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和書 529056 (116)



カンボジア最前線 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 1947年に生まれ、自動車修理工・職業訓練指導員になり、1980年タイでJVC(日本国際ボランティアセンター)に参加し、その後カンボジア・ヴェトナムでも国際支援活動を行ってきた著者が、カンボジアに関心を持つ全ての人々に向けて、1993年に刊行した入門書・回想録。19世紀にフランス植民地となったカンボジアは、1953年シハヌーク王の下で独立を宣言し、右派から左派までを統合する政権を樹立した。しかし反米的なシハヌークに対して、1970年親米右派将軍ロン・ノルがクーデタを起こし、クメール共和国を成立させる。「ロン・ノルを支えるための」米軍による空爆は多くの被害を出し、かえって1975年に親中急進左派ポル・ポト派を政権の座に就ける結果をもたらすが、この民主カンプチア政権は大量虐殺・無意味な強制労働・家族分断・知識人否定で知られ、1978年末のヴェトナム「義勇軍」の侵攻と共に自壊する。以後、ヴェトナム軍駐留の下、その支援を受けた親ソ左派のヘン・サムリン政権が成立するが、イデオロギー色が薄く、カンボジア人が生き延びる為のサバイバル政権の性格が濃厚であるにもかかわらず、西側諸国は冷戦下ゆえこの政権を敵視し、むしろポル・ポト派に国連議席を与え続けた。1989年のヴェトナム軍の完全撤退と市場経済化を経て、1991年にはパリ和平協定が調印され、UNTACが事実上の統治者(名目上四派連合が統治)としてカンボジアに乗り込むが、ポル・ポト派の武力抵抗により、和平も復興も確保できていない。著者は上記ヘン・サムリン政権時代にカンボジアで活動し、ポル・ポト時代の深い爪あとを引きずりながら、国際的孤立の中、必死で生き抜くさまざまな人々と出会う。著者はカンボジアの前途を楽観視してはいないが、希望を捨ててもいない。大国に翻弄された国の激動の現代史とその苦難がよく分かる。




希望のヒロシマ―市長はうったえる (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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核兵器と平和について考えるときに広島市長経験者の活動を知ることは、日本の平和活動の大きな流れをつかむ上でも非常に役に立つ。本書は元中国新聞の記者である平岡敬氏が核廃絶運動や広島での平和運動に関わっていく過程や人類史上一度だけ行われた核兵器に関する国際裁判での広島市長としての陳述の様子がよく描かれている。

マスコミとして取材する側、市長としてマスコミから取材される側の両方の立場に立ったことのある筆者のバランス感覚は見事で、日本の戦争責任と核兵器の悲惨さの両面を分かりやすく訴えている。

平和活動というのは戦争を推進することよりも「いいこと」であると盲目的に信じられているため、他人の視点が見えず自分勝手になりがちであるが、物事を多角的に見る視点やバランス感覚が必要である。平和について考える人は、いろいろなカタチの平和活動についての書籍や、戦争を推進したがる人の論理を知る必要がある。本書は、バランスのとれた平和活動の一例として読む価値がある。




教科書と裁判 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は家永教科書裁判の弁護団で活動してきた著者が、
裁判の経過、教科書検定とその背後に脈打つ復古的な動き、
戦前、戦中のご自分の経験などをまとめたものです。

個人的には裁判所の論理の組み立て方を興味深く読んだのですが、
正直なところ裁判で解決できる問題ではないのかな、との思いを持ちました。
とはいえ政治部門がまっとうな解決をしてきているとはとても思えませんが…。






共生の生態学 (岩波新書 新赤版 (546))
販売元: 岩波書店

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共生という言葉、近頃はキレイゴトとしてメディアに濫用されているが、本来は生物学の専門用語である。ウシの胃のなかの生態系で起きる共生から、人と自然の共生の道を探る。




居住福祉 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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技術官僚―その権力と病理 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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霞が関の技術官僚の生態を描いたものです。主に国土交通省、厚生労働省、農林水産省について、書かれています。なぜ、薬害事件が繰り返されるの、公共事業が継続されるのか、技官の論理、傾向が書かれています。官僚機構に興味を持つ人は、読むとよいと思います。硬い本では、ありますが、比較的読みやすいと思います。文官と技官の関係についても、詳しく書かれています。




行政指導―官庁と業界のあいだ (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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行政手続法 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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本書は、既に刊行されてから月日が立っているため、一部の法令に古さがありま
す。また、行政手続法の改正には対応していません。なので、初学者はまず行政法
の教科書で、行政手続法について簡単に学ぶべきです。

しかし、本書は、行政手続法について深く学ぼうとする場合には、最高の解説書だ
と思います。というのも、行政手続法は、その重要性に比して、一般向けの解説書
や教科書はあまりありません。なので、行政手続法を理解しようと思っても、テキ
ストがほとんどない状況です。そんな中で、本書は、行政手続について様々な具体
例を示しながら、手続法の意義・重要性について分かり易く説明されています。

尤も、本書は単なる解説書ではなく、筆者なりの見解も示されており、判例・通説
とは異なる見解も見受けられます。

しかし、行政手続法がなかった時代ではどのような問題があったのか、行政手続法
の制定で何が変わったのか、について多くのページを割き、分かり易く説明されて
います。

行政手続法を多少でも詳しく学ぼうという方には、是非、本書をおすすめします。




新版 軍縮の政治学 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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核兵器が…なんて唐突にいってもいまいちぴんとこないけど、対国家戦の究極にある兵器が核兵器で、核が象徴しているものが国家システムだという点にまで気づくと、そうか核ってものを考えなきゃいけないなぁと思うようになりました。ただ軍縮っていう問題は、俗にいう高度な政治的配慮というものがあると思うので民間レベルというよりは政府レベルでの意識変化が必要なのではと思います。その意味で本書はある程度の専門的な知識を獲得したい人が、そしてしかるべき地位につく人が読むようなたぐいの本だと思います




警察の社会史 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 1950年生まれの日本近代史研究者が、1993年に刊行した20世紀前半、特に大正期の日本警察の社会史。明治政府は、ヨーロッパから大陸型の警察制度を導入し、東京府から独立した東京警視庁と、中央集権的な警察制度を創設した。その際、事後処理的な司法警察と並んで、予防的な行政警察が設けられ、特に後者は人民の「守役」として、民衆生活の広範な領域に介入した。日清・日露戦争後の帝国主義期には、工業化を背景として、風俗や道路への規制に加えて、工場や衛生、海外渡航への積極的な介入が目立つようになり、警察権限は無限定に膨張してゆく。しかし大正期の民衆騒擾の頻発は、警察の転換の契機となる。藩閥政府の私兵的性格の強かった警察は、以後「警察の民衆化」を掲げると同時に、巡査の待遇を改善して貧民との遮断を図り、加えて「陛下の警察官」としての精神的統制を強化する。また同時に、「民衆の警察化」も目指され、「自警」が組織化されていくが、その問題性は関東大震災下での朝鮮人虐殺(警察も流言の流布に一役買っている)の際に露呈した。結果として1930年代には、警察は「民衆化」されずに戦時体制を支える「力の警察」へと向かい、自警団は権力の末端組織として編入された(その過程の解明は今後の課題)。戦後、GHQによって警察権限は縮小し、地方分権化されたが、戦後の過程で再びゆり戻しが起こっていることを、著者は憂慮している。戦前警察の歩みを社会変化と関連付けて論じた好著であるが、著者が「今後の望ましい警察のあり方」をどう考えているのかが気にはなる。戦後の日本警察については、永井良和『風俗営業取締り』(講談社メチエ、2002年)がある。
                       


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