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和書 508080 (80)



がん告知以後 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

この本の著者、季羽倭文子さんは、ホスピスケアに精通した看護師である。本書は、著者のそうした経験と学識を反映して、癌告知を巡る様々な問題を、詳細かつ具体的に述べた、内容豊富な一書と成って居る。医学用語を、誰にでも分かる様な平易な言葉で説明して居る事や、癌患者の食生活について、著者が良いと思ふ調理法を詳しく書いて居る点などからは、看護師であり、女性である著者の人柄と経験が伺える。非常に優れた本であるが、アメリカの癌医療を紹介する部分では、アメリカの医療の問題点に十分触れず、アメリカで行なはれて居る事を、少々美化し過ぎて居ないか?と言ふ疑問を持った。具体的には、例えば、本書で紹介されて居る様なアメリカでの癌患者への医療と看護が、患者とその家族にどれ位の経済的負担を強いて居るかを、語って欲しかった。そして、本書が、その題名から伺える通り、癌告知が為される事を半ば前提に書かれた事は理解出来るが、その癌告知が、患者と患者の家族の人生にとって、必ずしも肯定的な側面ばかりを持つ訳ではない事にもっと触れて欲しいかった。即ち、本書は、癌告知の持つ負の側面について十分触れておらず、その点が、医師である私には疑問であり、不満であった。医師として、私は、日本の看護師たちが、しばしば、アメリカの医療、看護の在り方を、余りにも美化して居ると感じる事が有る。経験豊富な、患者思ひの看護師である著者の記述にも、そう言ふ点が少々感じられた事は、本書が、優れた本であるが故に、残念であった。(内科医)




がん専門医よ、真実を語れ (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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レビューの前に、『奇抜な理論で目を引く書は時にベストセラーになる(買ってはいけない、など)』『1000円の本が100万部売れると著者は1億円前後を手にする』『無責任な珍説を垂れ流しても、言論の自由から多くの場合、著者は責任を問われない』『真実に虚構を織り交ぜて庶民を誘導するのは単なる詐欺とかわりない』という事実をよく理解してほしい。

『がん』を他の病気(MRSA肺炎)に置き換えて考えてみる。MRSAは悪性度の強い細菌であり、MRSA肺炎で死に至る患者も多い。つまり、MRSA肺炎の患者全員に対して同じ治療を行った場合でも、『治る患者』と『治らない患者』が発生する。さて、『治った患者』に感染していたのは『MRSAもどき』で『死亡した患者』のは『真のMRSA』だという理論が通用するかどうかを考えていただきたい。それぞれの患者に感染している細菌はどのような方法を用いてもまったく見分けがつかない場合、それらは当然同一の菌であると定義される(当たり前だ、それが科学のルールだから)。したがって、治療の結果から、『MRSAもどき』と『真のMRSA』を区別するというのは明らかに常軌を逸していることがわかる。

おそらく著者はがん以外の多くの疾患を診療した経験が少ないのであろう。小松秀樹氏が著書で語っているように、『すべての疾患に対する治療結果は分散する』のが常識である。つまり、同一の疾患でも、患者自身の状態や病気が発見されるまでの期間など多くの因子によって治療結果が左右されるのであって、がんかがんもどきかという二元論は医療の基本原則を知らない者がいう理論に他ならない。

話は戻って、肺炎患者からMRSAが検出され、確定診断がついた後に、『真のMRSA』なら助からないから治療はしない、『MRSAもどき』であれば治療しなくても助かるはずだといって放置した場合、明らかに犯罪である。MRSA肺炎でも治療の副作用で死亡することがあるが、それは治療をはじめからしないとする理由にはならない。また、MRSA肺炎と診断されればできるだけ早期に治療すべきなのは言うまでもない。がんの場合、進行するまでに数年から十数年かかるため、MRSA肺炎とは違ってごまかしがききやすいだけなのだ。もちろん、MRSA肺炎で死亡する患者も、数日で死亡する者から1ヶ月以上生存する者もいるし、治る患者にしても治療期間は千差万別である。それらの幅や副作用の率、生存率は違えど、基本原則は癌もMRSA肺炎も変わりないのだ。

以上、本書の中には正しい記述もあるが、主幹となる論理が破綻しているため、本書を読んで騙された患者が無駄死にする危険に対して警鐘をならす。事実の提示で読者を信用させ、珍妙な説でおとしめるのは本質的にライフスペースらのカルト宗教と大差ない。したがって、本著者に対しては星1つでも多すぎると思う。




