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DVD/ビデオ 16295831 (4)



シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.11
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 コナン=ドイルのホームズ物には、4篇の長編があるが、第二作目のこの作品が(第一作〜デビュー作の「緋色の研究」は、このシリーズでは作品化されていない)、採用された。おそらく、「緋色の研究」は、モルモン教の方々に対しては不愉快な作品なので排除されたのではなかろうか?
 さて、この作品には、有名な「ベイカー=ストリート=イレギュラーズ」と呼ばれる浮浪少年たちが登場するし、犬のトビーも登場する。これで、ホームズの周辺の登場人物がそろってくるわけだ。
 植民地時代を背景にした今から観ればやや人種差別的な設定であるが、それは、歴史の事実なのであって、非難するに当たらないであろう。
 ネタバレにならない部分で本編の結論部分について少し薀蓄を語らせていただくと、原作では、この作品で、悲劇のヒロインメアリーと結婚して大団円を迎えるわけだが、それは、採用されていない。これは、時間の関係なのか、あるいは、シャーロッキアンの研究に対しての配慮であったのか、判断に迷う。つまり、シャーロッキアンの研究では、他の短編集のワトソンの結婚年代や妻の名前の呼び方等からして「ワトソンは二度結婚したのか」と指摘されているからである。同様にワトソンの怪我は肩か足かという研究などもある。このテレビシリーズは、結構こういう部分についても配慮しているように思う。さすが、本場である。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.13
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 グレナダテレビの第二シリーズ「帰還」の最後の巻である。
 「ウイステリア荘」は、原題は「Wisteria Lodge」で、延原訳も同じ。第四短編集「最後の挨拶」の冒頭を飾る作品で、通算37作である。原作は、短編というよりも中篇といえそうで、「ジョン=スコット=エクルズ氏の怪奇な体験」と「サンペドロの虎」という中見出しがついているし、ストランド誌でも2回に分けて掲載されている。それを短編と同じ時間にまとめようとしたためか、役に立たないスコットランドヤードのグレグズン警部が登場しないし、何よりも、原作では、ホームズ以上といっていい活躍をするサリー州の田舎のベインズ警部までが省略されている。
 原作を読んだ者としては、ホームズの鼻を明かしたといえそうな唯一の名警部が登場しないのは残念極まりない。彼との「対決」というか、競い合いは、レストレードたちとの競い合いとは違う趣があったのに。
 「ブルースパティントン設計書」は、原題「Bruce Partington Plans」第四短編集「最後の挨拶」4番目、通算40作である。「ギリシャ語通訳」で登場した兄マイクロフトが登場して、国家的危機の解決を依頼する。ここで、初めて、マイクロフトがイギリスの国歌のかなりの地位を占める人物であることが明らかとなる。私が、「シャーロッキアン」の同人誌にホームズは「私立」探偵ではなく、国歌から何らかの庇護を受けた探偵だと言う話を書いたのも、この作品があるからだ。
 それはさておき、首尾よく、イギリスの危機を救うわけだが、そこには、マイクロフトの知識や推理が相当役立っている。マイクロフト自身も探偵としての素質に恵まれていたのではないか?この兄弟が、共同して他の事件の解決に当たったらどうなったろう・・・・これは、見てはいけない夢でしょうかね。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.14
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 このシリーズ2作目の長編には、原作の4つの長編のうちの3作目が選ばれた。第一作「緋色の研究」と第四作「恐怖の谷」は、このシリーズでは取り上げられなかった。
 この作品の持つ恐怖、怪奇さは、読んでも怖いが、おそらく映像にすれば、さらに強調できるのであろう。AMAZONで「シャーロック=ホームズ」で検索すると、このグレナダTVとは別に何作か、映画化されている。私もうろ覚えであるが、2作品程度見た記憶がある。
 これらのぼんやりした記憶と比較しては申し訳ないのだが、この作品の「恐怖の犬」の描写は、それほど怖くない。全体的に陰惨な雰囲気はあるのだが、原作を読んだときのような恐怖が感じられなかったのは残念である。
 あと、おなじみのレストレード警部が、原作ではかなり重要な役回りになっているが、この作品では、登場しない。理由がよく分からない。

 そんなこんなで、☆1つ減点させていただきました。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.18
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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 本来短編であったものを前・後編に分けて「長編」の扱いを取っているが、第五短編集「事件簿」の5番目、通算49作である。DVDの原題は「Last Vampire」となっているが、原典では「Sussex Vampire」であり、邦題もこの原典の方を訳している。延原訳も同様である。
 このように原典と違う題名をつけたのは、本来短編であった作品を長編扱いするための布石であったのかもしれない。原作とは、全く違う作品になっている。
 何よりも、この作品で主人公役のストックトンなる人物は、原作に登場しない。原作を基準にすれば、架空の人物なのである。その人物に、重要な役割をふった結果、原作にあるホームズの明快な推理が薄められてしまった。
 原作の忠実な再現でないということを前提にしているとはいえ、ここまでの改編は、ホームズの物語を借りた「新作」ではないかと思える。

 何も原作にこだわる「教条主義的シャーロッキアン」ではないが〜今までのレビューでも、改変については、時間の制約などでやむをえなかったろうという理解をして来たつもりである〜、短編を無理やり長編扱いにするなら、もう一作短編を作ってくれた方がよかったと思う。

