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和書 492132 (164)



日本の地名 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 地名は単なる標識の符号ではない。「奥の細道」の冒頭に「道祖神の招きにあひて」とあるが、著者は三十年もの間、地名という土地の精霊に招かれて各地に取材の旅をした。そういう意味からすると、本書は「土地の精霊との対話」と言えるのかもしれない。
 地名の中には呪力をもって私たちを魅惑するものもある。いくつかの例を挙げる。
 芭蕉は「尿前の関」で尿前(しとまえ)の地名で俳諧的詩心をゆさぶられて、次の名句を作る。「蚤虱馬の尿(ばり)する枕もと」 アイヌ語でこれと同じ意味をもつ地名が「下前」で津軽半島にある。その突端に「母衣月(ほろつき)」という地名がある。これはアイヌ語でポロトゥキ(大酒椀)の意でその形に深くえぐられた湾ということである。
 沖縄のコザ市は合併して沖縄市になった。更に以前には越来(ごえく)村であった。旧王国のゆかしい昔を偲ばせる越来という地名は美しい日本語の財産目録に載せてよいものであった。惜しいことである。地名は私たち日本人の感覚や感情をゆさぶる力を持っているのである。
 地名の改悪…その無神経ぶりは本土の行政地名にも現れている。高知県の南国市。新潟県の上越市(直江津と高田の由緒ある地名を捨てて)。岐阜県郡上郡明宝(めいほう)村はかつて明方(みょうがた)という中世以来の伝統をもつ村名であった。
 地名の改竄は歴史の改竄につながる。それは地名を通して長年培われた日本人の共同勘定の抹殺であり、日本の伝統に対する挑戦である、と強く信じて著者は地名の保存と研究に努力されている。
 本書は平成の大合併に遡ること10年前の著作である。この度の合併で消えた由緒ゆかしい名に関してご意見を伺いたいものである。
 
 




日本の幽霊 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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花のある暮らし (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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一月ごとにて牡丹、なでしこ、桔梗・・・などとテーマに沿ってラジオ放送された内容をまとめたものです。万葉の昔から名前の変遷や歴史上の人物と関係のあるエピソードなど、花好きの人なら楽しく読める一冊です。文章のテンポはゆったりとしていますからリラックスしながら花雑学を増やしたい方にどうぞ。




民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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この本が出版された時は誰も「社会党」が日本からなくなってしまうとは思わなかったでしょう。(社会主義者ではないけど)社会主義にも利点があるという事は確かに否定できないですね。
集団を形成する事が社会の中でこんなに大きな力を持っていたとは考えたことがなかったので、色々と考えさせられた本でした。
アイデンティティと所属するコミュニティが一致しないために起き得る内戦など、現代社会における様々な問題を考えたり理解するのに役立つ一冊です。




柳田国男の民俗学 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 日本が高度経済成長期に入る前の1962年、柳田国男は世を去った。それ以来、日本人に大切なものが失われてしまった。精神の貧困である。本書は、日本人の誇りの学とも言うべき柳田民俗学を、精神の深さにおいてとらえようようとしている。
 柳田の『海上の道』の究極の主題は「日本人はどこから来たか」という民族渡来の問題と「日本人の魂はどこへいくのか」という日本人の死後の問題の探究にしぼられる。それはまた、時間としての他界と、空間としての他界とが交じり合った世界である。
 柳田は日本人の信仰の中で最も重要なのは、再生の観念であることを強調している。『先祖の話』の中でも再生を論じた「生まれ替わり」や「七生報国」の項目がある。
 日本人の他界観、来世観の研究は、宣長・篤胤などの国学者をもってしても、大きな発展は望めなかった。それを可能にしたのは、南島民の世界観をよりどころにした柳田国男と折口信夫であった。それによって古代人の他界観の秘密が私たちの前に開かれるにいたった。
 折口が死の国が真っ暗で畏怖に満ちていると考えたのに対して、柳田は、海上の東方に浄土があり、しかも光明まばゆい場所でることを力説した。いずれにしても、海彼=海の彼方に祖霊の宿る他界があると信じ、日本人の魂魂の問題をとらえたものとして評価している。それはまた、今の日本に必要な精神であると思われる(雅)




幽霊画談 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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「妖怪画談」、「続」、それに「妖精」はどちらかというと比較的オーソドックスな妖怪たちを扱ってます。
でもこの「幽霊」は、マイナーというか、それこそよくある妖怪事典には載らないような楽しい存在がたくさん掲載されているのです・・・こんにゃく幽霊とか幽霊シラミとか。
そういう無個性的な存在が水木しげるの画筆によって、個性的な妖怪と同じ地位にまで高められている。
そこにこの本の「面白さ」があるわけです。




続 妖怪画談 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ロシア異界幻想 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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内容も素晴らしいが、文章も素晴らしい。本を開いたそのときから、香り立つ洗練された文章に幻惑される。確実に。




ロビン・フッド物語 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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ロビンフッドについて知りたいと思った時に意外にも資料がないことにびっくりしましたが、この本はそんな疑問にぴったりの一冊でした。ロビンが存在したとされる舞台や時代背景、またどのように時を経て現在まで人々の間で語り継がれてきたのかなど。色んな角度からロビンフッドという人物を照らしていて、今なお多くの人々が惹き付けられる魅力が分かります。




沖縄からアジアが見える (岩波ジュニア新書)
販売元: 岩波書店

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かつて沖縄の民俗は柳田国男に象徴されるように日本本土から見た古層という視点から捉えられてきた。しかし、そうした沖縄へのまなざしを払拭する新しい視点の一つであるアジアを視野に入れた研究として本書は位置付けられるだろう。岩波ジュニア新書という性格からわかりやすく書かれているが内容は非常に高いと感じる。伝統的な民俗学者にありがちな偏狭な視点ではなく民俗・社会人類学の両方に通じた著者ならではの好著と言える。こうした視点をどのように展開させていくかが今後の民俗学の一つの可能性を切り開くと感じる。


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