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和書 492116 (219)



ベルクソン―“あいだ”の哲学の視点から (岩波新書)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

本書は、時代遅れな哲学プロパーな哲学教授の本ではない!。
多岐に渡る学際な美(術)学者の篠原氏によるベルクソン哲学の解説書です。

筆者のそれはそれとして楽しめる、柔軟な視点と自由な思考を堪能出来る、またとないベルクソン解説書です。
解説といっても“あいだの哲学”と命名された筆者の思考方法がベルクソンの思想とともにどのように発展してきた
かを物語るような構成で、それは「ベルクソンの解説」というより「ベルクソンの開設」といってよいとおもいます。

ただし、ただでさえ紙面のすくない『新書』で、自身の“あいだ哲学”と“ベルクソンの哲学”を解きほぐして論じてしていますので、
叙述の少なさは否めません。(−☆1)同著者の『空海と生きる』などの著作物と同時によみ、間(あいだ)の哲学の定義を深めてから本書読むと◎です。

著名な脳機能学者の茂木健一郎氏も、小林秀雄氏の作品に触発されて、ベルクソンを読んでいるそうです。
ベルクソンは、現代の脳機能や最先端の分析哲学によってこそ、再読されうる価値がある稀有の哲学であるという個人的な感想(予言?)を最後に記して、
ペンを置くこととします。

・・参考にしてくださいまし。





翻訳と日本の近代 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 翻訳だけでなく、近代史もある程度学べるオトクな書物です。
丸山真男の該博な知識から、江戸時代儒学者の翻訳観、漢語との対比。
さらには比較文化論にもなっています。
きちんとそれらの思想家がどこで翻訳、言葉について論じていたかを
丸山はソースを提示しつつ述べています。それに比べると加藤の方は
独断と偏見、推測だけで語る、あるいは質問する形で丸山がそれを
たしなめるような形にもなっています。質問者がまだ有能な人であれば
更に深く「近代そのもの」の問題へと発展したのではないか、と思うと少し残念です。
とはいえ丸山の学生時代の法学教育もどのようなものだったかを知ること
ができ大変有益な書物だと思います。




ポストコロニアリズム (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 岩波新書のポストコロニアル本だが満足感はイマイチ。
 どうも「ナショナリズムの名著」に書かれたスピヴァグやバーバーに関する論考
 をただ引き伸ばしただけのような印象を受けた。
 ある程度ポストコロニアルに詳しい人は別にして一般にはおすすめできない。
 値段は安価なので手に取ってみるのはいいのかもしれないが。




丸山眞男―リベラリストの肖像 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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初めて丸山の評伝を読んだ。丸山のいくつかの作品を読んだが、把握の難しいものもあった。著者が丸山をどうさばくか期待しながら読んだ。だが、なんとなく失望させられた。
先の評伝、和辻の場合は、読ませたからである。これは和辻の方が普段からなじんでいるせいであろう。それに対し、丸山は特別に愛着のある著作がないことに起因しているかもしれない。よく知っている作家の評伝の方が読みやすいようだ。
邪推にすぎないが、苅部の全体にしめる地の文は以外に少ないのではないだろうか。ほとんど引用文でつづられた文章のように思うのは私だけだろうか。流れる文になっていない。文に著者のいきづかいが見られないのだ。また、内容にしても、新しい発見や着眼は意外とすくないのではないか。著者自身も丸山熱に距離を置くといいながら、結果において、断定的に述べることになった文章は著者の意気込みを裏切っている。
「今後、丸山についてこんなに長々と書くことは、たぶんない」と言っているが、これは、この書が失敗作であることを苅部自身が認めているのであろうか。






本居宣長 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 1933年生まれの日本近世思想史研究者が、1992年に刊行した、『古事記伝』の言説分析を中心とした本居宣長論。荻生徂徠から日中の言語・思想の差異を、契沖から国学の視線を学んだ宣長は、賀茂真淵との出会いを通じて、彼の「遺志」を継ぐ形で、古事記(漢文混じりの漢字表記の文章)のテクストの精確な訓みを志す。彼が半生を費やして完成させた主著こそが、『古事記伝』である。しかしそれは、古代語研究の成果に基づく、実証主義的な訓みであると同時に、彼のイデオロギーを反映させた一つの古事記解釈でもあった。彼のイデオロギーとは、「中国=乱れた国=人為的な論理先行」、「日本=和の国=自然にあるがまま」という単純化された二分法であり、その立場から、論理的=漢文的な要素の一切を削ぎ落とした、古の「汚れなき」やまとことばと、古事記のテクストの訓みを「確定」していく。その過程で、彼は中国思想とその影響を受けた従来の神道を、「人為的解釈」として激しく排除し、古事記を真のやまとことばを最もよく伝える、一貫した「神典」として再提示し、それを「精確に読む」ことで、自説の絶対的な正しさと「皇大御国」の優越性を主張した。しかし、彼の考える「あるがままの古代日本人の精神」は、中国思想を背景に持つ漢字表記を通じてしか読みとられえず、また中国の論理的思考「ではない」ものとして、否定的にしか定義されえない。古事記テクストの絶対性という彼の前提も、循環論的で根拠薄弱である。さらに、彼は古事記を一貫したテクストと見るために、しばしば訓み・注釈の範囲を逸脱した独自の解釈も加えており、その帰結である「神代」像をもとに、当時の現実と向き合おうとした。この方向性を押し進めたのが、彼の「没後の弟子」を自称する平田篤胤であった、と著者は言う。批判が先行した宣長分析という感もあるが、概して説得的である。





