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和書 508066 (275)



哲学の歴史―哲学は何を問題にしてきたか (講談社現代新書)
販売元: 講談社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

新書で哲学史を、ということで依頼されたのでしょうが、普通の哲学史的な叙述を拒否して、問いの歴史として書こうというあたりが非凡なところです。非常に中身が濃く、「新田現象学」の見方が随所に現れています。ただ、理解するにはある程度の基礎知識が必要であり、哲学史を全く知らない人にはむずかしすぎると思います。しかし、多少内容が理解できる人にとっては、何度も読み返すに足るだけの内容があります。




天皇と日本の起源―「飛鳥の大王(おおきみ)」の謎を解く (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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女帝がただの傀儡や中継ぎではないという解釈が斬新でした。
昔、確かにそう習ったけど、よく考えてみれば女だからといって、事実二度も天皇になったり、
在位期間が長いのにそれをただの傀儡と思うのはむしろ不自然。
大化の改新の政変も、ヒットマンが主犯だなんてこと普通の世界では確かにない。
政治的なものなわけだから。
ただ、昔の事なんで、そういうもんなのかなと、今までは思っていました。
蘇我氏ではなく、古人大兄の方が目的だったというのも、凄く理屈に合ってるし、その後の流れを見ても、
むしろ王位継承者つぶしという視点で見たほうが、全てがしっくりきます。
確かに、著者の言う事には、説得力があります。

一代ではなく何代にもかけて天皇という世界観を作り上げ、神聖化していった様子がよくわかりました。
豪族とそれほど差のなかった時代から、その差をどうやって広げていくか。
天皇の価値作りが、どの大王にも最重要課題だったんでしょうね。
全てが物証があるわけではないので、どこまでが事実かはわかりませんが、説得力のある
推理が多いし、定説よりよっぽど納得はできました。

血みどろの骨肉の争いに勝ったものが天皇になれ、勝者だからこそ穢れなきスメラミコトを
名乗る事ができるという皮肉。
これが歴史だなぁと思います。




東洋資本主義 (講談社現代新書 (1022))
販売元: 講談社

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トルコ民族主義 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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 普通、トルコ民族と聞けば、アナトリア等を国土とするトルコ共和国のことを思い浮かべますが、元来トルコ系民族はモンゴル高原に居住しており(中国史に記録される鉄勒(てつろく)や突厥)、西へ移動しながら、ウイグル、中央アジア、コーカサス、アナトリア等に広がっていったものです。
 トルコ系民族は移動しながら、各地の先住民族と交じり合い、風貌には大きな違いがあり、一見して同一民族とは見えませんが、言語的には同系統に属しており、文化的・宗教的な共通性も見られます。
 本書は、トルコ系民族の内の中央アジア、アゼルバイジャン、アナトリアに焦点をあてながら、各地域における民族形成の歴史、特に民族主義の展開について解説しています。
 一方各地域での民族主義に対して、トルコ系民族全体を統合するパン・トルコ主義は、近代になり、言語学的・歴史学的な研究の進展を背景として、理念として生まれ、一定の影響を与えては来たものの、現在に至るまで大きなうねりとなることはありませんでした。
 アゼルバイジャンや中央アジア各国は、石油やウランなど豊富な天然資源を有するとともに、ソ連解体後の紛争や政治的混迷が続く中、中東イスラム地域に隣接し地政学的・経済的な重要性を増してきています。
 これら諸国に対して、相対的に経済の発展したトルコ共和国は経済的な影響力を強めており、あらためて言語的・文化的共通性が認識されてきています。
 ともすれば、日本人の知識は、トルコ共和国と西(EU)との関係に偏っているますが、東(アゼルバイジャン・中央アジア)とも政治的・経済的繋がりを強めるトルコ共和国は、政治的・経済的な要として重要な位置を占めています。
 パン・トルコ主義自体が、大きなうねりを形成する可能性は高くないものの、トルコ系民族の広がりと連携は、世界の経済、政治にとって注目すべきことであることが理解されます。




動物裁判―西欧中世・正義のコスモス (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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 大きく第一部「動物裁判とはなにか」、第二部「動物裁判の風景―ヨーロッパ中世の自然と文化」に分かれるが、圧倒的に面白いのは第一部。

 幼子を食い殺した罪で法廷に立つブタ、破門されるミミズやイナゴ。しかし、意外にもそれらを弁護する法学士はモグラの安全通行権や毛虫の居住権までも勝ち取るという史実のバカさかげんに圧倒される。そして、圧倒的に多かったであろう獣姦罪の数々。獣姦罪で有罪となった人と動物はほとんどの場合、炭になるまで焼かれ、裁判記録も不浄のものとされて同時に燃やされるかしていたのに、それでも残っている数々の記録は、獣姦がいかに多かったかをうかがわせるという。

