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和書 529056 (358)



中華思想と現代中国 (集英社新書)
販売元: 集英社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 本書は、「徳治」「以夷制夷」「大一統」といった伝統的政治観念が現代中国の政治・社会・外交などに大きな影響を与えていることを説明し、中国がイメージする世界像と西欧的価値観との齟齬が、この国の勃興に伴って国際社会にさまざまな波紋を来す可能性を展望するものです。
 全体として、たいへん平易で歯切れの良い語り口となっており、あたかも物知りオヤジが好き勝手に放談しているかの如き趣があります。一般向けの新書という性格もあってか、主張の論証には余り多くの紙幅を費やしてはいません。そのため些か乱暴に見えるところもあります。しかしながら、筆者は著名な民国史学者であり、民国や共和国における伝統的政治思想の影響について特に一家言ある方です。中国的なるものの本質や日中関係の行方を考えていく上で、本書の主張はけっこうポイントを衝いているのではないかと思います。
 中国そのものに対する捉え方という点では、とにかく身勝手で困った国だけれども、周りの方で、それを前提にある程度尊重してあげるべき、というスタンスのようです。親中派からも嫌中派からも槍玉にあげられそうな微妙な主張ですが、現実論としてバランスがとれていると考えるのは小生だけでしょうか。




朝鮮半島をどう見るか (集英社新書)
販売元: 集英社

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皆さんは、次のようなステレオタイプは抱いていませんか?

・朝鮮半島は小さく、いつも強国に踏みにじられてきた
・朝鮮半島は民族意識が強い
・旧日本は、他国の植民地と違って、植民地朝鮮へ本国から資金の持ち出しをした
・韓国は北朝鮮との速やかな統一を願っている

もし抱いているのならば、本書を読んでみてください。

朝鮮半島をある一面からしか見ないという方法の誤り、そうした見方などないということを、本書ではわかりやすく伝えてくれます。


ただ、第5章で植民地支配をめぐる論議に相当冷静な分析をしていたのに、その章の最後に創氏改名と日本語強制、参政権剥奪を何の根拠もなく「真実」と決め付けているのが残念でした。
逆に言えば、そこまで左翼の宣伝は深層まで行き渡っているのか、と思いました。
そこで星一つ減点しましたが、全体的には良書です。




著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)
販売元: 集英社

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 なぜ、著作権という制度があり、権利者の利益が保護されるようになったのか。どうして著作権の内容が昔と今とで変わっているのか。今日、著作権をめぐってどういう問題が起きているのか。今後、著作権はどのような方向に進んでいくのか。

 薄い分量でありながら、これらの本質的な問題をしっかり扱い、しかも分かりやすい内容だった。すごく良い本だった。




チョムスキー、民意と人権を語る―レイコ突撃インタビュー (集英社新書)
販売元: 集英社

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『レイコ@チョート校』のレイコさんのチョムスキーへのインタビューというので、買った。前半がそのインタビューで、後半はチョムスキーの近著の鈴木主税による翻訳。

残念ながら、レイコさんがインタビューする事によって引き出せたものはなかったようだ。チョムスキーがあちらこちらに書いている内容をレイコさんの一言をきっかけに喋っているだけ。まだまだやね、レイコちゃん。せめて3/4はイラクに攻込むとは思ってなかったのに、ブッシュが勝手にやったのだとチョムスキーが言ったのに対して、あなたの体験からそうは思わないとか切り込んで欲しかった。

後半も、今まで読んだものの繰り返しである。あ、もちろん個々に取り上げてある話題には新しいのがあるのでしょうが、スタンスはまったく同じだし、平面的に取り上げてあるので違う印象をまったく受けない。

そう、その平面的に各国政府や金持ちの「犯罪行為」をずらずらと並べてある所が、どうも好きになれない。チョムスキーの言ってることはもちろん事実だろうという点に異存がある訳ではない。ただ、それから先をチョムスキーはまったく示さない。いまさら、「万国の労働者よ団結せよ」と言って何とかなるものではないだろうし。

それに、結局民主主義って選挙に落とし込むしかないのよね。と、すると、選挙で選んだ(ブッシュについて異論はあるが、接戦にまで持ち込んだのは事実)人間が悪いと言うことにしかならない。メディアが彼らを騙したのだからと言ったって、じゃあ、チョムスキーが彼らを指導すると言ったとたんに、独裁制になるし、教養人が指導するとすると、寡頭政になる。20世紀の共産主義の失敗の後追いだ。

それと、「上層部が悪人だから社会がうまく廻っていないので、彼らを排除すれば良くなる」と主張しているように見えるのも気に入らない。紛争世代って、この論理でゲバ棒を振り回したあげくに結局何も変えられなかったなだ。ゾロアスター教でもあるまいに、人間なんてそんな単純なものではないですよ。

アメリカでは本書に取り上げてある事実に気がついていない人が多いとすれば、このような著作も意味があるのだろうが、日本人が読んで、「西洋の上層部は悪人ばかり」で「アメリカの社会はまったく成功していない」と一面的にとらえると、全体の流れを見失うことになるだろう。

