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和書 508066 (277)



バリ島 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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 1959年生まれの文化人類学研究者が1998年に刊行した本。ジャワを支配していたオランダは、19世紀末に北バリ支配を、1908年に全島支配を実現し、武力介入以前にオランダの統治権を認めたスカワティ家やカランガスム王家等は、植民地エリートとして発展した。オランダは支配の正当化のために、バリの「本質」をヒンドゥー的社会、平等な宗教的組織としての村落から成る社会として規定した上で、イスラム支配を免れたバリのヒンドゥー文化の保護、専制君主に対する村落の保護を掲げ、その理念をもとに機能的な統治体制を組み立てた。植民地政府と深い関わりを持つ芸術サークルの指導者モーエンは、バリの美学性・非西欧性・宗教性を強調し、「ジャワで失われたヒンドゥー的世界」をバリで維持しようとした。それは西欧的教育を受けた反植民地運動家への弾圧(ジャワのイスラム系ナショナリストとバリの切断、官僚化した旧王家の復活を通じた間接統治への移行)、バリ人の「バリ化」、観光開発(バリ文化の見世物化)政策と結び付いていた。他方ハーレム黒人運動や米国文化人類学と密接な関係を持つ、メキシコ人イラストレーター・コバルビアスは、ベストセラー『バリ島』(1937年)で、生活・宗教・芸術が一体化したバリ文化を商業主義や植民地主義から守る必要性を説いたが、それはオランダ語文献に依拠していたために、バリ社会の近代化への動きや植民地主義の分析を捨象し、「西洋が失った世界」を理想化し、「不変の伝統文化」にバリ島を固着させる新たなステレオタイプの創出を帰結し、彼自身そのイメージを用いた商品をニューヨークで売り出した。バリ人自身も資本主義への参加要求からそうした西洋的視線を自ら取り込み、自身の「伝統」の捏造に力を貸した。こうした戦間期の状況の中で初めて、現在流通しているバリの姿が実体化されていったのだと著者は主張する。





万里の長城 攻防三千年史 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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廉価な書籍としては、情報量は多いと思います。特に地図が参考になります。単なるべた塗りの色分け地図ではなく、地形線の入った、カラーでこそありませんが、ナショナルジオグラフィックなどで利用されている地形図に、長城線が引かれていて、具体的な位置がわかり便利です。以下掲載地図を紹介。

戦国期 燕、斉、楚、趙、秦、それぞれについて、各1枚
秦代  秦の長城と軍事道路である直道の地図が1枚
漢代  甘粛省の長城、朝鮮から、敦煌付近までの全体図各1枚、甘粛省エチナ河付近1枚、
北朝と隋 全体図1枚(西魏と東魏の間の長城も記載されている)
金代  界壕と呼ばれる堀(主に対モンゴル人用)全体図1枚
明代  遼東から嘉峪関までの全体図、遼東詳細部分1枚、北京付近500Kmの詳細図1枚

明代と漢代では、かなり場所が異なっていることがよくわかります。地形線が記載されているので、位置の比較がしやすい点が便利。同じ遼東でも、戦国燕と明代では、位置がかなり異なります。全部あわせると一体何万キロあるのでしょうか。

各時代の長城の利用状況や意義やエピソードが記載されている他、前後漢代、唐代、明代の防衛システムについて詳述されています。また、戦国期の燕、斉、楚、北朝、金代など、あまり知られていない長城についても記載されいます。一文の記載しかありませんが、漢代長城が、最近では、カシュガルまで延びていたと推測される遺構の件や、明代貴州雲南地方の苗族向け長城の存在など、本書で初めてしった事も多く、便利な著作となっています。写真が少なく、工法についてもところどころ言及されている程度なのが残念。中国歴代の城や城門、建築について扱った一般書を目にしたことはあまりなく、建築の本も読んでみたいと思いました。




パブ・大英帝国の社交場 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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紳士的とされる英国でのパブの歴史をまとめた本。
グローバル化の波が避けられない昨今
居酒屋やパブを経営する者としては知っておきたい
話もちらほら。
学術的にも興味深い本です




パリ歴史探偵術 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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パリという街がなんとなく気に入ってしまい、ルーブルやオルセー以外の隠れた名所旧跡をお探しの方におすすめします。歴史上数度築かれた城壁、入市税関、パリ郊外のセーヌの水辺 - それらの歴史とドラマそして現況がわかります。本書でも紹介されている稲葉宏璽著「ガイドブックにないパリガイド」と併読すればあなただけのオリジナルな「パリ、もうひとつのまち歩き」を楽しめると思います。