 ここまでワクワクさながら(新書という構成上しかたないのかもしれないが)第二部は尻すぼみ感がいなめない。

 実は中世において本当の意味でのルネサンスや産業革命はなされていたのだという、今日では主流派の考え方にのっとり、人間と動物(自然)を対等と見てという精神が出現した重大さを指摘する。本来恐るべきものであった森に代表とされる自然が、農業の発達とともに、人間が征服し始めることによって、人間の従属物へと変化していく。動物裁判とは、そうした時代の過渡期に現れた現象であるという指摘は、べつに合っていてもあっていなくてもつまらん。

 これも『歴史学ってなんだ?』小田中直樹に紹介されていて読んだ本で、3冊目。




謎の古代都市アレクサンドリア (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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エジプトのアレクサンドレイアに関するコンパクトに纏められた良書。ユダヤ人についての記述も比較的丁寧で好もしい。興味のあるかたには是非一読をお奨めする次第。

  ただ日本の出版界にあって残念なのは、この手の小型版の類書は幾つか上梓されているといふのに、もう少しアップ・グレードされた中級書がほとんど入手できないことである。とりわけアレクサンドレイアといった有名な都市については、せめてアンティオケイアに関する新潮選書「地中海都市の興亡」程度の丁寧な本があってしかるべきでせう。今後の我が国の出版社ならびに研究者に期待します。




謎とき日本合戦史―日本人はどう戦ってきたか (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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 なかなか面白い。白兵主義の幻想を出発点として、日本の合戦史に新しい視点を導入している。

 惜しむらくは、著者が在野の研究者であること。アカデミズムの人間ではないために、その意見が学会で省みられる機会は少なく、また信憑性も予測しづらい。素人目には精密な論証がされていて、問題ないと思えるのだが、通説への反発から一方的な論調になっている部分もみられ、いきおい誇張などがあるのでは、と危惧してしまう。

 本書で述べられている日本刀の役割は、従来の鈴木眞哉氏の主張を繰り返すものだ。この説もまた、かなり説得力がある一方で、疑問の残る点もある。

 戦国時代の合戦の真の姿というのは、歴史マニアならずとも気になるところだ。しっかりと書けば本も売れるだろう。アカデミズムの学者とも協力して、さらなる探求を望む。




謎とき本能寺の変 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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司馬遼太郎の小説などであまりにも面白く描かれる、本能寺前後の時代は一般に人気があると思うのですが、この時代を研究している学者はどのくらいいるものなのでしょう。この種の書物は、あまりアカデミズムの側に属する人たちによって書かれていない気がするのですが、何か憚りがあるのでしょうか? その点、著者は学者にもかかわらず、素人が喧しく議論するこのテーマに果敢に取り組んでいます。我々素人にも分かりやすく、光秀をめぐる当時の状況をスリリングに解き明かして行きます。歴史学の面白さを伝えるためにも、他の学者さんも恐れずに、こうした「時代」を扱ってほしいと思うのですが。





ナチス追及―ドイツの戦後 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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戦争の罪と反省を語る際、「日本人はドイツを見習え」という声をよく聞く。
見習えと言われても、ドイツはどのような反省をしてきたというのか?
その問いについて、「ナチスへの追及」という方向から答えてくれている本。
とにかくナチスは極悪で、未来永劫その罪を問われ続けなければならない。ドイツは過去の克服に取り組み続けなければならない。そして日本は、そんなドイツを見習わなければならない。この本の筆者は、とにかく反省が好きらしい。
筆者の語る反省論に、私は反対である。際限の無い謝罪は、問題解決を先送りしているのと同じだ。
それはさておき。
ドイツ(この本の中では「西ドイツ」)が行った戦後処理の一つを知ることができる内容。
「ドイツの何を見習えというのか?」そんな疑問を持った方は、ご一読を。





七三一部隊―生物兵器犯罪の真実 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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 「アウシュヴィッツ」は、徹底した合理性の所産であり、それは合理性と野蛮性の結託としての「合理的野蛮性」以外の何ものでもない。731部隊の人体実験もそれと同様のものであり、「被爆国」である日本、すなわち被害者としての日本が、同時に加害者であった歴史的事実を見事に浮き彫りにしている。中国人を「丸太」(33ページ)と称して、日本人には到底許されない、多くは無益な実験を行使した、その負の歴史的事実をわれわれは忘れてはならない。そして、もはやわれわれには直接的には聞き取ることのできない「声なき声」を感受するだけの感受性を持つ必要がある。
 もちろん、本書は限られた紙幅の中で、できるだけその歴史的事実を取り出すことを主眼としている以上、著者自身の考えはそれほど前面には出ていない。むしろ、それをできるだけ抑えようとしているかのようにさえ見える。だからこそ、われわれは「自分の頭で」考えなければならない。本書の最後では、731部隊と、かのミドリ十字との歴史的連続性が取りだたされている。すなわち731部隊に見られた「合理的野蛮性」精神は、医療の分野において、さらに言えば広く社会一般に色濃く反映されている。そのような現代は今どこに進んでいっているのか、そしてさらにどこに進もうとしているのか、それらのことを考える上で、本書は必要不可欠なものである。
 
 


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