がん患者よ、医療地獄の犠牲になるな―迫りくる終末期をいかに人間らしく生き遂げるか (パンドラ新書)
販売元: 日本文芸社

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『患者よ、がんと闘うな』という本のことは聞きかじったことがあったが、
身内ががんで死んだりしないものだから、近藤氏の本は読んだことがなかった。
この本は、がん治療に経験の深い専門医と宗教家(仏教)が章ごとに交互に
執筆した作品だが、両者の間には特に連絡もなく、本としての統一性が薄い。
おまけに宗教家(ひろさちや氏)の書いていることが矛盾していて、いや本当は
宗教的には正しいのかも知れないが、少なくとも近藤氏の理知的な医学の話の
合間に読むには、哲学的でしち難しすぎる。

近藤氏の本を初めて読んだ者としては、近藤氏の書いた部分は面白かった。
がんとは別の分野で
「日本の医療制度ってコワイなあ、医者の言うことは話半分にきいとかなきゃ」
と思っていたので「さもありなん」と思わされた。

というわけで★★★。




がん患者学〈1〉長期生存患者たちに学ぶ (中公文庫)
販売元: 中央公論新社

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 ちょうど、私が同病者として、労働現場に戻りつつあるときに、晶文社から分厚い原本が出版された。「患者による患者学のはじまり」に足場を作ろうとしている著者の勇気に感動した。
 私の読み方は、同病者としては次のようになる。
 第3部の「再生-私とがん」には特に注目した。私も同病であり、あの時代に迷える子羊としてさまよっていたからである。
 この著者に関心をもつのは当然のことであった。この人の母が卵巣癌と診断され闘病生活の末亡くなったこと。更に、幼いときより母のいとこで「癌には個性がある」と主張していた医学者佐藤博氏の影響を受けていたこと。私は、彼女がノンフイクションライターという立場から、あらためて「がん」なるものを明らかにしようという姿に感動した。
 早期発見・早期治療はベストという既成の価値観は、近藤誠氏の『がんもどき理論』により突き崩されていた。良心的な医師も動揺していた。
 さらに、ホスピスの登場。在宅で死を迎えたいという希望。それにつきあってもいいという医師たちの登場。
 帯津良一氏を頂点とする代替医療の大流行。このような状況の中でこの書物は誕生した。
 
●がん患者は医師たちにわが身をゆだねるのではなく、自らの病を癒す方法を選択しなければならなくなった。
 がん患者として闘病しつづけている柳原和子は「長期生存をとげた患者に学ぶ」(原本の副題)という視点から自己の仕事を再開した。長期生存している患者はいるのだ。今、あらゆるところで「がん告知」をされ絶望している大勢の人たちに希望をあたえる書である。いや、彼女の生き方そのものが、人とがんの関係を新しく見直してくれるのかもしれない。
 がんのとらえ方も変わった。がんは我が身体にある細胞の遺伝子が何らかの原因で傷つき細胞増殖を止めることができなくなった自然な現象に過ぎない。
 それでを、私たちはがんを病と言い、どこかでおりあいをつけれたらと願っている。原因究明は進めどもそれは治療とはつながらないことは抑えておいた方がいい。
 




がん患者学〈2〉専門家との対話・闘病の記録 (中公文庫)
販売元: 中央公論新社

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 ちょうど、2000年7月、この書の原本(600頁で2400円)が晶文社から登場したときに私は喝采を送った。
 「患者による患者学のはじまり」
 第3部の「再生-私とがん」には特に注目した。この人の母が四十七歳の時に卵巣癌と診断され闘病生活の末亡くなったこと。ノンフィクションライターとしてひたむきに仕事しつづけながら、母と同じ運命をたどるのではないかという不安をもっていたこと。更に、幼いときより母のいとこで「癌には個性がある」と主張していた医学者佐藤博氏の影響を受けていたこと。私は、彼女の過去の書物をすべて入手し読んだ。家族のきずなの強さを感じた。

 早期発見・早期治療はベストという庶民のもっている先入観は、近藤誠氏の「がんもどき理論」により突き崩された。良心的な医師も動揺していた。そして、ホスピスの登場。更に在宅で死を迎えたいという希望。それにつきあうよと言ってくれる医師たちの登場。
 帯津良一氏を頂点とする代替医療の大流行。これでいいのか。疑問であった。
 癌告知を受け、「あとどのくらい生きることができるのですか。私にはまだやらないといけないことがあるのです」と問うても、無言で黙りこむホスピスの医師。何らの希望の言葉も出てこない状況。それが現在である。
 
