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和書 508066 (208)



逆説の日本史〈8〉中世混沌編―室町文化と一揆の謎 (小学館文庫)
販売元: 小学館

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本シリーズも8巻になり、ますます井沢イズムは快調であるが、本書に於いては、本文以外にも余録としてついてきている(と思われる)、「室町文化の光と影」が絶品であった。

特に、将棋を戦争ゲームとして捉えず、経済ゲームであると考える事によって、駒の再利用を外国人に簡単に理解させる事が出来ると言う論には、大変驚かされまた、共感をした。

さらに茶の湯の起源についても、日本がそもそもおいしいお水に困っていなかったから、「芸術」としての茶が広まったという考え方は十分納得が出来る論理性を持っていると感じた。

これ以外にも、世阿弥が創造した能の世界についての卓抜した理論など、おまけ篇においてキラリと光る切れ味を見せるが、もちろん本文の方も国一揆と一向一揆の相違の説明などで、さすがと思わせる考えを披露してくれている。

毎々感じるのだが、本書は中学生や高校生に読んでもらいたい本である。




逆説の日本史〈9〉戦国野望編 (小学館文庫)
販売元: 小学館

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このシリーズもついに、信長を中心とした戦国時代に入りましたが、本書ではその前に、「戦国時代とはなんぞや」について多くの紙面を割いています。

特に印象的なのは、鉄砲伝来についての我々の誤解と、天下人になれた人と、そうでない人との本質的違いについての記述です。

そんな説明をしないで、淡々と時代に沿って話を進めれば良いのに、あえてこのように一般人の(つまり読者の)誤解を最初に解いておいてから話を進める著者の構成はさすがです。

著者が繰り返し力説する、「コロンブスの卵を作った人間が英雄」と言うのも、朝倉孝景の項を読んでようやく理解出来ました。こういった読者に理解させる例示を持ってくるのがとてもうまいですね。




逆転推理おもしろ日本史―本物よりもありそうな「もしも…」の歴史18編! (広済堂ブックス)
販売元: 廣済堂出版

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逆転の証言―太平洋戦史
販売元: 読売新聞社

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逆転の人物日本史―歴史に甦る英雄たちの不死伝説とその後を推理!! (ラクダブックス)
販売元: 日本文芸社

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逆転の日本史―もしもその時…を推理する
販売元: 日本文芸社

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逆境に打ち克つ男たち―歴史人物に学ぶ「いま求められる四つの知恵」 (講談社プラスアルファ文庫)
販売元: 講談社

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本書はバブル崩壊後の逆境に立たされている日本人が、過去のツケをどうやって清算したら良いかを歴史上の人物の生き方を通して考察するというもの。歴史上の人物を独自の観点で紹介するというのは著者の専門分野であるので、必ずしもノウハウ物として読む必要は無く、人物伝としても楽しめる。メインに取り上げられる4人(組)とは、二宮金次郎、徳川吉宗・宗春、海保清陵、伊能忠敬。

二宮金次郎に関しては、私の時代には多くの小学校に銅像が立っていた程の"道徳の鑑"であり、本書の内容もそれを逸脱したものではない。「勤勉と倹約」、この如何にも道徳めいた精神とその実践を高く評価している。そして、やはり清貧の人として名高い元経団連会長、土光敏夫との関連性の記述も興味深い。海保清陵の項は著名人のオンパレードで、松平定信の倹約政策、田沼意次のワイロ政治(巷間言われる程の悪徳政治家では無かったらしい)、花開く元禄文化を担った芸術家達。清陵はそんな中、商人というよりは今で言う経営コンサルタント的働きを示す。ブランド(そんな言葉は勿論無かったが)という発想を産みだした点に感心させられる。徳川吉宗・宗春の項では、尾張の藩主宗春の反骨精神に興味を惹かれる。"本来ならオレが将軍になっていた筈なのに"と考える宗春は、吉宗の倹約政策に反発し、奢侈な生活を送る。この両者を比較するというものだが、前項と合わせ、不況の時代に倹約の方向に走るべきか、それとも、それでは却ってシュリンクしてしまうので積極的な経済活動を行なうべきかという二律背反の問いかけをしているようである。最後の伊能忠敬は個人的に尊敬する人物で、49才(当時の平均寿命に近い)で役職を定年退職した後、有名な日本地図作りに励む。その準備の際、測量法等を年下の人間に教えを乞う際、あくまで謙虚な姿勢で行ない、逆に相手を恐縮させる等人柄も優れていた事が窺がえる。伊能忠敬の場合は高齢化社会をどう生きるかという狭い観点ではなく、もっと幅広く人生に対して目標を持って望み、後は黙々とそれに向かって邁進する姿の尊さを教えられる。