東インド会社―巨大商業資本の盛衰 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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イギリス東インド会社の興亡を描いた本です。ヨーロッパの各国での東インド会社のおこり、東インド会社はどんなお仕事をやっていたか?単なる貿易会社のはずが、インドの植民地化の尖兵となっていく様子、イギリスを中心としたヨーロッパの政治と東インド会社のかかわり、などです。

直接は関係しませんが、南海会社に端を発したバブル景気についても、かなり書いてあります。

歴史の本です。会社の組織、財務状況など経営に関する話は、あまりありません。

当時のイギリスの人々の暮らしぶりも随所に出てきて、興味深く読めました。




ヒトラーとユダヤ人 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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 ヒトラーの過剰といえるまでのユダヤ人に対する憎悪は、今では誰も否定しないだろうが、結局は彼がなぜユダヤ人をそこまで憎悪したかに関しては、ヒトラー自身も実はよく理解していなかったのではないか?ヒトラーの青年時代にだって、ユダヤ人の友人や知り合いはいたはずだし、特にユダヤ人からひどい仕打ちを受けたというわけではないのである。
 こうなると、なぜヒトラーがユダヤ人に対する憎悪を燃え上がらせたのかという謎は、どれだけナチスに関する文献や資料を集めようが、永遠に解明されることはないのではないかと思う。したがって、本書ではそこまで解明し切れていないのも、仕方がないといえる。
 まあ、だからこそ我々には狂気としか表現できないのだろうが。




新版 卑弥呼の謎 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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開かれた鎖国―長崎出島の人・物・情報 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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副題にあるように「長崎出島の人・物・情報」について紹介されている。

鎖国時代、出島ではどのような手順で交易や交流が行われていたかを日本側・オランダ側の豊富な史料を駆使して紹介している。なるほど、入港から出港まで、人員(日本側・オランダ側とも)はどのように動くか、交易はどのような物をどのような人々が扱ったか、オランダ側からはどのような情報を得ていたかなどを資料に即した具体的な記述により知ることができた。
また、年代による推移を考慮した記述はオランダ・日本にとっての出島の意味や世界史の流れの中での両国の位置を知る上でも参考になる。

だが、史料が豊富な分、内容も専門的であり、お世辞にも理解しやすいとは言い難い。
特にこの分野について知りたい人向け。






風水と天皇陵 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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古墳における風水の影響を論じた本。
著者は日本だけでなく、中国まで古墳を調査している。すごい量のフィールドワークである。ほかの方も書かれておられたが、本書内にはたくさんの古墳の事例が掲載されている。しかも地図付きで・・・。私は地図を眺めながら文章を読んだが、簡単な地図の分析みたいなことができて面白かった。
読了後、実際に八王子までいってみたが、尾根の方向を読んだり、斜面を見たりして、楽しかった。町を歩いていても地形を気にするようになります。意外に実践的かもしれません。




藤原氏千年 (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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世界でも稀に見る最古・最大の家系のひとつとして、天皇家とともに千四百年の時を歩んで来た藤原氏。中臣鎌足が大化の改新の功によって藤原姓を賜ってから、権力奪取と他氏排斥にあけくれた草創期、藤原四家が身内で争った平安初期、王家の外戚として栄華を誇った王朝時代、名目化したとはいえ摂関の座を確保した中近世を経て、現代まで延々と続いた。数々の古代豪族が歴史に埋もれていく中で、藤原の家は、いかにしてその地位を確立し、数々の変革に堪えて生き残ったのか。その謎を、この本はある程度解いてくれる。

本書は藤原氏の起源から近代までの歴史を、草創と権力奪取の時代、藤原四家のせめぎあい、摂関の座をめぐる骨肉の争い、望月の人道長、院政期における傍流の発展、および中近世の堂上公家(歌道の冷泉家を例に)などの内容に分けて説明した。多くの本が中世の開幕をもって藤原氏を退場させているのに対して、朧谷寿氏はその後の藤原四家(摂家・上流貴族に限らず藤原の末裔)の概況についても言及し、「千年」のタイトルにふさわしい通史に仕上げることに成功した。信頼できる史実を簡潔平明にまとめ、言葉遣いも丁寧で実に読みやすく、お薦めできる一冊である。


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