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和書 508066 (94)



特命全権大使米欧回覧実記 (1) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

明治維新に際して、不平等条約改正を目的に
まず外国に行って見てみよう。となった時の記録です。

本来の目的は達成されませんでした。
ただ、結果として、西洋の見学とでも言えばよいでしょうか。
さまざまなものを見聞きして帰ってくることができました。

その間留守を任されていた西郷という点も見逃してはならないと思います。

読みやすさという点では私はあまりです。古語なので。

ただ、非常に重要な書物です。
口語訳も出ているらしいです。




特命全権大使米欧回覧実記 (2) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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とりわけ目立つことは、工業視察の記録が詳細にわたること。アメリカ編でも観察結果をよくぞここまで詳しくリアルに書き残したことよ、と驚かされたが、イギリス編では産業革命の成果でもある製鉄所、汽車関連工場、紡績工場、ビール工場、ドック等々、工業に関する視察結果が、記載の長さにおいても詳しさにおいても際だっている。これは、記録係の久米邦武というよりも使節を派遣した明治政府の意図を反映しているのであろう。また、それら記述には、阿片窟や煤煙のすごさなど負の諸側面や特徴ある山野の風景もちらほら顔を出している。

 読者、それも現代の若者にとっては、旧字が目立つ文語文と相まって読みにくいと思えるかもしれない。しかし、このレビューを読もうとしていただいた方には、その動機故に、それを乗り越えて、あるいは、詳細すぎると思われる観察部分は流し読みしてでもイギリスでの4ヶ月分を通読していただきたい。さすれば、少なくとも、明治維新という時代にあってあくまでも未来に向け心を駆り立てていた先達の熱き想いをうかがい知ることができるから。




特命全権大使米欧回覧実記 (3) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 この巻では、訪れた国の特徴をつかむ眼力のするどさと比較文化論とが目を引きます。イギリスを発ってドーバー海峡を渡るところから、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツの回覧結果を報告しています。各国の総説を冒頭に置くのは各巻共通ですが、それ以降の章でも、まずは特徴を明確にします。例えば、フランスの文化とパリコンミューンへの見解など政治思想、ベルギー、オランダの小国ながらの特徴を生かした国造り、ドイツの森林と農業、ビスマルク、モルトケの人物像や急激な発展の足どりなど。その上で、米英を含め各国の比較を時に応じて展開して見せてくれます。その一端のみを紹介すれば、ロンドンの煤煙のひどさに比べパリの空気の清透さ、米英独の政治のありように及ぼす各国歴史の違いの影響等々。具体的には、久米邦武の筆にあたってその優れた眼力を見ていただきたいと思います。それらは、久米の透徹した眼力であると同時に、文明開化・富国強兵を背景にした強い問題意識を準備して回覧に乗り出した明治日本とそのエリート達の眼力でもあったと思われます。

本書は、米欧回覧の国民向けの報告という性格をもちますが、それ故に、たとえば、本使節団の目的のひとつ、条約改定に向けての予備会談などはほとんど表に出ません。しかし、そのあたりは巻末の校注で他の文献などを引用して解説されます。それらを会わせ読むと、使節団の全体像に一層近づくことも出来ます。




特命全権大使米欧回覧実記 (4) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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ヨーロッパ編中巻。ロシア、デンマーク、スウェーデン、ドイツ(再訪)、イタリア、オーストリアを巡る。

この旅では、まず、ロシアの皇帝をはじめとした貴族と国民大衆との貧富の差の凄まじさに注目する。それはヨーロッパのどこよりも上は高く下は低く、その差は耐え難い程との印象を記している。それから半世紀もたたずにロシア革命が起こるのだが、その背景を正確に読みとっている。イタリアでは、文明の栄枯盛衰を目の当たりにする。

前巻のベルギーやオランダを含めた小国を他の大国と比較考察し、小国の生きる道が自主の精神と営業力にある、と結論している。その考察を読むと、明治以後のわが国の歴史を想い、具体的にはともかくも、使節団がその進む方向をしっかりと予測していたと思わずにいられない。

岩倉使節団または久米邦武の鋭い洞察力に驚くとともに、現在も、各級議会の議員さんなどが外国視察に行かれるが、この本をその際の必読書に推薦したら、とふと思った。




特命全権大使米欧回覧実記 (5) (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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最終巻では、ウィーン万国博からスイスを回覧、帰国命令を受けてマルセーユを発ち海路横浜に帰るまで。ヨーロッパを発つ前には、「総論」と称して全回覧の総括を地理、政治、経済につき展開する。

まず、万国博をつぶさに見て各国比較文明論を展開する。スイスでは、学校教育、農業や時計製造に見られる工業など、国民の自主を育てる国策に感嘆するとともに、その景観が何よりも何処よりも素晴らしいと驚きの声を連発している。その驚きは、現代の我々に比べ、触れるに新鮮なだけ何層倍だっただろうことが伝わってくる。

スエズでは運河開削のレセップスの苦労話なども織り交ぜて、途次立ち寄ったセイロン、サイゴン、上海等のアジア各地の見聞を記録する。その中で、アジア人民をしばしばあたかも野蛮人と描いているのは、多分、自分の目で見ずに伝聞を記しているためではないか、と思われる。自分の目で見た自然環境については、その豊穣さを高く評価し「極楽界ト覚フカコトシ」と記すが、同時に人民を「怠惰」とも観察し、実態をリアルに観て判断を下している。

