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和書 882814 (100)



「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

「子供たちは勉強漬けで窒息しそうになっている」という認識が疑いようの無い事実であるかのように言われてきました。
しかし本書は、そのような子供像は20年も前のものであり、今の子供たちはむしろ勉強から逃走しており、従来の認識は正しくないことを明らかにします。

このような現状は必ずしもこれまでの「ゆとり教育」路線を否定することに直結するものではありません。
しかし、ゆとり教育が「たるみ」として推進されようとするならば、本書の示す問題意識はゆとり教育に大きな問題提起をすることになるでしょう。

ではなぜ子供たちは勉強から逃走したのか?
著者はその原因を「圧縮された近代化の終焉」というキーワードから解き明かしていきますが、あまり分かりやすい説明はなされていないように思います。
ただ、本書とあわせて同著者による『学力を問い直す』を読むと、著者のいわんとしていることは理解できます。

よって、本書は『学力を問い直す』とセットで読むことをおすすめします。




「学級」の歴史学―自明視された空間を疑う (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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 本書は「学級」や「学校」の起源を探ることから議論をはじめ、現在の日本の学級についての問題を考察している。この点では教育史的な部分と臨床的な部分の両面性を含んでいると言って良いであろう。教育病理についての歴史的なアプローチと言ってもよい。

 ルターやペスタロッチの児童中心的な思想、それまでの教授法とは異なったモニトリアルシステムと呼ばるモニターと呼ばれる生徒が分業して行う教授法、教科主義、ファーストフードチェーン、パックツアー、日本の教育の歴史など数々の項目を取り上げ、非常に説得力のある文章構成で自明視されている「学級」について言及している。日本の事象だけでなく、海外の事象も関連させて述べられており、私にとって新しい革新的な一冊であった。
 
 「良い教育と悪い教育」「子ども中心と大人中心」などの二項対立図式にとらわれず、教育のハードウエアである「学級」「学校」に焦点を当てた点では評価に値するように感じる。現代の流行的な意味で、病理の背後には家庭の事情や、電子メディアの影響などが語られる事が多くなった近年の動向に対する挑戦的な著作であったが、やはりここでも十分な説得力をもって編まれた文章であるように思う。

 データや、心理的な分析が加われば更なる強みになるのではないだろうか。やはり教育病理を扱うのであれば、「学級」だけでなく他の可能性も視野に入れた方が良いと考えたからである。また抽象的で私にはわかりづらい部分も少なからずあったが、その点に関しては私の読解力不足でもあると思う。本当に色々と考えさせられる著作であった。




「弱い父」ヨセフ キリスト教における父権と父性 (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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「心のノート」を考える (岩波ブックレット (No.595))
販売元: 岩波書店

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「心のノート」の問題点がコンパクトにまとめられています。
さらに、注に示されている文献を読んでいくといいでしょう。
基本的には「心のノート」はノンエリートに「すなおな心」だけを身につけさせるための道具であることがよくわかります。
引き続き、岩川直樹・船橋一男編『「心のノート」の方へは行かない』寺子屋新書、2004を読まれるといいですよ。




「思想」の現在形―複雑系・電脳空間・アフォーダンス (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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「撃ちてし止まむ」―太平洋戦争と広告の技術者たち (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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“政事家”大久保利通―近代日本の設計者 (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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NHKの大河ドラマ『翔ぶが如く』で西郷隆盛よりも大久保利通に惹かれた。この本も一気に読んでしまった。ルールも何も決まっていない状況下で、一国の内政外交の困難を一人剛毅・屹然としたる姿勢で切り抜けていく様には畏敬の念すら覚える。そんな「大政事家」がいた日本は幸運としかいいようがない。暗殺されずに希望通りあと10年、内務省長官をしていたら、この国の悲劇をいくつも回避できていたかもしれない。本の前半と後半の雰囲気が全く異なることに明治維新のすごさを思い知らされるが、とはいっても、本の前半1/4はさすがに読みにくい。書き方に工夫の余地あり。




『新約聖書』の誕生 (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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イエスキリストの生涯は良く知られているが、その後キリスト教が発展してローマ帝国に広がるところはあまり良く知られていない。この本は新約聖書の誕生に焦点をあてて、初期キリスト教の発展を詳しく説明している。イエスは文書なしに布教をした。初期の教会主流から分派した「ヘレニスト」によって最初の聖書であるマルコ福音書がギリシア語で書かれる。その後パウロが教会主流とたもとを分かつが、パウロの書簡は権威あるものとされる。さらに2世紀半ばにマルキオン派が独自の文書集を作るが、「異端」として退けられる。しかしこれを機に教会主流派は聖書を作成する。このように、教会主流派が異分子を排除しつつ、そこから学んでいく過程は興味深い。ローマ帝国の歴史も必要に応じて触れられているの!で、時代背景もよくわかる。文章はややくどいが、明晰である。




「日の丸・君が代」を強制してはならない―都教委通達違憲判決の意義 (岩波ブックレット)
販売元: 岩波書店

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まず日の丸・君が代処分 という本を読んだ方がいい。都立高校に対する都教育委員会が推し進めている日の丸・君が代の強制と教師に対する都の処分の凄まじさがわかる。板橋では警察を介入させ、偽計業務妨害罪で逮捕、起訴され有罪(未確定)ということまで起きている。事件はHPで検索すればわかるので割愛。逮捕、起訴が不相当であり、また裁判所も有罪と認定すべき事実関係にはない。刑事司法が有罪としたのは衝撃だった。この本は都が君が代・日の丸を通年行事においてどのように取り扱うべきかを事細かに指示した通達を違憲とした裁判における裁判所の判断のロジックと、教師個々人のさまざまな君が代・日の丸の不斉唱、不起立、伴奏拒否理由が収められている。前者は憲法の法的知識を持っていればその面白さや裁判官の苦慮がわかるし、また都がいかなる憲法理論をぶつけてくるかがわかるが、そのあたりを著者がわかりやすく、また参考文献を挙げていないのが薄いのが残念。証言も数が少なくこの本では欲求不満となる。しかし、やや荒れた筆致ながらなぜ教育権が重要なのか改めて考えさせられてよかった。ここには右・左のレベルを超えた国家統制・ファシズムをひしひしと感じさせられる。左だから、ではなく強制への反感や危機感が原告が共有しているところがよくわかった。控訴審以後の司法の良心を信じたい。破ったら血が流れる判決である。




「日本美術」誕生―近代日本の「ことば」と戦略 (講談社選書メチエ)
販売元: 講談社

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 日本近代美術史研究で重要な位置を占める著者が一般向けに書いた書物。見た目の軽さと違って重たい内容のだいじな本だが、若干話題を広げ過ぎたかもしれない。いくつか疑問点もあり。たとえば、作家の「独創性」や「独自性」が初めて評価の基準として成立したのが近代だというが(p.25)、実際には古代中国から近世の日本に至るまで、画家についてその独創性が云々されるのはごく普通のことだった。絵画の題名を「○○図」と呼ぶいい方が古い時代にはなかったように記すのは(p.49)、明らかな誤り。無数の実例を挙げることができる。美術に関わる何もかもが近代に新しく誕生した、という思いこみが強過ぎるのではなかろうか。 


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