 そういう次第で、このシリーズの評価としては最低の☆2つ減点とさせていただきました。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.20
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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 これも本来短編であったものを長編扱いしたものである。
 第一短編集の「冒険」に戻って、その第10番目の作品を使っている。DVDの原題は、「Eligible Bachelor」であるが、原典では「Noble Bachelor」である(「冒険」の原典の題名には,7作目以降は、本来は「The Adventure of」がついているが省略する)。新潮文庫の延原訳では「花嫁失踪事件」と訳されている。このほうが、事件の内容を端的に示していて、妥当だと思う。
 さて、この話は、原作を読んでから見た方は、みんな違和感を持ったのではなかろうか?詳細はネタバレになるので、敢えて隠すが、原作の善人が悪人になり、悪人が善人として描かれている。犯人を別の人間にするというような問題ではないが、やはり、ここまで主題を変えたのは、、ホームズの原作を借りた新作と考えるほかない。

 短編3作を無理やり、長編にして3作品を流して、グラナダTVの第三シリーズ「事件簿」は終わり、第四シリーズの「思い出」に移っていく。

 ともあれ、このシリーズの18〜20巻は、新たな試みであったかもしれないが、原作をいじりすぎて違和感のあるものであった。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.21
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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このテレビ・シリーズは、「事件簿」や「最後のあいさつ」に収められた、どちらかというと不人気な作品も、面白く見せようと工夫していて、立派ですね。名探偵と天才病理学者の一騎打ちを描いた「瀕死の探偵」など見事な成果だと思います。事件の発端と展開がていねいに描かれていますし、また、被害者の美しい未亡人の苦境にも焦点を合わせ、幅のあるドラマとなりました。もう一つの「三破風館」は、クローディーヌ・オジェーが久々に登場しているだけでも、話題性十分でしょう。上流階級に入り込む最後のチャンスに賭けた美しい中年女性が犯した罪を、ホームズはどう見たのでしょう?




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.3
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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「冒険」の中で一番の傑作をあげるとなるとこれ。ジェレミー・ブレットの演技の巧みさに加え、ストーリーの成熟度が高い。赤髪の持ち主の演技も相当なもの。犯人役のプライドの強さもイギリスという国を物語る。ジェレミー・ブレットは残念ながら故人だが、彼の演技のもとは信じられないほどの深さで原作を読みこなしていることから来る。推理小説なので筋は言えないが、短編では世界に通用する傑作。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.4
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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「青い紅玉」は、原題は「Blue Carbuncle」第一短編集「冒険」の7番目の作品である。クリスマスシーズンにもってこいの話だ。
 この話の結末を書いてしまったら、まだ見ていない人のために申し訳ないので、ぼかして書きますが、昔、「シャーロッキアン」の同人誌に「ホームズの犯罪」と題して、ホームズが事件の解決に当たって犯した「犯罪」をまとめたことがあります。本件では「犯人隠匿罪」。もちろんホームズが単なる「素人」探偵ではなくマイクロフトとつながったイギリスの秘密警察員という前提での議論ですけれど。
 「ぶなの木屋敷の怪」は、原題は「Coopper beeches」で、第一短編集「冒険」の12番目の作品であるが、この邦題はいただけない。延原訳の「ぶな屋敷」の単純さの方がいい。この話での最大のテーマは、事件よりもホームズの事件の記録管理者ワトソンとホームズの関係について突っ込んだ議論がされているところかもしれない。
 このあたりは、「シャーロッキアン」といわれるホームズ研究家の格好の題材である。しかし、事件自体は、それほどの面白みはない。






シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.5
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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 「ギリシャ語通訳」は、原題は「Greek Interpreter」、第二短編集「思い出」の9番目、通算21作になる。
 ここでは、ホームズの謎の兄マイクロフトが初登場する。この不思議な兄をこの演出では丁寧に描いている。イギリスの交換とか外務省の関係者ということから、僕は昔、ホームズは「私立」探偵と称しているが、実は、イギリスの秘密警察ではないか・・・?などというたわいもない「論文」を同好の士の同人誌に投稿したことがあるが、この話があながちはずれでないという演出には、個人的に、思い入れがある。
 事件自体は、ネタバレになるので触れずにおくが、主人公ソフィーの描き方は、原作とは正反対のものであることだけは指摘しておきたい。この点については、僕は、あまり賛成できないが、原作の忠実な再現ではもともとないので、こういう解釈もあるのか・・・?位にとどめておく。
 「ノーウッドの建築士」は、原題は「Norwood Builder」で第三短編集「帰還」の2番目、通算25作目である。邦題は延原訳がいい。
 さて、この話は、ホームズ物に必要不可欠なレストレード警部が出てきて「活躍」するが、一部ネタバレで申し訳ないが、原作では人間の焼死体に見せた動物が、この作品では「人間」になっている。前者であれば、「単なる悪ふざけだった」で住むが、後者では殺人であり、同じセリフを言わせるのは無理があるのではなかろうか?
 もともと、原作の忠実な再現でないことがこのシリーズの前提であるが、そうは言っても、ここまで変えてしまうと、興ざめである。




シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.2
販売元: ハピネット・ピクチャーズ

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 テレビ版第3作の「海軍条約事件事件」は、第二短編集「思い出」の10番目の事件。短編集で通算22番目のお話である。事件の内容は、ネタバレになるので触れないが、この話で特に強調されているハドソン夫人とホームズの関係〜有名な私立探偵でありながら私生活はずぼらそのもののモームズにほとほとあきれる賃貸人〜のリアルさが面白い。
 「美しき自転車乗り」は、第三短編集「帰還」の4番目。通算24作目の作品である。この訳は延原氏のものであるが、原題の「Solitary Cyclist」の訳し方によっては、可憐な被害者バイオレットではなく犯人を暗示させるという凝った内容になっている。個人的には、ヴァイオレット役のバーバラ=ウイルシャーは、僕が本で呼んでイメージした女性と大違いでがっかりしたのだが、それは個人の好みなので減点しないこととする。


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