全篇を通して読むと、必ずしも「逆境に打ち克つ」男を描いている訳ではないのだが、各々が置かれた立場で最大限の努力と工夫を行なうという点で色々と参考になる。歴史上の人物の評伝を通じて、現代にも通じる生き方を示唆した良書。




玉砕の島―太平洋戦争激闘の秘録 (光人社NF文庫)
販売元: 光人社

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 この著書にウソがあるとはおもわないが、米軍兵士の会話や気持ちが実録風にというか、小説の一部を読んでいるように書いてあるので、どの資料に基づいたものか疑わしくなる箇所がきわめて多い。
 米軍兵士がなにを話していたか、どんな気持ちでいたかは、米軍の資料に求めるしかないが、それを著者はどこから持ってきたか。参照した資料を示していないから、本書の記述のどこまでが事実によるものか、あるいは著者の創作によるものかがわからない。
 本書はノンフィクションであり、厳正に事実と考えられる事柄を集めたとおもうが、たとえば、マキン島の玉砕の様子は、ただ一人の生き残りの沢野一等兵が語ったことになっているが、どうやって沢野氏を探し出して、いつどこで話を聞いたのか、それらは何もわからないのである。
 著名な軍人の報告や著書でも、自分に都合がよくないところは隠したり、あるいは自分を美化したり、事実を曲げたりあるいは記憶の誤りがあったりすると言われている。将校にかぎらず兵隊でもおなじである。
 戦争に関する出版物の取り扱いは慎重でなければならない。その点で、本書の著者はやや不用意ではなかったか。太平洋の孤島でどんな玉砕戦があったか、一応の知識は得られる。




玉砕ビアク島―“学ばざる軍隊”帝国陸軍の戦争 (光人社NF文庫)
販売元: 光人社

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 本書はその表題が示すようなビアク島の戦闘だけでなく、戦後の生還者や遺族について記されている。
 記述としては当時の様子については関係者へのインタビューに基づいた語りと、手記などからの抜粋を中心に構成されており、戦後の記述は取材に基づいたドキュメンタリー的なものとなっている。
 本書の中に記されているが、著者はあまり語られないビアク島での出来事を記録することを目的のひとつとして本作を記している。帰還者のインタビューや手記については、他の南洋の島嶼戦と同様の悲惨さを描いており、特に、あまり語られない、極限下における友軍内での精神の荒廃の記述は注目すべきところと思う。
 一方で、副題にある「”学ばざる軍隊”帝国陸軍の戦争」は過剰な表現で、この副題に期待しての本書の購入はお勧めできない。指導部の戦術的な学習能力のなさは記されてはいるが、過剰に感傷的な表現の方が目立ち、また、単に恨み節に終わっているためあまり建設的な内容とは言えない。
 著者が新聞社出身のためか、比較的読みやすい記述ではあるが、深い思慮のない感情的な表現と、実際に戦闘に加わった訳でもないのに戦没者の思いを軽軽しく代弁するような部分は嫌悪感さえ感じる。
 感情的な記述の多さから、著者の意図である記録としての意味はあまり持っていないように思われる。
 内容的には星1.5程度と思うが、容易に入手できる記録としての価値と、英霊への敬意で星3としたい。




ギリシア文化史〈1〉 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

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