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和書 499784 (86)



終わりなき旅―「中国残留孤児」の歴史と現在 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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井出さんは長野県出身。長野県からは「満洲開拓」にどの県よりも多くの人々が送り出されました。大日向村、泰阜村等々、長野県下の村から人々はどのようにして送り出され、暮らし、終戦を迎え、多くの人が野に倒れ、またどのように生きて留まることになったか。井出さんは幾組かの家族を描きます。開拓団長さんの苦悩をもたどります。日本に戻ってからの厳しい現実を追います。それらはまさに蒼氓の終わりなき旅となって・・・。

なお、単行本に比べ現代文庫版では「あとがきに代えて」、その後の賠償請求訴訟にまつわる現状が執筆の経緯とともに加えられています。

これらが歴史に刻まれることとなったメカニズムが、ドキュメンタリに織り込まれつつ解明されますが、具体的で分かりやすいです。

この記憶を語り継ぎ、日本に戻った人々が幸せをつかむべきことは、現代と未来を生きる日本人にとって大切なことと思われます。それらを考えるためのスタンダードで高質な文献の一つです。




ゾルゲ追跡〈上〉 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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MI5勤務経験のあるディーキン、知日派ストーリィと来ればこれは、もはや最強コンビ。原書はたしか1966年だから40年近く前のものだが、いまもって古びない。緻密なはずのスパイ団だが、上巻には、日本の生活費をうっかり10年前の水準で計算していて、金欠になってしまうなんて、結構笑わせる部分も含む。ところどころ、政治学や近代史の研究者らしい詳しさでゾルゲを世界の中に位置づけるところもいい。英国での組合運動、北欧の共産党の内部の調停と駆けずり回るゾルゲは、今で言えば多国籍企業のビジネスマンである。




ゾルゲ追跡〈下〉 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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初めて人を殺す―老日本兵の戦争論 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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一つ星のレビューを書いている馬鹿がいるが、買う前に確かめて買えばよい。
非戦を願うでもなく、まるでほろ酔いのような、あるいは霞がかかったような、中国
戦線についての筆者の追憶を述べたものである。ここの表されているのは素朴さだ。
ただ普通の老人の押し付けがましさもない語り、だからこそこの本に読ませられてしまう。
兵士達にはそれぞれに戦前、戦中、そして戦後があった。しかしながら、これはもう
人の資質によると考えるしかないのかもしれないが、忘れられない戦争体験を有しており
、しかも誰にもそれらをいうことなく年を重ねた老兵がいる。
もう亡くなった戦友に心の中で語りかけながら、戦闘行為に限らず中国で出会った出来事
をぽつりぽつりと話し始める。楽しい行為も多くあり、彼はその時代にまさしく生きていた
、青春を送っていたその時代に生きた人間なのだということが、と我々に伝わってくる。
ある忘れられない事項に、ふらふらと語りが焦点してゆく。それが余りに自然なことに
この本の最大限の価値がある。
私は10人以上の友人知人にこの本を薦めたが、ほとんどの人は、考えが変わる衝撃を受けた
、といっている。冒頭で述べた馬鹿は、感受性もないのだろう。こういう本がたくさんある
?では挙げてみろ。答えはこの本以外にない。ろくでもない友人に囲まれているのだろう。
本書は必読だし、戦争で心が壊れて・民主と愛国の2冊と共に、この3年間のベストだ。




曲説フランス文学 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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「文学史」と呼ばれるものはいつもくだらないものだ。小説や詩の、いちいちの作品の細部に立ち入って読む面白さを知っているものにとってはなおさらにくだらない。時代ごとの有名な文学者の特徴について、こまぎれの引用を申し訳程度につけてそのうわずみをさらうだけの作業というのは、実は何の意味もない。これは、権威主義的なアカデミズムが学生に強いる偽の教養のためのものであり、もっと個人的な、つまりは最も誠実な理由において本を読むことをする人々に必要なものではない。文学史など知らなくてよいのだ。いや、自ら自分のための文学史を、一人一人が作っていかなくてはならない、我々はそういう時代を生きている。

渡辺博士の文学史がそのような既製品と一線を画すのは、「文法学者も戦争を塊避できる」という、彼の信念によってである。これは前世紀に幻想された「客観的な」文学史ではない。本書の中で彼が語る、狂熱と狂熱とのいたちごっこ。人間がいかにして憎しみ殺しあうかに関する明解で深遠な叡智を、フランスの歴史を通じて語り、そしてその時代に生きた小説家や詩人たちの中に見出される「ユマニスム」について語る本書は、人文学の専門家が真にあるべき姿を体現している。フランスの文学なんて知らないから、と敬遠する必要はない。この本から知ることをはじめてみてもよいのだから。むしろその道順をこそ進めるべきかもしれないとすら、僕は思う。




詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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18世紀から20世紀にかけて、欧州を舞台に、大胆な詐欺や悪戯をはたらいた人間たちをピックアップし紹介した本である。ただ、この時代の疎い私にはカサノヴァ(映画になっていた)やボーマルシェ(「フィガロの結婚」の作者)くらいしか名前さえ知らなかったペテン師たちである。

例えば冒頭には英国海軍を騙した偽物のエチオピア皇帝の話が出てくる。艦隊に「エチオピア皇帝一行が行くから歓迎せよ」とのニセ指令を送り、精いっぱい歓待させて、去っていくという悪戯であった。この一章の主人公はヴェア・コールという悪漢であるが、この騙した一味には、学生時代の若きバージニア・ウルフ(作家)もいたというのである。

このように「へえー、そんなんだ」という情報が詰まっているのも本書の魅力の一つ!だ。それも、ドイツ文学や近世の欧州社会の歴史に造詣が深い著者だからできる技であろう。
また、ペテンにひっかかった側の社会の歪みについて、精神分析的な観点から批評が加えられている点も興味深い。




岩波講座 日本文学史〈第14巻〉20世紀の文学3
販売元: 岩波書店

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ルソン戦―死の谷 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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検証 日韓会談 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書を注文したのは2006年3月であるが、送られてきたのは1996年12月20日発行の第1刷であった。第1刷を多く刷りすぎたのか、それとも売れ行きが芳しくないのか? いずれにしろ、当然ながら1997年以降明らかになったことは記されていない。

また、著者は「伊藤博文が皇帝と閣僚を脅迫して韓国保護条約を締結した」との立場をとっているが、それと見解を異にする人でも事実関係の確認には役立ち、日韓会談の概要と当時の情勢を掴める著作となっている。

何度か訪れた会談の決裂、政権交代で生じる会談への温度差、国際情勢の変化を背景にした条約交渉の進展、日韓両国の国内世論の動き、それに対する政権側の対応、どれも興味深い。

結局、意図的に曖昧な部分を残したまま条約を締結したのだが、それが様々な問題を今日まで引きずる結果になってしまったわけである。




子どもたちの8月15日 (岩波新書 新赤版 (956))
販売元: 岩波書店

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湾岸戦争、イラク戦争。
テレビやネットで「戦争を観たことある」世代が社会の中心になっている現代。日本が現実に戦場となった太平洋戦争を「経験した」世代から「戦争観たことある」世代へのことばが伝わりにくくなっている現代。「戦争を経験した」世代の生のことばが本書に書かれています。優しい言葉で。馴染みやすい言葉で。想像しやすい言葉で。「戦争を知らない世代」という言葉さえも聞かなくなった現在、このような本が今後も多くの「戦争観たことある」世代の目に入ることを願います。戦争は地球上に現実に存在する悲劇なのだということを強く実感するためにも。


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