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和書 507300 (66)



なつかしく謎めいて (Modern & classic)
販売元: 河出書房新社

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 ル=グゥインって、こんなのジョークが好きだったっけ? なんて思わせる連作短編集。ふと、空港で待っていたら、次元移動の方法を見付けてしまい、それからは次元を移動するころで、目的地に早くつくことができ、さまざまな違う次元を訪れることも可能になった、そんな世界のお話。といっても、そもそもからして飛行機(plane)と次元の移動(plane of existence)の駄洒落だったりする。
 構造としては、ハイニッシュ・ユニバースよろしく、それを大宇宙という空間ではなく、たくさんの次元ということにした、ささやかなもの。したがって、次元ということに名を借りて、さまざまな世界が描かれる。植物人間の世界、言語を持たない世界、さらにはイースター島やクリスマス島といった現実に存在する島を借りた風刺の世界まで。とっぴな世界ということでは、ハイニッシュ・ユニバース以上、世界を描くにあたっては、「オールウェイズ・カミング・ホーム」で遺憾なく発揮された文化人類学的センスが満載。「アメリカ人は竜が怖いか?」と、かつては問いかけた彼女だけれども、おそらく現在は、アメリカ人そのものが不条理な世界に身を置いて、竜のようにふるまっている、そんなことを感じているのではないか。それを、多様な次元、多様な世界と比較したときに、こちらがわの次元だって、けっこう変なんじゃないか。それぞれの物語には、そんな気持ちが込められている気がする。
 というわけで、ささやかだけれど、ル=グゥインの魅力満載の本、ということになる。まあ、「ゲド戦記」のような物語を期待する人はいないと思うけれども。




なにわ金融事件簿―闇に蠢く懲りない面々
販売元: かもがわ出版

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なまずの駄菓子屋―DAYAN’S COLLECTION BOOKS (Dayan’s collection books)
販売元: ほるぷ出版

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亡くなった子供の生まれ変わりをずっと駄菓子屋をしながら探していたんですね
フーピーは川に化けた?声だけだったけど
本当になまずの子供は川に生まれ変わったのかもしれません
ミステリーと言うよりは優しいお話です




なまぬるいスープ
販売元: 文芸社

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本作はネット小説を一部改訂書籍化したものであり、そのような心積りでお読みいただきたい。そうすると「趣味で書かれたネット上の物語」というものが、今いかに成長しているかが理解できる。内容は「妻を冒してゆく変化と、夫を蝕む愛情の物語」である。圧巻なのは徐々に妻に起こってゆく異常の描写であり、残酷かつ愛情深い表現は心を打つ。そのいっぽう状景描写に欠ける嫌いがあり、読者の恐怖感を減退させてしまっている。しかしこれは紙幅の問題もあってしかたないことである。ラストを是とする非とするかだが、それを読者に投げ出す点こそ、本作の魅力といえるだろう。その他、ネット小説の得意とする「レイアウト表現」を最も効果的に使っている。恋愛ホラーと銘打たれているが、読者一人一人、その印象は変わるはずだ。少なくとも私は「狂気のラブストーリー」というイメージだったが。新しいネット小説の息吹を感じさせるものとして。




にんげん百一科事典 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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ぬすまれたタイムマシン [冒険ファンタジー名作選(第1期)] (冒険ファンタジー名作選)
販売元: 岩崎書店

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ねぎ坊主畑の妖精たちの物語 (fukkan.com)
販売元: ブッキング

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この書物では、天澤退二郎の不思議な世界の登場人物たちに、再会することができます。「夜の旅」では、京志が沼の中の一軒家に住んでいます。夜汽車でやってくるはずの少女を、迎えに行きます。夜道では妖怪たちが待ち伏せをしています。なんとか間に合わせまいと、あれこれ画策をするのです。「人形川」では竜が、「グーンの黒い地図」では、一郎が冒険をします。天澤の世界では、名前には強い魔法の力がこめられています。少年たちは、あの彼と同じ名前を持っていますが、どうやら少しだけ違う存在のようでもあります。「少年がそのとき口にした言葉を私はここに記すことができない。もし書き記せば、この物語は消滅し、読んでいるあなたがたも消滅するだろう。」名前とは、ことばとは何かという問いを主題とする夢と魔法の作品集です。「オレンジ党」の秘密を分け合った同士の方々に。おすすめします。




ねこ―ノックの音が響いた
販売元: 新風舎

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ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)
販売元: 東京創元社

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英国文学界の重鎮ジェイムズのホラー作家としての側面を代表する怪奇小説集。表題作『ねじの回転』は、実際にあった出来事に材を取り、その解釈を巡って多くの論争を呼び起こした曰くつきの一篇です。女家庭教師が勤めた田舎の古屋敷で遭遇する不可解な出来事の数々。何故、善良そうな男の子が学校を停学されたのか?彼女の前に姿を現す幽霊は何を語ろうとするのか?謎を残したまま物語は佳境に突入し、ある結末に達します。作者はわざと細部を曖昧に描写しています。その点の是非について賛否両論が叫ばれていますが、私としては謎が必ず解決を見なければならないミステリーとは違って、この種のジャンルでは読み手に解釈を委ねる手法も許されるのであり、テクニックのひとつとして充分に効果を上げていると思いますし、その不可解な迷宮性の故に永遠の名作足りえているのだと思います。
その他四篇の幽霊噺は、一人の男性を巡っての姉妹の確執・幽霊屋敷を舞台にした父娘の愛情の物語・旧家の人間関係に絡む狂気の話・作家の死後の意思が体感される物語と、何れも思わずぞっと総毛立つ心地のする逸品揃いです。
私にとっての幽霊噺の醍醐味は、生者には決して理解の及ばない死者の存在感であり、本書はその意味で最高の一級品だと思います。




ねじの回転―February moment (上) (集英社文庫)
販売元: 集英社

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1936年2月26日の陸軍若手将校による憂国のクーデター「二・二・六事件」とタイムトラベルの組合せは、宮部みゆきの名著「蒲生邸事件」(1996年)と同じですが、そちらの方が小説として優れていました。

本書は恩田陸が「二・二・六事件の意義」、「日本は米国の属州であるという考え」、「AIDSとそれさえ利用する資本」、「どの国ももはや止められない米国の度重なる戦争遂行」等の壮大なテーマ(課題)に、SF的要素を用いて文学という武器で果敢に挑戦した意欲作ですが、

個人的には著者の思いを描ききれておらず(伝わってこず)、消化不良に感じました。「二・二・六事件」という憂国の狂気を実在の人物を登場させて扱うには力量不足感を否めません。恩田陸は個人的にはファンタジー的な氏独自の世界を描く時にこそ、その真価を発揮する作家だと思います。

本著が面白かった方は、違った角度で「歴史」「二・二・六事件とその戦争時代」「人の悪意と善意」が描かれている「蒲生邸事件」も一読されては如何でしょうか。そして、「二・二・六事件」自体に興味を持たれた方には、以下の本をお薦めします。少し世界の見え方が違ってくるかも知れません。

1.英霊の聲(三島由紀夫)、河出書房
2.神々の軍隊「三島由紀夫、あるいは国際金融資本の闇」(濱田政彦)、三五館

蛇足ですが、三島と親交の深かった美輪明宏は氏の切腹自死の前に宴席で三島の後ろに「二・二・六事件」の先導者の一人「磯辺浅一」を見たそうですが、作家宮部みゆきと恩田陸が「二・二・六事件」を自らの小説に取り入れたことに何かの縁を感ぜずにはいられません。



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