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和書 508052 (125)



続・文楽の研究 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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正編に続く文楽研究書の続編。ただ、「浄瑠璃素人講釈」の少しあとの時代あたりから書かれた正編と比較すると、敗戦後の四ツ橋時代、分裂騒ぎなどもあって文楽に対する危機感が強く出すぎたせいか、それとも、それなりにお年を召して文楽界でもプレゼンスが高くなってしまったせいなのかはわかりませんが、やや断定的な記述が増えているように感じます。当時の大夫さんたちも、研究者風に色んなことを聞かれて、さぞや困っただろうなぁという感じがするところがあります。著者が京都住まいのときはともかく、わざわざ東京から来てくれて、マスコミにあれこれ書いてくれるから、つれなくもできないし…というところだったかも知れません。(これは読みながらの勝手な推測で、事実を確認して書いているわけではありません)ただ、私が存じ上げているちょっと前の文楽の方々は、正しい意味で「芸人さん」でしたから、あまり細かいことを聞かれても理屈を言える人は少なかったのでは…とはいえ、近時の文楽の歴史を知る上では、必ず目を通しておくべき本であることは間違いありません。




弁天小僧・鳩の平右衛門 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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著者は、ベートーベンの全生涯のもくろみを「歓喜」としている。
ベートーベンは、ウィーンから良い生活が送れるように守られているわけでもなく、彼は長い期間貧しい生活をしていた。
そして耳に病気を抱え、音をうまく聞きとれないのに作曲活動を続けていたことはよく知られているが、耳だけでなく体のいたるところに病気を抱えていた。
恋愛においても、不運が付き纏い、想いを寄せていた相手と結婚ができなかった。そして「つんぼです」と言えないがために、彼は社交を避け、よりいっそう孤独に陥る。
これらの不運を見るだけでは、私たちはベートーベンから得られるものは少ない。
しかし、ここが重要な点だが、彼は「勝利者」であった。 彼はこれらの運命・悲哀に打ち勝ち、「歓喜」をつかんだ勝利者であった。
この過程をベートーベンは1つの金言により表している。
『悩みをつき抜けて歓喜に致れ!』
彼はなぜ「歓喜」をつかみたかったのか?なぜそのために曲を作ったのか?
それは、貧しい人の運命を改善するためである。
つまり、ベートーベンは我々のために(つまり他人のために)勝利者となったのだ。
彼自身を見ると私たちは苦しみや敗北などしか見出すことはできない。しかし、彼は勝利者となることで、それらの苦しみを浄化してくれたのだ。




ポケットアンソロジー 恋愛について (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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いわゆる恋愛論である。「どうせ恋愛論なんて・・・」
などとタカをくくってかかるとかなり痛い目にあう一書である。
何しろ執筆陣がそうそうたるメンバーである。
ハナから森瑶子のエッセイが登場、私などはこれだけで腹一杯になってしまうほど。
倉橋由美子の「六つの手紙」では、華麗なまでの憎まれ口で男の愚鈍さを鋭く抉り、

全身全霊をこめて愛する男への思いを綴る。この激しい落差は男を恐怖に陥れるに違いなく、
そこに描かれる男と女の行き違いは、ため息さえも出ないほどに絶望的だ。
瀬戸内寂聴が綴るのは本当の自由を知る女にとっての愛と孤独。
伊藤整は「愛」という言葉に隠された欺瞞をあぶり出す。坂口安吾は

「人の魂は、何物によっても満たし得ないものである」と言いつ!つ
一見至極真っ当な恋愛論を展開している。
と、まるで暗闇のジェットコースターにでも乗せられたような
ドキドキいっぱいのエッセイが詰まった一書である。読ませる内容だけに、
値段が下がるほどお買い得になると申し上げておきたい。




役者論語 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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岩波文庫の2003年春・リクエスト復刊の1冊。元禄期の有名な歌舞伎役者が語った教訓・逸話などが収録されている。文体などは初刷の1939年当時のままなので読みやすい代物ではない。

しかし、少々の読み難さは我慢するだけの価値はある(・・・と私は思う)。それに、薄い本なので根負けする前に読了できる可能性が高い。パラパラとページを繰ってみて興味を覚えたら挑戦してみてはどうか。