 がん患者は医師たちにわが身をゆだねるのではなく、自らの病を癒す方法を選択しなければならなくなった。
 がん患者として闘病しつづけている柳原和子は「長期生存をとげた患者に学ぶ」(原本の副題)という立脚点を見いだした。まさしく、長期生存している患者はいるのだ。今、あらゆるところで「がん告知」をされ絶望している大勢の人たちに勇気をあたえる書である。いや、彼女の生き方そのものが人とがんの関係を新しく見直してくれるかもしれない。講演、テレビ出演、雑誌原稿獅子奮迅の社会的活動。心配しているのは私だけではないだろう。文庫本になって良かった。彼女の生活の経済的心配をしていたのだから。
 がんは我が身体のある細胞の遺伝子が何らかの原因で傷つき細胞増殖を止めることができなくなった自然な現象。
 それでも、私たちはがんを病と言い、どこかでおりあいをつけようとしている。
原因究明は進めどもそれは治療とはつながらない。




がん患者学〈3〉がん生還者たち―病から生まれ出づるもの (中公文庫)
販売元: 中央公論新社

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 この本の表題は「がん生還者たち」となっています。病気の克服記録かと思って読み始めると違和感を感じましす。最初の2例はいずれも膵臓がんと卵巣がん(筆者と同じ)で死去するというところから始まります。社会的に恵まれた人とそうでない人の差が出てきますが、同時に日本の悲しい医療の現実を突きつけられます。大学の教授をしていても簡単に自分の死を受け入れられるわけではないし、人は自分がもっとも輝いていたときの記憶を頼りに生きていこうとするものなのかもしれません。健常者が想像する以上に悲痛ながん患者の心理描写に迫力を感じます。

 次に膨大な内容のアンケート結果が報告され(ちょっと字が小さくなるので読みづらくなります)、その次の章からはメキシコやアメリカの取材報告となります。がん生還者達というのは海外でのこういった取材での「元患者達」をさしているものですが、ドキュメンタリー風にインタビューに答える形をとっています。このあたりはやや冗長な感じがします(ページ数が多く読み疲れします)。最後に米国のレイチェル医師との会話がありますがこの本のエッセンスはそこに凝縮されています。

 レイチェル医師の生死観というのは非常に参考になります。この本は患者としての立場で書かれていますが、医師であり、同時に患者でもあった人は医師の立場も患者の立場もともに理解できるわけです。人が何のために生きているのかという人類の遠大なテーマに対して、がん患者は健常人よりも先に一つの回答を得ることができるようです。いわばアイデンティティを確立する上で病気も役に立つものと考えられます。なお、この本を出されたあとで著者はがんが再発しています。この本が患者の悲痛な叫びを代弁しているならば、がん治療に携わる医者にも是非読んでほしいと考えます。




がん最前線―がんと、どう付き合うか (集英社文庫)
販売元: 集英社

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がん疼痛治療のレシピ
販売元: 春秋社

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疼痛マネジメントの基本がわかりやすく載ってました。
臨床にすぐ役立ちます。





がん疼痛治療のレシピ
販売元: 春秋社

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白衣のポケットに入る大きさの本ですが、内容は実践に則したもので、とても重宝しております。
癌疼痛治療の現場がいかに混乱と誤解に満ちあふれているかを、感じさせられました。
デュロテップパッチの使い方やレスキュードーズの調節法にも触れており、最新の情報も得られます。
この価格でこんなに使える本は今までありませんでした。




がん遺伝子の発見―がん解明の同時代史 (中公新書)
販売元: 中央公論社

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分子生物学の進歩とともにがん遺伝子、がん抑制遺伝子が
どのように発見されてがんのメカニズムがいかに解明されてきたかが
わかりやすく書かれています。

また、黒木先生がリアルタイムで経験されたことや
感じたことも交えて書かれているので
全体にわたって興味を持って読み進めることができます。

バイオ系の本だと専門用語が多く、とっつきにくいものも
多いのですが、この本は最小限の専門用語は使いながらも
わかりやすく説明することに重点を置いていると推測され、
バイオ系以外の理系の人だけでなく、文系の人でも割と
スムーズに読める貴重な一冊だと思います。

また、バイオの研究者にも読んでほしい一冊です。
分子生物学をある程度勉強した人なら
目新しい知識はほとんどないかもしれませんが
歴史的な発見があったそのときの仮説構築の仕方や
アプローチ方法を知ることは温故知新に繋がります。

特に、最近は遺伝子解析の技術も進んできて、
極めて細分化された中で研究することが多く
全体の歴史やストーリーを理解することは
研究者としても大事なことではないかと感じています。


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