とは言え、チョムスキーの著作を読んでいない人がいたら、一冊は読みましょう。どうするかは別として、事実を知ることは大切です。




帝国アメリカと日本 武力依存の構造 (集英社新書)
販売元: 集英社

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アメリカ人には自国の帝国主義的な独善政治を批判するのは困難だが、その枠を乗り越えて徹底的に批判を加えている点で、この本はアメリカの良心の一部を代表するものだ。世界各地に軍事基地を保持することによって、アメリカは現代のローマ帝国の真似をしているが、ローマ帝国の為政者ほど属領のインフラ作りや自由な行政を認めず、傀儡政権を謀略で操ると言う意味では、寛容性に乏しいのは米国の歴史の浅さのせいと言ってよい。これは日本人のために書かれた本ではないので、日本政府がいかに食い物にされているかについて論じていないが、本書を読めば小泉政権の傀儡ぶりは鮮やかに浮かび上がるし、更に酷い安倍内閣の売国奴ぶりは歴然とするはずである。世界支配を成し遂げる米国のスーパーパワーの下に、日本の政治がいかに不甲斐ないものであるかを考えるためにも、本書は隷属とは何かを考えさせる頂門の一針と呼べるものである。




デモクラシーの冒険 (集英社新書)
販売元: 集英社

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本書は、日豪の政治学者による対談を編んだものです。
イラク戦争をきっかけに、もはや教科書通りの民主主義、
すなわち我々の一票で政治を動かすというプロセスが、
「安楽死」を迎えつつあることを憂えつつ、
政治思想史の俯瞰、現状分析や独創的な提言を行うものです。

やたらと基礎的な注のレベルからして、
想定される読者は高校生や大学新入生程度と思われますが、
現代の国際政治経済から身近な政治ニュースまでを読み解く際のモノサシを提供してくれる本書は、
まさにかかる世代の若い方にうってつけの良書だと思います。
まずは、ポスト安倍からテロ対策特別措置法の行方を巡るニュースを分析するお供に、
是非ご一読下さい。

なお、本書に限らず、姜尚中教授に対する感情的な反発に根ざしたと思われるような、
書物の質とは関係のない批判が散見されるのは残念です。






都市は他人の秘密を消費する (集英社新書)
販売元: 集英社

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「都市論、メディア論を展開しながら解き明かす、情報消費社会の様相。」
と、あるので人間生理学や人間工学、心理学・・・という観点で都市とメディアと人間というものを説いていく内容の本だと思い、購入しました。

 読んでみたら、全くの見当違いで腰が砕けました。

 引用や参考文献が小説からばかりなのです。フィクションから現実の人間、都市というものをひも解いていこうというのは無理があります。これを読んで読者に伝わることは、

「作者はよっぽど推理小説が好きなんだね」
以上。

この本を書いたのが推理小説好きの小学五年生だったなら星5つです。




動物化する世界の中で―全共闘以降の日本、ポストモダン以降の批評 (集英社新書)
販売元: 集英社

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 音楽で言うと、クラシックとジャズ・ファンの間には、ある亀裂がある(両方の愛好家も少数ながら存在するだろうが)。たとえば、有名なバーンスタインvsグールド(あえてvsと書く)の有名なベートーヴェンの協奏曲を取り上げてみよう。クラシック・ファンは、調和していないコンチェルトの演奏は最悪だという。しかるに、ジャズ・ファンは、それぞれ勝手にやってても、それぞれがよければイイじゃない、という。評論や対談というジャンルは、本来クラシック音楽に近い性質のもののはずだから、「噛み合わない討論」(噛み合わない、という事実に関しては争いはなかろう)は低い評価しか与えられないのが論理的には正しいはずだ。そういう意味では、本書は極々例外的事象に属する。つまり、ジャズ的な耳でクラシックを聴く、という、クロスオーバー的な読みを必要とするからである。
 討論が破綻する両者の根拠をよく読んでみよう。破綻は必然的に起こってきたことが了解されよう。ならば、その破綻の原因を笠井氏に求める評者が多いようだが、その読みは独善であることが理解されると思う。この討論はある意味あらかじめすれ違いに終わることが予定されていたようなものである。
 では、この討論に意味はなかったのか? それは違う。すれ違いに至ったお互いの論拠をよく読むことは、本書に限って言えば、たいへん意味のあることだからである。




中坊公平・私の事件簿 (集英社新書)
販売元: 集英社

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中坊氏と言えば私の中では整理回収機構での活躍(最後に汚点があるが...)が強く印象に残る。氏に対しては色々な意見があるが、整理回収機構を除けば、国民的ヒーローの気がする。戦中派弁護士として、十分その使命を果たし「功」を認められてしかるべき人の気がする。現役の方達にこのDNAは引き継がれたのだろうか?それとも彼らの代で終わるのだろうか?最近、社会派弁護士より経済問題が脚光を浴びる御時世なので目立たないだけなのだろうか?
日本の司法はチェック&バランスが機能しておらず、かなりネガティブな想いが強いが、過去、この様な人もいたのだなと思うと少し救われる様な気がする。が問題はこれからだ。このまま司法&行政&企業グループに弁護士も仲間入りするのかそれとも司法&弁護士グループが成立しチェック&バランスを取り戻せるのか?かなり気になる今日この頃です。




ナショナリズムの克服 (集英社新書)
販売元: 集英社

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特に「民族」という単語についてのくだりでは、喝采を送りたい気持ちになった。種族や人種というものはあっても民族などというものは存在しないという考え方。まさに慧眼だ。唯一使用可能なのは、ごく少数のグループが敢えて自分たちの存在を主張する場合にのみ、例外的に可能という点などその通りであろう。 
概念の再構築の手助けとなる一冊。


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