使節団、とりわけ久米のリアリズムと、そこに流れる潮流を読みとる透徹した考察力のすごさは全巻を通じ強く印象に残り、現代人にとっても刺激的な書物である。

他方で、久米は「総論」などで、特に近代において、自然環境が厳しく、衣食住生産力が必ずしも高くない米欧が、「欲深キ・・・人種風俗の習慣」を以てハングリー精神をバネに競争琢磨をくり返し、高い文明を築いてきた、との考察をくり返す。それは、それ以後の「脱亜入欧」を成し遂げアジアを侵襲する道を選ぶ近代日本指導層の代表的世界観につながる危うさを感じさせる。久米のリアリズムに接して、少なくとも、核兵器や地球環境問題をかかえてEUなどが協働の輪を拡げようとしている現代において違った読み方、結論の導出も可能と思うのだが・・・。読書子の評や如何?




日本開化小史 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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日本書紀〈1〉 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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1993年刊の「日本古典文学大系」版の日本書紀を、文庫版にしたもの。
「大系」本だけあって、涙ものの豪華さです。まず編者陣が超豪華。(皆さん古代研究の一人者です)

今巻収録分は、神代(上・下)〜崇神天皇まで。
右ページ書き下し文の本文・左ページ注記のスタイルとなっています。(訳文はありません)
本文終了後に更に詳細な「補注」を掲載。その次に白文の原文。底本奥書(あ、底本は卜部兼右本です)・諸本との校異・異体字表もついて本当に超豪華。
私は学生時代、古事記・日本書紀が卒論テーマだったんですが、この本が当時あったらとつくづく思います。(親本は図書館で参照した気がしますが…持ち歩きはキツイので…)

書き下し文オンリーだと、読みづらい気がするかもしれませんが、注が詳細ですのでそうでもないですよ。
記紀の漢文は、本家中国の漢文と違いそんなに複雑じゃないので、慣れたら白文でも意味取れるくらいです。
諸先生方の現代語訳も素晴らしいと思いますが、やはり原文に直接触れた時の感動は別物です。古代史に興味のある方でしたら、ぜひ一度チャレンジを。







日本書紀〈2〉 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 第2巻には、第11代垂仁天皇から第20代安康天皇を収録しています。『日本書紀』の歴史観は、この巻で一つの画期を迎えます。つまり国内統一事業をほぼ終えて、いよいよ海外に進出し始める過渡期として描かれているのです。そのため、ヤマトタケルや神功皇后といった、皇位継承はしないけど、英雄的な活躍をする人物が登場するわけです。

 しかし、史実性を帯びてくる一方で、『日本書紀』の記述と実際の年代が一致しないという《紀年問題》も深刻に…。たとえば神功皇后の場合、皇后が摂政になってから死ぬまでは69年ですが、この69年間に起きたと述べられている海外の出来事を実際の年代に照らし合わせると、神功皇后は189年間摂政の地位にいたことに…。なぜこんなことになってしまったかというと、神功皇后を邪馬台国の女王卑弥呼に模したためらしいですが。

 ところで個人的には垂仁天皇が興味深かったです。皇后が謀反に手を貸すという悲劇が語られたり、伊勢神宮が創始されたり、古墳文化が始まったと述べられたり、民俗学などからも注目されている人物です。

 史実と伝説、あるいは史実と虚構の境界を散歩できる、面白い1冊です。




日本書紀〈3〉 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 第3巻は第21代雄略天皇から第29代欽明天皇までを収録しています。『日本書紀』も、ほぼ史実だろうとされる時代に突入です。最大の見所はやはり第26代継体天皇でしょう。そういえば、本来の継体陵とされる今城塚古墳が発掘されて多くの耳目を集めています。王統が途絶えたため、北陸地方から請われて大和入りしたという継体天皇には多くの謎が残されており、謎が解けるわけではないのに、読み込みにも力が入ってしまいました。この巻は他にも、葛城氏の滅亡、仏教伝来など、重要事件が多いです。新興勢力の蘇我氏が急速に力を伸ばすのもこの頃です。記述が増すにつれて減るどころか、増加傾向の謎。面白いです。




日本書紀〈4〉 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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 第4巻は第30代敏達天皇から第37代斉明天皇までを収録しています。仏教受容をめぐって揺れ動く中央豪族や天皇の描写が面白いです。この結果、物部氏宗家の滅亡を招いてしまいますが。また日本史上最も研究されてきた人物、聖徳太子が登場、その活躍には注目です。推古天皇が帝位を継いだことによって《女帝の時代》が幕を開け、上宮王家の滅亡という悲劇、大化の改新、そして悪化する半島事情。半島の情勢が日本を麻布のように乱す中、斉明天皇が不審な死を…。

 革命に成功しながら、いまだ安定しない古代の日本。歴史のダイナミズムが感じられて目が離せません。そして次巻、舞台は白村江へ。必読です! ……が、本音をいうと、この辺り、現代語訳本がないとツライです(泣)。

 また、昨今の考古学的発見に詳しい人は、その成果が『日本書紀』の記述と一致するのを発見して驚くかも。これって、なんかうれしい。トロイア発掘みたいで。


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