少なくとも日本よりは進んでいるとの認識)の「精神」を採ることの重要性が述べられている。脱亜論の主張者だったのは、西洋が絶対にいいと思っていたからではなくあくまで当面の目標として便宜的に使えると捉えていたからだと知って驚いた。
その例として挙げられていたのは、日本人は上に対しては卑屈になって下に対しては傲岸だとの指摘。仕事上の価値が権威と一体化していて逃げられない。
年を取っているからといって批判されないとは限らない学界は一応健全なのかなとか思わなくもない。性格破綻者は多いと思うけどw

福沢諭吉という人は非常に実践的だということがわかる。現代日本には、彼のように社会が抱える病理を浮き彫りにできる知識人階級が果たしてあるだろうか。
せっかく社会科学を覗ける場所にいるんだから、努力したいもの。とはいえ福沢にとっての儒学のように、暴く対象となりえるものがあるのかわからないんだけど。




西田幾多郎―生きることと哲学 (岩波新書 新赤版 1066)
販売元: 岩波書店

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「清貧」と言う言葉は死語と化して「金儲けと享楽のみが生き甲斐」となって久しく、強者は批判を封じ込めることに汲々とし、弱者を見つけると徹底的に批判して「その生き様」まで否定しようとするのですから、世の中は住みにくくなってしまい、とてもではありませんが一般大衆は堪りません。
政治家の政治資金偽装、実業家の偽装行為、マスコミの情報流用操作・インサイダー取引など頻発して「チャンスを生かす強者の論理」は留まることがありません。
「パンとサーカスを生き甲斐」とする哲学不在の時代が、そうした生き様を肯定してしまったのだと言うことでしょうか?

西田幾多郎は、「善の研究」で一世を風靡し、純粋経験を標榜した西田哲学を確立した哲人として知られている。

「哲学は我々の自己の自己矛盾の事実より始まるのである。哲学の動機は「驚き」でなくして深い人生の悲哀でなければならない」

「功なり名遂げた」人生を予想するだが、絶筆にあたって全く違った眼で自らの生涯を見ていたことが分かった。

「私の論理は学界からは理解されず、一顧も与えられないと言っても良いのである。批評が無いではない。しかしそれは異なった立場から私の言う所を曲解しての批評に過ぎない」

著者は次の様に結論付けていていて納得ができます:
西田は、さまざまな思想家から批判を受けたが、その都度、批判を正面から受け止め、自らの思想を発展させる原動力にして行った。批判を自らの思想の中に取り込み、それを糧として新たな発展を遂げていく力強さ、エネルギーが西田の思索の中にはあった。

西田は図らずも弁証法的生き様を貫いたのかも知れません。





学問と「世間」 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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著者は「わが国の学問は『世間』という人間関係によって大きな危機を迎えている」更に「『教養概念』の共通認識もない」と述べる。しかし、わが国の今後の学術のあり方を考えるときに、「世間」という問題抜きには語れないので、この本を書いたとある。

私は以前、純粋に「世間とは何か」知りたいと思って、著者の同名の著書を読んだことがあるが、その時の私にとっては、読者のターゲットが不明で、執筆の目的も明確にわからず、結局、「世間とは何か」の答えを得られずにむなしく本を閉じたことがあった。しかし、本書を読んで、著者の主張が本当によくわかった。心から共感できると感じた。明治維新以来の西洋個人主義と日本の世間の狭間で、今も多くの人びとが理由もわからず苦しんでいる。新たな心持で前著を読み返し、「教養とはなにか」も読んでみようという気持ちになった。本書の印象深い箇所は数え切れないが、「百姓伝記」の「五常とは何か」には強烈なインパクトを受けた。

21世紀とは、ある意味回顧的な世紀であり、20世紀の「社会」が失いつつあった19世紀までの「共同体」を見直す世紀なのかも知れない。





人間の学としての倫理学 (岩波全書 19)
販売元: 岩波書店

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 倫理学とは。人間とは。存在とは。一つ一つの概念を丁寧に掘り起こしていく。人間とは詰まるところ人間(じんかん)であり、人と人との間柄を表しているなど、様々な意味で啓発されることが多い本である。その他、アリストテレス、ヘーゲル、マルクスなどを徹底的に論じて結論へと導いていく。
 




哲学の根本問題〈続編〉 (1948年) (岩波全書〈第33〉)
販売元: 岩波書店

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