問題群―哲学の贈りもの (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学 (岩波新書 新赤版 (975))
販売元: 岩波書店

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久々に哲学関係書を読んだ。
一読してすっと落ちるほど簡単な話ではないが、丁寧に解説されていると思う。
他に読んだことのあるラッセル本は確か田村三郎「パラドックスの世界―星間・逆説の旅」(講談社ブルーバックス)だけだと思うので数学パズルのイメージがついていたのだが、偏ったイメージが正された感じだ。私は論理学にも数学にも明るくはなく、どちらかというと物理帝国主義で、論理学も数学が包含するものだと思っていたのだが、そこはどうやら鶏と卵のようだ(ラッセル、あるいは本書の見解とは異なるようだが)。

哲学の普及書は本書のように人の名を冠していることが多いように思うが、これは人物ベースでなければ整理・体系化できない、ということなのだろうか。
論理学の考え方は中学高校あたりの課程に組み込み、思考ツールとして使えるようにするのが有益と、本書を読み、偽装だ格差だ不作為の結果だといった世相を見るにつけ思う。しかしラッセルのような著名な学者にして人生のうちに考え方の大きな振幅を持つようではそれも難しいということか。




臨床の知とは何か (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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“臨床”というと医学・医療という言葉を思い浮かべますが,最近よく“科学”的である態度に対するアンチテーゼとしてこの“臨床”という言葉にお目にかかります.

いったい“臨床”とはどういうものなのか.自分なりに考えたいと思って手に取った一冊.

哲学者である著者が,なぜ<臨床の知>に至ったかまでを綴った前半と,それをより実践的な医療の場面にあてはめた後半とに大きく別れる.

私の読書目的からすると,Ⅰ章・Ⅱ章あたりの<科学>の批判的なとらえ方にいろいろと刺激を得ることが出来た.
とくにⅠ章での科学を制度化したことの弊害として,<普通科学>者の保守性に関する記述には,正直痛いところをつかれた.
大義名分と実際にやっていることのギャップ.自分でもわかってはいたが,びしっといわれると反論する術を持たない・・・.肝に銘じたいところである.

後半の脳死判定,インフォームド・コンセントに関する記述は,読み物として非常に面白い.
私たち日本人が持っている曖昧さと,死のとらえ方,医者と患者という立場のとらえ方など,この時勢だからこそ捉えておきたい考え方がたくさん示されている.

全体としては難解で読みにくいとは思うが,得られる物が多い本であったと思う.




歴史としての社会主義 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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日本で社会主義という言葉はもはや過去のものと捉えられがちである。
実際に社会主義ということばが意味することや、社会主義が持ちうる幅について知ろうとする人は本当に少ない。
とにかく社会主義は時代遅れなのであり、過去なのであるからもはや現代社会における意味を考察するには値しないと決め付けられているように感じる。
本書は社会主義ということばが人によってさまざまに解釈されうることを教えてくれる。
そして国家の枠を抜け出したグローバルな思考を持った社会主義はむしろ現代においてこそ求められているのだということを示唆している。
歴史的に見て、社会的弱者を救ってきたのは資本主義社会においても社会主義的な側面だったことは否定できないはずであり、「左」や「社会主義」、「赤」=悪というようなイメージだけで物事を語るわかった風なフリをする方々にぜひ読んでいただきたい。




私とは何か (岩波新書 新赤版 (664))
販売元: 岩波書店

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西田哲学や西洋の神秘思想を専門に研究してきた上田氏は、禅にも造形が深いことで知られています。その上田氏が本書では「私」とはいったい何ものかという、誰もがおそらく一度は考えたことのある、決して「答え」のでない問を真っ向から取り合げ、わかりやすい言葉で自らの思想を展開しています

「私」とは何かという問いを抜きにして哲学は始まりません。東西の枠組みを超えた「哲学」の入門書として本書をお薦めします。


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