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和書 508052 (115)



歌舞伎への招待 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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戸板康二というと、最近の読者はどのようなイメージを想起するだろう?
「ちょっといい話」シリーズに代表される洒脱なユーモリスト。
名探偵中村雅楽を生んだミステリー作家にして直木賞受賞者。

しかし彼の本業にして本領は歌舞伎劇評・評論であり、その原点こそ「歌舞伎への招待正・続」であった。永らく復刊が待たれた歌舞伎評論史上の金字塔である。これまで一部の「通」や「好事家」のものとして敷居の高かった歌舞伎を、彼は「エトランゼ」(異邦人)の眼から俯瞰し、翻訳し、鮮やかに切り取って見せる。その斬新さは昭和二十五年出版という「旧さ」を忘れさせる程だ。戸板康二の都会的センスが存分にきらめく、極上の案内書である。
同時に、この本を生みだした「暮らしの手帖」の名編集者・花森安治と戸板との見事な連携も忘れてはなるまい。




続 歌舞伎への招待 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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歌舞伎 ちょっといい話 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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「ちょっといい話」のシリーズで数多くの読者を持つ戸板康二が、晩年の10年間、歌舞伎座の筋書(プログラム)に連載したコラムの集大成が本書である。

 昨今、歌舞伎や寄席に若い人が増えた。決して悪いことではない。それが一時のブームに終わらないことを希う。
 古典芸能の楽しみというのは、数十年のスパンで藝が師弟あるいは親子の間で伝承していくことを見守り、現在の舞台に、数十年前の名人の面影を再見することである。
 長い歳月、歌舞伎を愛し続けた戸板氏の文章で、私はあらためてそのことを思い知った。

 軽妙にして深さこの上ない一冊である。私は1日でこの本をむさぼり読んだ。そして、これからの人生でもたびたび、頁を繰りたいと思う。






黒澤明作品解題
販売元: 岩波書店

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 黒澤明監督に関する本は数多く出版されている。
 その中でもこの本は秀逸である。
 著者の佐藤忠男さんは岩波書店から刊行されている『全集・黒澤明』
 の作品解題も手がけている。黒澤映画の批評に関しては、この本と
 ドナルド・リチー氏の『黒澤明の映画』(教養文庫)が双璧であろう。
 批評は批評のための批評であってはいけない。

 批評は作り手及び読み手に、何らかのプラスアルファになることを期待
 して書かれなければならない。良い批評とはそういうものだ。
 その意味でこの本は良い批評である。プラスアルファがある。
 黒澤映画を見て、この本を読んだら、もう一度また黒澤映画を見てほしい。
 新たな感動がまたふつふつと湧きおこるはずである。




芸人 その世界 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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歌舞伎役者、俳優、落語家、漫才師、歌手、浪曲師などなど
国内外を問わず、いずれも名の通った「芸人」の生の言葉を
取り上げた好著です。

この本を読むと、つくづく芸人たちが社会のアウトサイダー・
アウトローであることを思い知らされます。
(本人が意図する・意図せざるは別として)
さらに芸人たちと任侠(道)との精神的関わりも重要です。

ある意味において、自分たちが社会の周辺にいると意識する
からこそ、芸人はハングリー精神を持っているのでしょう。
それは芸の輝きを増していると同時に、彼らが社会の中心部に
いられないことを意味します。
そうだとすれば、芸人の一見反社会的な行動も、彼らの
アイデンティティのあらわれと言えるのかもしれません。

有名人ばかり取り上げられているからでしょうか、どの発言も
否応なしに説得力があり面白いです。

続編の『役者 その世界』もオススメです。




元禄俳優伝 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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作者の家〈第1部〉―黙阿弥以後の人びと (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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作者の家〈第2部〉―黙阿弥以後の人びと (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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三文役者の死―正伝殿山泰司 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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独特の風貌で存在感のあった殿山泰司について新藤兼人が書いた評伝。近くにいたとはいえ、随分詳しいことまで知ってます。殿山さんはミステリ好きで、確か雑誌「話の特集」でミステリのことを書いた文章を読んだことがありますが、味があって面白い文章でした。新藤さんの文章も面白くて読ませます。殿山泰司に対する愛を感じます。




綱大夫四季―昭和の文楽を生きる (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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NHK大阪(BK)勤務時代に、山川静夫氏は八代目綱大夫と深い心の交流を築き上げ、その死に至るまでの人間・綱大夫を赤裸々に描いたものです。若い頃に、二度までも文楽界の主流から袂を分かちながら、その才能と山城少掾という絶大な後ろ盾をにより、おめおめと戻ってくる姿は遠慮会釈なく書かれています。当時は子供でよくわからなかったのですが、綱大夫に対しては冷ややかな雰囲気があり、今は忘れ去られてしまっていますが盲目の若大夫さんの方に贔屓が集まっていた理由が、この本を読んでなんとなくわかった気がします。強い絆で結ばれた師である山城少掾の引退を画策する綱大夫と、「親ばかチャンリン」と言われながら息子・咲大夫を溺愛する綱大夫。一代の名人と言われた人も、やはり人間だったということなんでしょうか。現代の文楽をご存知の方にもぜひ読んでいただきたい本です。ただ、残念なのは永六輔の下品な解説です。内容・文章が浮薄なことはさておくとしても、この本が書かれた1974年のあと随分経って2004年の岩波現代文庫への収録なのですから、1976年に相三味線の竹澤弥七に起きた出来事を触れておくのが解説者としての責務であると同時に、人間としての礼儀のように思うのです。折角の素晴らしい本が、最後で台無しになっています。


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