内容そのものは工芸、演劇、スポーツなど「技(芸)」でもって生計を立てている人にとって貴重と思われることが少なくない。そうかといって、歌舞伎などの技術的なことだけではない。日頃の行いの善し悪しが芸の善し悪しとなって現れるので平生の心掛けが大切である、といったような処世訓も幾つか含まれている。このように現代の生活でも十分通用することも含まれているので、芸能・スポーツなどに疎い人でも読んでみると良い。




山の旅 大正・昭和篇 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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山の旅 明治・大正篇 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 明治~大正前期に書かれた日本人の山岳紀を集めたもの。続巻に『山の旅-大正・昭和篇』がある。
 もっとも古いのは明治18年・松浦武四郎の「乙酉掌紀」。もっとも新しいのは大正11年・宇野浩二の「山恋ひ」。どんどん文章が現代語に近付いていくのを読むのが面白い。
 ほかには野中至の「寒中滞岳記」武田久吉「尾瀬紀行」、木暮理太郎「皇海山紀行」など、日本の山岳記の黎明期を見る上では欠かせない紀行が収められており、貴重であった。夏目漱石「二百十日」、正岡子規「旅の旅の旅」、芥川龍之介「槍ヶ岳に登った記」など、文学者の登山記があるのも珍しかった。
 明治期の登山者の文章は非常に物見遊山的であった。ただし享楽的ではない。風景や史蹟を淡々と述べるようなものが多く、江戸時代の旅を引きずっているさまが伺えた。戦前・戦後しばらくの山岳記に見られるような精神修養的な側面も段々と姿を現してくるようで、興味深い。日本の登山の始まりが良くわかった。




与話情浮名横櫛―切られ与三 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (上) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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本書の副題は「12世紀から18世紀まで」。つまり、封建社会であった中世中期から、王政を経て大衆社会が芽生えんとするくらいまでの、ヨーロッパ美術について書かれております。私見によればヨーロッパが最も面白い時代です。
中世から近世への移行期を、キリスト教史を中心に見ていくならば、中心の潮目は疑いなく「宗教改革」と「反宗教改革」の潮流により出来たものであります。そしてキリスト教(カソリック)美術は、伝統的キリスト教に批判的なプロテスタントの攻撃からの防遏も求められたが故に大きく変容します。有り体にいえば弾丸に晒される聖母、聖人、教皇の権威などを、造型美術で示すことによって擁護する、そういう役割を示すことになります。これは大きな転換点です。
しかしそもそも「美術は(庶民の)教育」(マール)であった頃から考えると、芸術家自我の芽生えや印刷術の発達、新しい時代の宗教感情への対応、などにより、絶えずキリスト教美術は変容し続けて来たのであります。
本書は、以下のような、基本的には時系列に基づいた章立てで、キリスト教美術の変容と発展についてあっさりと捌いていきます。「1 12世紀の宗教美術」「2 13世紀の宗教美術」「3 中世末期の宗教美術」「4 トレント公会議以降の宗教芸術」。それぞれの章中には時代考察の為の興味深い小テーマ(「巫女」「死の舞踏」など)が掲げられており、ちびちび読むみみっちい読み方にも対応しております。
文章は平易で、上述のように小テーマの集まりのような形式で取っつきやすい上に小導入文なども(著者によって)付加されており、更に訳者による註が充実しております。不案内な読書においては、往々読みながら迷子になる危険があるのですが、本書を読む我々は迷子センターのお世話になる心配は恐らく、ありますまい。
たまたま今は秋ですが、秋の夜長にでもじっくり読みましょう。味わいがありますよ。




ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (下) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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ヨーロッパの絵画や彫刻、教会の装飾は美術品、芸術品である前に、それを見る人に観想的なインスピレーションを与え、教会の教えを伝える言葉でもあった。中世の人たちであれば難なく、その意味を読み解いたことでも現代人にはわからなくなっている。エミール=マールは現代人に中世の人たちが理解していた図象の意味を解説してくれる。文庫本なのに豊富な写真が嬉しい。


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